米国セブリングで開催されたマツダ・グローバルMX-5カップ「世界一決定戦」で、マツダ株式会社 毛籠勝弘専務執行役員に「アメリカで支持されるマツダ・モータースポーツの真実」について直撃した。そこから日本人の知らない真実が見えてきた。PHOTO ◎ MAZDA GLOBAL MX-5 CUP / MotorFan.jp
「1970年代から北米でモータースポーツに参加してきました」
直撃!! アメリカで支持されるマツダ・モータースポーツの真実とは?<Part2> 北米マツダ・モータースポーツ・ディレクター、ジョン・ドゥーナン【インタビュー】
-----まず、日本企業であるマツダが、北米のモータースポーツ活動に力を入れている理由を教えてください。
「日本の皆さんはあまりご存じないかも知れませんが、マツダはアメリカ市場に1970年に進出し、その年からモータースポーツに参加しています。ロータリー全盛の時代ということもあり、73年にRX-2で初めて勝利を挙げてから継続して挑戦を続けてきました。以来、マツダ本社が主導となり、様々なカテゴリーで戦い続けて実績を積み重ねてきたことで、それが根付いてお客様のファン層が広がりました。こうした流れでディーラーチームがレースに参加するなど、当時からアメリカのモータースポーツは裾野が広かったのが分かります。欧州とは少し異なり、誰もが簡単に参加できるので、かなり多くの人がグラスルーツに参加しています。80年代の後半には、長きに渡ってアメリカで蓄積してきたレース活動に“ミアータ(ロードスター)”が加わることで花開き、ミアータを中心にグラスルーツに参加する人が急速に増えました」
-----なにか大きなキッカケがあったのでしょうか?
「マツダはIMSAシリーズで多くの勝利を挙げたことで有名となり、北米本社でもその頃から継続してグラスルーツに参加するお客様のサポートを継続してきまして、今ではサンデーレーサーの半分以上が“マツダ・パワー”で参加しています。ですので、急に力を入れたのではなく、昔からずっと一貫して続けてきました。それは、マツダがトップカテゴリーから撤退した90年代後半からも、グラスルーツへの支援は変わらずに地道に続けていました。それは地元のファンも良く知っています。“セブンストック”というイベントが開催されていますが、もの凄い数のロータリー車が集まるですが、世界的に見てもアメリカだけだと思います。そういうことで、多くのファンの人たちが、マツダのスポーツカーを守って育ててくれているのです」
-----マツダのモータースポーツ活動は、ドライバー支援も充実していますね。
「多くのファンの人たちに支えられた状況のなかで、モータースポーツに貢献するという意味では、ドライバーを育成するプログラムを継続してきました。オープンホイールの“ROAD to INDY”とクローズドホイールの“ROAD to 24”のふたつを展開し、多くの若手ドライバーが巣立っていったのです。“ROAD to INDY”は残念ながら今期で終了することを決定しましたが、こうした活動の積み重ねによって、アメリカのモータースポーツでは、マツダのネームバリューやネットワークが広がって信頼されることにつながったと思います」
「マツダのモータースポーツやミアータは、お客様が育ててくれました」
-----では、MX-5という視点では、どうなのでしょうか?
「MX-5でモータースポーツに参加している人は本当に多く、グローバルMX-5カップカーは197台を販売しました。これほど売れるとは予想していませんでした(笑)。やはりアメリカでたくさん売れて、カップカーを購入した人はみんなレースに参加しています。ドライバーの腕を競うという意味では、とても良いレースだと思います。これはグローバルで使えるスポーツカーがあって実現することなので、そういう意味では歴代ロードスターの開発主査やメンバーが良いクルマを作ったことで、こういった機会が提供できているのだと思います」
-----マツダMX-5は、2016年に日本カー・オブ・ザ・イヤーとワールド・カー・オブ・ザ・イヤーをダブル受賞して高い評価を得ました。
「クルマに定評があり、なんでもお気軽に出来る世の中にあって、そうした流れに乗らず、大事なものをきちんと作り込んで良いクルマを作るというマツダの開発のこだわりや熱意が、デザインとともに評価されたことが嬉しいですね」
-----アメリカのサーキットには独特の熱気を感じますが、北米市場におけるマツダブランドの価値は、日本とは違うものなのでしょうか? モータースポーツのDNAを感じるブランドですか?
「日本と比べると、アメリカでマツダはあまり知られていません。知っている人のなかで、強烈に知っている人はモータースポーツを通じてファンになった方で、その中にはいまだにロータリーを語っている人がいます。もちろん、626や323を知っている人もいますが、本当のマツダファンは“マツダ=スポーツカー”という印象を持っています。それが長年のモータースポーツ活動を通じた実績だと思います。こうしたことを踏まえて、マツダブランドイメージをディーラー展開や商品に反映させる、というのが現在地ですね」
-----現在、北米ではディーラーの改革を進めていると聞きましたが。
「新世代のデザインで進行しています。モータースポーツは一部をグラフィックで表現しています」
-----2020年にはマツダ100周年という記念日を迎えますが、アメリカでも記念イベントやキャンペーンを実施するのですか?
「アメリカ市場にミアータを導入して30年近く経ちますので、ミアータのお客様はその層が濃くて多いですね。マツダのモータースポーツやミアータはお客様が育てて作ってくれたものだと思っていますので、ファン感謝イベントなど、なんらかのカタチでの恩返しをしたいと考えています。これはアメリカ独自の話ですが、来年の早いタイミングで発表できれば良いと思います」
「2019年1月のデイトナ24時間レースへ向けて頑張りたいと思います」
-----グローバルMX-5カップには14歳のドライバーが参加しています。その仕組みが凄いと思います。
「グローバルMX-5カップカーはとても扱いやすいクルマです。パワーがそれほど大きくないので、カートを経験しているドライバーならば乗りこなせるのだと思います。14歳で参加できたのは、お父さんがレーシングカートに乗せるところからスタートしたのだと思いますが、やはりレーシングシミュレータやレーシングゲームが進化している点も大きいと思います。以前と比べると異次元のスピードですが、実際にクルマに乗らなくてもある程度取得できるところが挙げられると思います。自宅に居ながらにしてサーキットが体験できるのです」
-----2019年以降についてのグローバルMX-5カップのニュースがありましたら教えてください。
「アメリカシリーズに関しては、2019年へ向けてハイパワー化したカップカーを準備しています。現状のマシンで戦っている人に向けては、アップデートキットを検討しようと思っています。しばらくは、パフォーマンスが異なるクルマを混走させる期間を設ける方向で考えています。(新型はND-2,旧型はND-1と呼ばれ、それぞれで表彰、スカラシップも用意される)海外に関していえば、複数の国から開催したいというリクエストを受けています。イギリス、タイ、フィリピンなどから話があります。イギリスはアメリカに次いでMX-5が売れている国なので、グローバルMX-5カップに参加したい人は多いと思います。時間は少しかかると思いますが、ぜひチャレンジしたいですね」
-----グローバルMX-5カップのひとつ上のカテゴリーを準備している、というお話はありますか?
「グローバルで展開する新しいカテゴリーができていますので、近い将来、そこへの参加を考えなければいけないと思っています。MX-5カップよりもハイパワーで、参加費用もさらに必要ですが、ここに“マツダ・パワー”の車両を準備してステップアップできるようにしたいですね」
-----2018年、マツダはプロトタイプカーでIMSAシリーズに参加し、最終戦で表彰台に登りました。
「やはりファンの人達はトップカテゴリーで活躍してほしい、と思っています。自分たちが運転しているブランドの活躍が気になるのです。2017年はシーズンの途中でレース活動を止める決断をしまして、2018年シーズンの活動に集中することにしました。名門のヨーストレーシングと一緒にIMSAシリーズを戦うことにしたのです。ヨーストはもの凄く良いパフォーマンスを発揮しましたが、シーズンを通して少し不運もあったりして、結局勝てずに終わってしまい残念でした。しかし、途中からは相当コンペティティブな戦いができましたし、最終戦はあと一周あれば勝てるレースだったと思います。優勝争いができるレベルまで到達して、かなり手応えを感じています。2019年1月のデイトナ24時間レースへ向けて頑張りたいと思います」
-----ありがとうございました。
世界一決定戦のダイジェスト動画
MX-5カップ公式サイト内のギャラリーページに掲載
GAORA SPORTSがグローバルMX-5カップ世界一決定戦を放送
マツダのモータースポーツ活動が未来へ紡ぐヤングドライバーたちの夢や、“世界につながる”画期的なレースの神髄に迫る。放送日時は2018年12月22日(土)22~23時なのでお見逃しなく!!
東京オートサロン2019で、堤優威&吉田綜一郎トークショー開催
東京オートサロン2019(幕張メッセ)のマツダブースでは、1月12日(土)、グローバルMX-5カップ世界一決定戦を戦ったドライバーのトークショーが開催される。詳しくは公式サイトをチェック!!
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