現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 高齢者でも「ペダル操作」を間違えない! 「ワンペダル」が交通事故を減らす「切り札」になる理由

ここから本文です

高齢者でも「ペダル操作」を間違えない! 「ワンペダル」が交通事故を減らす「切り札」になる理由

掲載 更新 51
高齢者でも「ペダル操作」を間違えない! 「ワンペダル」が交通事故を減らす「切り札」になる理由

アクセルオンオフのみで加減速を実現する

 高齢ドライバーによる交通事故が増加している。事故を起こす理由として「アクセルとブレーキペダルを踏み間違えた」という話が多い。ならばひとつのペダルのオンオフで加減速ができる「ワンペダル」の存在が事故を減らすことになるだろう。すでに日産のノートやリーフに採用されている「e-PEDAL」を例にして、ワンペダルのメリットとデメリットについて考えてみたい。

高齢者の「踏み間違い事故」減少に効果はある! 日産車やホンダeが採用する「ワンペダル」操作の課題とは

EVやHVだからこそ実現するワンペダル操作

 アクセルのワンペダル操作が注目を集めるようになったのは、前型の日産ノートが「e-POWER」と呼ぶハイブリッド車(HV)を販売するようになってからだ。

 e-POWERの特徴は、これまでトヨタが代表してきたHVと異なり、ガソリンエンジンは搭載するが、発電機を稼働させるだけの目的で使われ、走行はすべてモーターによるところにある。つまり、走行機能は電気自動車(EV)と同じなのだ。これは、リーフの駆動系を応用したことによる。

 そして、e-POWERドライブと名付けられたアクセルのワンペダル操作は、モーター駆動であるからこそ実現できる加減速機能である。

 モーターは電気を流せば駆動力を生み出す。逆に動力を与えると発電機として機能する。これを回生(かいせい)という。モーターと発電機が同じ機構だからできることだ。

 クルマでモーターに動力を与えるというのは、走っている状態を意味する。アクセルを戻した後もクルマはしばらく走り続ける。それが動力となってモーターを回転し、このときモーターは発電機の役割に切り替わって発電し、その電力をリチウムイオンバッテリーに充電する。

 その充電された電力で、次にアクセルペダルを踏み込んだとき、加速するための電気をモーターへ提供できるのだ。

 モーターが発電機として機能するときには、発電中に磁力の影響で抵抗が生じ、それがクルマを減速させる力になる。これを回生ブレーキという。

テスラやBNW i3からワンペダルはメジャーに

 アクセルのワンペダル操作は、そもそもEVで普及した。初代リーフでもその効果は利用されたが、ワンペダル操作を強く意識させたのは、米国の「テスラ」や、ドイツの「BMW i3」といったEVだ。それらは、EVらしい運転操作を商品性としたためである。一方、初代リーフは、ガソリンエンジン車からの乗り換えでもあまり違和感を覚えさせないように考え、ワンペダル操作をあまり強調しなかった。

 しかし、せっかくリーフの電気駆動系を応用した新しいHVをe-POWERとして売り出すに際し、日産はe-POWERの第1弾となった「ノート」でワンペダル操作を商品性のひとつとしたのだ。

 では、モーター駆動だとなぜワンペダル操作ができるのか。

 先にも解説したように、モーターと発電機は機構が同じである。そして電気を流せばモーター内の磁力によって回転力が生まれ、クルマを走らせる。より多くの電気を流せば強い加速が得られる。

 逆にアクセルを戻せば電気が流れなくなり、モーターは発電機に切り替わる。このとき、内部の磁力によって抵抗が生じ減速力が働く。たとえばエンジンブレーキのような感じだ。

アクセルワークは年齢関係なく運転向上に重要

 回生ブレーキの強弱は、アクセルペダルの戻し方で調節できる。素早くパッと戻せば、急ブレーキを掛けたような強い減速になる。ゆっくり戻していけば、徐々に速度が落ちていく。

 アクセルペダルの戻し加減によって、停止線に合わせてクルマを止めることもできる。それほど難しい操作ではなく、1~2度試せばコツをのみ込める。

 しかし新型ノートでは、アクセルペダルを戻しても減速はできても停止まではできない制御に切り替えた。クルマが止まることに対し、ブレーキペダルを踏む意識を持たせるためだ。

 それでも、アクセルペダルだけで停止できるのがモーター駆動の特徴であり、それによってペダル踏み替えの回数を減らすことにつながる。

 したがって、ここからは提案であるが、スイッチやシフト操作などで停止できるかどうかの使い分けすることも可能であり、運転者の好みに応じて選べるようにしてはどうか。

 慣れないうちは、減速がギクシャクすると感じる人もいる。だが、穏やかなアクセル操作は、エンジン車においても燃費向上のコツのひとつともなる。ワンペダル操作を滑らかに行えるようなアクセル操作は、上手な運転につながることなのだ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

[大型ミニバン]頂上対決!? レクサス[LM]vsトヨタ[ヴェルファイア]約800万円の価格差はどこ?
[大型ミニバン]頂上対決!? レクサス[LM]vsトヨタ[ヴェルファイア]約800万円の価格差はどこ?
ベストカーWeb
破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
ベストカーWeb
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
ベストカーWeb
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
AUTOSPORT web
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
AUTOSPORT web
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
ベストカーWeb
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
AUTOSPORT web
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ベストカーWeb
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

51件
  • 両手に杖を突いてヨボヨボと歩く老人が
    ペダル1つだろうが2つだろうがまともな運転ができるはずがないことは目に見えている。
  • ペダルが4つも5つもあるならともかく、1つか2つですよね?
    運転適性のない人は、例え1つでも事故を起こしますよ。
    肝心なのは運転適性があるかどうかですよ、年齢に関係なく。
    状況に合わせた、あるいは先を予測して運転ができるか、他の車の動きを頭に置き、その中で自分の車をどう動かすべきか適切は判断ができるか、正確な車輌感覚を持っているか、そういう能力の方が遙かに問題だと思います。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村