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いま運転の楽しいEVは? 11位と10位 マスタング・マッハE GT ミニ・エレクトリック 英編集部選TOP 11(1)

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いま運転の楽しいEVは? 11位と10位 マスタング・マッハE GT ミニ・エレクトリック 英編集部選TOP 11(1)

完璧なドライバーズカーはBEVでは難しい?

バッテリーEV(BEV)への変革が始まって数年。当初の選択肢は数える程度だったものの、近年はモデル数が増え多様化しつつある。

【画像】いま運転の楽しいEVは? マスタング・マッハE GT ミニ・エレクトリック 全77枚

日産リーフが英国へ上陸したのは2011年だった。それから10年で、小型ハッチバックからハイパーカー、大型クロスオーバーにクラシックカーのエレクトロモッド(電動化)まで、幅広く展開されると想像した人はどれほどいただろう。

一方で、ドライバーの心を震わせるほど完璧な訴求力を備えたモデルは、BEVでは実現が難しいと考える人もいる。これまでのクルマ好きが積極的に選ぶような、ドライバーズカーだ。

AUTOCARでは既に、各メーカーがリリースする相当な数のBEVへ試乗し、評価してきた。運転の楽しさについても、つぶさに向き合ってきたと思う。

そこで今回は、これまでに試乗したBEVから運転が楽しいと感じられた上位11台を選出。ドライバーズカーという評価で、現時点での1番を決定することにした。

AUTOCARでは、その1年のベスト・ドライバーズカーを決める選手権を毎年開催している。市場環境が整い始めた2022年こそ、そのBEV版の第1回を開催するのに、ふさわしいといえるだろう。

価格も踏まえて運転の楽しさを評価

今回ノミネートした11台は、3万ポンド(約495万円)を切る小さなシティカーから、10万ポンド(約1650万円)を超えるスポーツモデルまで多彩。どれも優れた内容を得たBEVといえるが、価格も踏まえた運転の楽しさを、比較試乗を通じて評価した。

内燃エンジン・モデルと同じくポルシェが強いのか、お手頃なミニやフィアットも負けていないのか。はたまた、これまでにないメーカーが上位に割り込むのか。

比較試乗の舞台はグレートブリテン島の中東部に位置する、ヨークシャー地方のクロフト・サーキットと、周辺の一般道。英国編集部の4名が2日間に渡る審査で選び出した、2022年のベスト・ドライバーズEVとは?

まずは11位から4位までを、順にご紹介していこう。

11位 フォード・マスタング・マッハE GT 特徴的なタックイン

11位はフォード・マスタング。クルマ好きなら、マスタングという名前から特別なイメージが湧くと思う。BEVのクロスオーバーになっても、走りは充分に楽しめる。

クロフト・サーキットを、マスタング・マッハE GTで周回する。加速力は鋭く、電気モーターなどが発する唸りが速い感覚を助長する。だが半周ほどで、惜しい部分が見えてしまった。

フォードのスポーツモデルは、コーナリング中にアクセルペダルを急に放すとラインが内側へ絞られる、タックインに特長がある。フロントタイヤは路面を掴み、リアタイヤは軽快に外へ流れる。ボディの中心を軸に旋回するような、身のこなしが楽しい。

マッハEにも、フォードは同じ特性を与えようとしている。パワー・オーバーステア気味の特性も加えてある。一般的には、素晴らしいシャシー・チューニングだといえる。

コーナー外側のリアタイヤへ多くのパワーを加える制御は、BEVでは難しくない。オーバーステア状態に持ち込みやすい。ところが、マスタング・マッハE GTではバランスが今ひとつだった。

ワイルドな走りは楽しめる

フロントタイヤが浮き、リアタイヤが沈み込むような感覚がある。あまり好ましい挙動とはいえないだろう。このコーナリングスタンスは、1970年代のフォード・カプリのレーシングカーに似ている。コーナーの度に、ノーズが激しく上下する。

そこからアクセルペダルを踏み続け、ステアリングホイールの角度を緩めていくと、テールスライドも維持できなくはない。しかし、ターンイン時の反応が鋭い一方で、初期のボディロールも強すぎる。

マスタング・マッハE GTは、長い航続距離を備えたBEVらしく、車重が重い。フォードは、シャシー特性を詰めきれていないのだろう。反応が活発過ぎ、フォード・フィエスタSTのような操縦性は得られていない。

とはいえ、自然なフィーリングではなくても、派手なコーナリングは可能。かなりワイルドな走りは楽しめる。 Matt Prior(マット・プライヤー)  

10位 ミニ・エレクトリック BEVとしては軽い車重

今回の選出では、ミニ・エレクトリックが上位にランクインするのではないかと予想していた。登場は2019年だが、運転好きの嗜好に応えるような、手頃な価格の小さなBEVは現在でも選択肢は多くない。

コストパフォーマンスに優れたドライバーズカーとして、ミニ・エレクトリックは高価格帯のモデルを破るのではないかと期待していた。だが、そこまでには至らなかった。

開発時には、実用性が大きく左右される航続距離を優先することもできたはず。しかし当時の技術者が選んだのは、ミニらしく軽快に運転する楽しさ。駆動用バッテリーは32.6kWhと容量が小さく、車重は1365kgとBEVとしては軽く収まっている。

3ドアというボディ形状も、多少実用性を制限する。一方で、ミニと呼ぶのにふさわしいスタイリングであることも間違いない。

ところが、ミニの電動パワートレインはサーキットへうまく対応できなかった。さらにシャシーは、コーナリング時の横方向のグリップ力が不足気味。最新のミニに期待するような、機敏さも足りていなかった。

姿勢制御やシャシーの反応は良い

電動パワートレインの課題は、試乗した英国編集部の全員が感じていた様子。クロフト・サーキットを2周ほど気張って走ると、駆動用モーターはセーブモードに入りパワーを制限。鋭く加速できるのは、ごく短時間だけという状態に。

メーター用モニターには、利用可能なパワーが絞られていることが表示されていた。その事実を、ドライバーに教えてくれていた点は評価できるが。

燃費重視のタイヤはグリップが頼りなく、小型犬のようにクルクルと向きを変えるような敏捷さもない。タイトコーナーでは外に膨らみがちで、芝生へアウト側のタイヤが乗り上げることもしばしば。

公道でもミニ・エレクトリックのパワートレインは、われわれの高い要求へ充分には応えきれなかった。少なくとも姿勢制御は好ましく、シャシーの反応も鋭いものだったのだが。 Matt Saunders(マット・ソーンダース)

フォード・マスタング・マッハE GTとミニ・エレクトリック・クーパーのスペック

フォード・マスタング・マッハE GT(英国仕様)のスペック

英国価格:7万4540ポンド(約1230万円)
全長:4712mm
全幅:1881mm
全高:1597mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:4.4秒
航続距離:498km
電費:4.9km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2198kg
パワートレイン:ツインAC永久磁石同期モーター
バッテリー:88.8kWh(実容量)
最高出力:486ps(システム総合)
最大トルク:87.4kg-m(システム総合)
ギアボックス:シングルスピード

ミニ・エレクトリック・クーパー(英国仕様)のスペック

価格:3万945ポンド(約510万円)
全長:3821mm
全幅:1727mm
全高:1414mm
最高速度:149km/h
0-100km/h加速:7.3秒
航続距離:230-307km
電費:6.4km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1365kg
パワートレイン:ハイブリッド同期モーター
駆動用バッテリー:28.9kWh(実容量)
最高出力:183ps
最大トルク:27.4kg-m
ギアボックス:シングルスピード

続く9位~7位は(2)にて

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みんなのコメント

1件
  • これでお分かりいただけただろう、
    自国のブランドは外資に売られ
    もはやイギリスはクルマの主導権を失った。

    あとは外からやって来る名前だけそれっぽい
    クルマを見て、忖度しながら偉そうに
    言ってるだけだ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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