バイクの種類は千差万別!「アメリカンバイク」って?
バイクと一口に言っても、スタンダードなネイキッドからスクーターまで、その種類は千差万別。なかでも世界中の多くライダーから高い支持を得ているのが「アメリカンバイク」というカテゴリーで、ベテランから初心者まで幅広い層に人気があります。では、アメリカンバイクとはいったいどのような特徴をもったバイクなのでしょうか 。
ヤマハの大型クルーザー「BOLT」のツーリングでの使い勝手と魅力を確かめてみた!!
アメリカンバイクとは、アメリカの伝統的なバイクメーカーである、ハーレーダビッドソンに代表される「ロー&ロング」と呼ばれるバイクのことを指します。アメリカ発祥のバイクなので「アメリカンバイク」と呼ばれるようになりました。ただし、海外では「クルーザー」と呼ぶのが一般的で、「アメリカン」というのは日本だけの呼び方のようです。
日本でアメリカンバイクが人気となったのは、1970年に公開された映画「イージー・ライダー」がきっかけ。アメリカの広大な大地をハーレーが走るシーンに、多くのバイクファンが憧れました。
さらに、記憶に新しいところでは長年絶大な人気を誇る「ターミネーターシリーズ」も、人気の要因のひとつと言えるでしょう。主演のアーノルド・シュワルツェネッガー演じるターミネーターが、ハーレーで走るシーンが強く印象に残っている人が多いようです。
またアメリカンバイクは「ロー&ロング」と呼ばれるとおり、重心が低くフロントフォークが寝ているので、車体が前後に長いのが特徴です。ハンドルが高い位置にあり、シートが低くステップが前方に配置されているので、手足を前に投げ出すような、ゆったりとした姿勢で運転できます。
車体が大きく、Vツインの空冷エンジンを搭載したモデルは、奏でる迫力あるエンジン音も魅力。その重厚感のある雰囲気と独特のルックスに、憧れを抱くライダーも少なくありません。まさにアメリカの広大な大地を、優雅にクルージングするために開発されたバイクと言えます。
アメリカンバイクを所有する上で、どのようなメリットがあるのか
車体の長さはホイールベースが長いことを意味するため、直進の安定性に非常にすぐれています。ライディングポジションも楽な姿勢で運転できるため、とくに高速道路を利用しての長距離のツーリングなどでは、身体へ負担が少なく疲れにくいので最適です。
また、バイク選びの際に気になる足つき性ですが、アメリカンバイクのほとんどがシート高700mm前後と低くなっています。たとえば、国産アメリカンの代表モデルである、ヤマハの「ドラッグスター400」のシート高は660mmしかありません。原付スクーターと同等もしくは、それより低いシート高なので、足つきに不安のある小柄な女性でも安心して乗ることができます。
一方、アメリカンバイクのデメリットは重量級のモデルが多いため、車体が重く扱いが大変なことです。たとえば、ドラッグスター400の車両重量は234kgにもなり、同クラスに比べてかなり重くなっています。
さらに車体が重い上、ボディが大きくなるため、取り回しがしづらく小回りもきかないので、狭い駐車場に停めるときに苦労しがちです。また、車体が大きいゆえに広い駐車スペースが必要になるので、停める場所に困ることも少なくありません。
アメリカンバイクは、社外パーツもたくさんラインナップされています。そのため、カスタムして乗るのもアメリカンバイクの醍醐味の一つです。「クラシック」や「チョッパー」など、いくつかのスタイルがあります。
伝統のハーレーのテイストを取り入れたのが「クラシック」。ビンテージな雰囲気を醸し出す、大きめのフェンダーや幅広ハンドルなどのアメリカンの王道のスタイルです。
余計な部分をカットした「チョッパー」は、フレームやフェンダーなどをなくしたり、ハンドルを高くしてフロントフォークを長くするスタイルに加え、コンパクトな燃料タンクも定番です。
「ボバー」は、リアフェンダーをカットして短くするのが特徴で、ダートトラックレースのバイクをモチーフにしたカスタム。無駄なパーツをカットするなど、チョッパーと共通点が多いスタイルです。
では、アメリカンバイクにはどのようなモデルがあるのでしょうか。
ハーレーダビッドソンの「Forty-Eight」は、ボディ全体が丸みを帯びたスタイリッシュなシルエットが特徴。見た目のかっこよさはもちろん、スポーツスターシリーズの名に恥じない性能の高さと、ワイルドなボバースタイルが人気の秘密です。
国産アメリカンで高い人気を誇ったのがヤマハの「ドラッグスター400」。国内ライバル車が水冷エンジンを採用するなか、ハーレーと同じ空冷エンジンを搭載し、本格的なアメリカンスタイルで注目を集めました。1996年に登場し2017年まで生産され、20年以上にわたり多くのライダーに愛されたロングセラーモデルです。
2015年に登場したのがカワサキの「バルカンS」。定番のV型エンジンを採用せず、649ccのパラレルツインを搭載したクルーザーモデルです。流れるような美しいフォルムで、あえてクラシカルな雰囲気は出さずにアメリカンを現代風にアレンジ。従来のカテゴリーの枠にとらわれない、スポーツテイストの強いフィーリングに仕上げられています。
2017年の登場以来、大ヒットを記録しているのがホンダの「レブル250」。他のモデルにはないアメリカンの独創的なスタイルを築き、足つき性がよく車体が軽いのが魅力です。レブルシリーズには、500ccと1100ccの排気量もラインナップしており、ライダーのレベルに合わせてチョイスできるのもポイント。
なお、かつて50ccの原付アメリカンバイクも存在しました。代表的なモデルはホンダの「ジャズ」と「マグナ50」。どちらもカブ系の横型エンジンを搭載し、すぐれた燃費と耐久性を実現したモデルです。また、ロー&ロングのスタイルで、原付らしからぬ迫力あるボディと高い質感で人気を博しました。
※ ※ ※
アメリカンバイクは、ほかのジャンルにはない、ひと味違った魅力がたくさん詰まったバイクと言えます。いままで興味がなかった人も、一度でもまたがればその魅力に引き込まれてしまうかもしれません。
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みんなのコメント
私が現在も乗っているCB750エクスクルーシブは、当時なんでDOHC4気筒でアメリカンなんだ! って叩かれましたが、今ではその違和感に味を感じています。
レアなのに不人気という珍しいバイクです(笑