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HVハッチバック乗り比べ ホンダ・シビック トヨタ・カローラ 半世紀の進化の現在地 後編

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HVハッチバック乗り比べ ホンダ・シビック トヨタ・カローラ 半世紀の進化の現在地 後編

シビックの強みといえるインテリア

11代目ホンダ・シビックで、明確な強みといえるのがインテリア。トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)の内装には、ローコスト感が漂っている。従来の日本車のイメージより質感は高く、堅牢そうでもあるが、シビックの方がよりソリッドだ。

【画像】HVハッチバック比較 ホンダ・シビック トヨタ・カローラ タイプRとツーリングも 全103枚

ダッシュボード前面で水平に伸びる格子状のエアコンの送風口や、随所に用いられたクロームメッキ・トリム、センターコンソールのテクスチャなど仕上がりは良い。デザインも凝っている。

どちらにもエアコンには実際に押せるハードスイッチが与えられ、使い勝手には優れる。それでも、部品の質感はシビックの方が有利なようだ。

インフォテイメント・システムは、トヨタもホンダも扱いやすくなった。過去のシステムは褒められるものではなかったから、訴求力を高めるポイントになっている。

ただし、シビックには新世代のソフトウエアが実装されているものの、称賛するほどの完成度ではない。タッチモニターの解像度が高いとはいえず、英国仕様の場合、ナビの見た目はもう少し洗練させたいところ。

カローラのタッチモニターは高精細でインターフェイスも好印象だが、シビックには備わる便利なホームボタンとバックボタンがない。トヨタ独自のシステムと、スマートフォンとのミラーリングを切り替えるのも少し面倒に感じられた。

購買層の重複が生み出す近似性

ファミリー・ハッチバックとして重視される車内空間は、ボディサイズの大きいシビックの方が有利。荷室は100L近く大きく、形状も使い勝手が良さそう。

リアシート側は膝前にゆとりがあり、パノラミックサンルーフを装備した状態だとしても、頭上にも窮屈さはない。大人でも快適に長時間過ごせそうだ。

反面、カローラで実用性を重視するなら、ステーションワゴンのカローラ・ツーリングという選択肢がある。荷室はシビックより160L大きく、ホイールベースも長いためリアシート側の空間も広い。シビックにはステーションワゴンの設定がない。

一般的な比較試乗では互いの違いをあぶり出し、ターゲットの違いへ迫ることが多い。だが、カローラとシビックの場合は違う。どちらも購買層は重複しており、結果としてかなり近似したモデルに仕上がっている。

シビックの方がインテリアは上質で、車内も広々としており、英国価格は約1500ポンド(約25万円)ほどお手頃。とはいえ、残価設定プランの月額に目立った差はない。

現行型のカローラは登場から数年が経過し、信頼性が裏付けられている。2.0L版よりお手頃な1.8Lハイブリッドも選べるし、ステーションワゴンも用意されている。2台とも訴求力は高い。

2.0Lのハイブリッド・ハッチバック比較となった今回は、実用性やインテリア、僅かに勝る標準装備などを理由に、軍配はシビックへ挙げられる。とはいえ、その差は極めて小さい。2023年版カローラとの比較なら、どんな結果になっただろうか。

番外編:知的な両社のハイブリッド

トヨタ・カローラとホンダ・シビックには、電気式無段変速機(e-CVT)と呼ばれるトランスミッションが搭載されている。しかし、お互いの機構は大きく異なり、ベルト駆動の従来のCVTとも違っている。

FFのトランスアクスル構造で、複雑に組み合わされたギアを備えることは共通。内燃エンジンと駆動用モーターが生み出すパワーを、シームレスにタイヤへ伝達することを可能としている。

ここで英国編集部が注目したいのが、システム総合で183psというシビックの最高出力が、駆動用モーターの最高出力と同値なこと。市街地などの低速域では、駆動用モーターが専ら走りを担っている。

エンジンは発電に徹し、駆動用モーターへ電気を供給しつつ、小さな駆動用バッテリーの充電を担当する。走行スピードに関係なく回転できるため、ソフトウエアの制御で多段ATのようなフィーリングを生み出している。

高速域など負荷が高まると、クラッチが繋がりオーバードライブ・ギアを介してエンジンの駆動力がタイヤへ伝わる。速度が高い状態では、モーターへ電気を供給するより、エンジンで走った方がエネルギー効率に優れるためだ。

カローラのハイブリッドは、内燃エンジンに大小2基の電気モーターが組み合わされ、プラネタリギヤと繋がっている。複数組み合わされたギアの回転を無段階に調整することで、エンジンのCVTとして機能。エンジンは小さなモーターを回して発電することもできる。

一方、大きな方は駆動用モーターで、中間ギアを介して直接パワーをタイヤに伝達する。どちらも複雑なシステムだ。

ホンダ・シビックとトヨタ・カローラのスペック

ホンダ・シビック e:HEV(英国仕様)

英国価格:3万3820ポンド(約561万円/試乗車)
全長:4550mm
全幅:1800mm
全高:1415mm
最高速度:178km/h
0-100km/h加速:8.1秒
燃費:20.0km/L
CO2排出量:114g/km
車両重量:1533kg
パワートレイン:直列4気筒1993cc自然吸気+ツイン電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:183ps(システム総合)
最大トルク:32.0kg-m(システム総合)
ギアボックス:e-CVT

トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)2.0ハイブリッド(英国仕様)

英国価格:3万5375ポンド(約587万円/試乗車)
全長:4370mm
全幅:1790mm
全高:1435mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:7.9秒
燃費:18.9km/L
CO2排出量:119g/km
車両重量:1510kg
パワートレイン:直列4気筒1987cc自然吸気+ツイン電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:183ps(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:e-CVT

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みんなのコメント

15件
  • イギリスではシビックの方が評価高そうだね。マットも同じような評価だったし。
  • イギリス仕様の価格凄いですね。
    カローラスポーツが手軽に買える環境に感謝。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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