スーパーカー界のトレンド。それは、相次ぐSUVモデルの登場だ。否、それは、スーパーカー界にかぎらない。ラグジュアリースポーツカー界の〝流行り〟である。従来スポーツカーや高級セダンしか作っていなかったメーカーのSUV参入が今まさに相次いでいる。そして、ついにランボルギーニも初のSUVを発表。さらに7000万円台になると噂される“あの超高級車ブランド”初のSUVについても新情報を入手した。
文:ベストカー/ベストカーWeb編集部
写真:Lamborghini S.p.A./BMW AG
史上初といえるスーパーSUV、ランボルギーニ ウルスが正式発表
まさに背が高いスーパーカーの出で立ち!! ランボルギーニ ウルス
昨今のスーパーSUVブームの背景を読み解くと、コンパクトSUVを底辺にして、このカテゴリーが“一般的な乗用車”となった結果、以前のセダン&クーペ時代のように、ヒエラルキーを形成しはじめた、という見方もできる。ベントレーやマセラティのSUVが人気を博していることは、記憶に新しい。
そんななか、ランボルギーニがSUVの新型モデル、ウルスを、本社裏に新設した専用ファクトリーでそのお披露目も兼ねて、ワールドプレミアした。発売は2018年春、日本価格は2574万円だ。
グループ企業のプラットフォームとパワートレーンを使ってはいるものの、その走りは完全にランボルギーニ流、だとエンジニアは胸を張る。
つまり、ウルスは世界初のスーパーSUVというわけだ。ステファノ・ドメニカリCEOも、「我々はウルスを生産してもなお、スーパースポーツカーブランドであり続けている」と胸を張った。
なかでもハンドリングパフォーマンスは“驚愕のひとこと”らしい。エアサスペンション、アクティヴアンチロールバー、そして後輪ステアで、サーキットでも充分楽しめるSUVへと仕上がったという。
4L、V8ツインターボは650馬力&86.7kgmを発揮、というから、それはもう12気筒級のパフォーマンスだろう。個人的には12発を貫いて欲しかったけれども、時代の流れは“そっち”なのだ。0-100km/h加速で、3.6秒。確かにスーパーだ。
ランボは会社の規模を倍増! 背の高いスーパーカーが疾走する新時代へ
全長5112×全幅2016×全高1638mmというサイズで4人乗り。ウルスのインテリア
ランボルギーニのこのチャレンジがいかに重大であるのかは、このウルスを市場投入するために会社の規模を倍にしてきたことからもわかる。敷地を倍にし、工場面積を倍にし、人員も倍にした。生産台数も、現在の3500~4000台規模の倍になる。失敗は許されない。
そこで得られた利益は、再びR&Dの資源となり、さらに魅力的なスポーツカーの開発へと繋がっていく。SUVが増えたぶん、背の低いモデルへの憧れもいっそう強まっていく。
今後は、ロールスロイスもアストンマーティンも、SUVの生産に乗り出す。フェラーリだって、可能性はゼロじゃない。背の高いスーパーカーが疾走する。好むと好まざると、そういう時代になった。
ロールスロイス史上初のSUVも新情報入手!!
カモフラージュを施したロールスロイス『カリナン』。
スーパーカーメーカーの“ランボ”がSUVを導入するいっぽう、超高級車メーカーもSUVに意欲満々。
ロールスロイスは、『プロジェクト カリナン』なるSUV開発企画を進めていることを公表済み。このカリナンは、ロールスロイス初のSUVとなり、2016年にカモフラージュを施したプロトタイプの写真を公開。2017年には中東の厳しい砂漠下で開発テストを行うなど、開発も着々と進行。2018年初頭に正式発表をおこなうと、ロールスロイス自身が明かしていた。
……と、ここまではすでに正式に公表されている情報。正式発表は2018初頭とされているので、発表間近なのか? ロールス・ロイス・モーター・カーズ広報によると、「(正式発表は)2018年夏を予定しています」と、より具体的な日程が判明。日本への導入は当然それ以降となるが、2018年内の発売へ向け、調整をおこなっているという。
その他、公表されている情報は少ないが、「新型ファントムに採用される新開発のアルミスペースフレームは、今後他車種にも採用すると発表しており、当然カリナンもこのフレームを採用することになります」とのことで、カリナンはファントム譲りの骨格を持つSUVとなる。
さて、ここまで便宜上「カリナン」と呼んできたが、正式な車名はカリナンではない可能性もあるという。「車名はカリナンになるか? 現時点ではその可能性もありますし、別の車名になる可能性もありまして……」と言うように、価格7000万円と言われる新SUVの車名は流動的。
どのような車名でデビューするのかも注目だ!!
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