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70年代に登場したハーレー製オフローダー「MX250」と最新中型モデル「X350」から考える“ハーレーらしさ”の答えとは?

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 70年代に登場したハーレー製オフローダー「MX250」と最新中型モデル「X350」から考える“ハーレーらしさ”の答えとは?

ハーレー社の歴史から紐解く『X』シリーズの存在

 2023年10月に販売されて以来、年内で約500台が販売され、2024年は年間約1500台が販売される見込みというハーレーダビッドソンの『Xシリーズ』。その中でも、普通自動二輪(中型)免許で乗れる「X350」はユーザー間で特に注目を集めているようです。

【画像】希少な存在! ハーレーのオフローダー「MX250」を画像で見る(15枚)

 その意見をかいつまんで紹介すると「中型免許で乗れる」や「デザインが良い」「乗りやすい」というポジティブなものから、「ハーレーらしくない」や「メイド・イン・アメリカじゃなくて中国製(浙江QJモータース)なのがチョット……」という意見まで賛否両論、渦巻いているのですが、しかし、ハーレーダビッドソンというメーカーの歴史を振り返ると、この新時代のモデルもあながち否定する要素ばかりではないと気づかされます。

 1960年、ハーレーダビッドソン社がイタリアのアエルマッキ社を吸収合併し、その流れから様々な『小型ハーレー』を販売したことはマニアなら知る事実でしょうが、そうした過去を見てみると「X350」の登場は何も否定するものではないでしょう。

 第二次大戦後にドイツの技術が連合国側に渡り、その流れからDKWのコピーであるハマーやレインジャー、ペーサー、スキャット(いずれもモデル名)などの2スト単気筒175ccの小排気量モデルが生産され、その流れからスクーターのトッパーが1960年に登場。

 小型排気量モデルのマーケットを開拓する意欲を見せたハーレーダビッドソン社ですが、先に述べたとおりイタリアのアエルマッキ社の吸収合併によって、その流れを加速させ、1961年のスプリントを皮切りに”イタリアン・ハーレー”を次々に生産。そんな過去を照らし合わせると2023年に登場した”Xシリーズ”がイタリアン・ブランドであるベネリとの提携によって生まれたことに、なにやら数奇な運命を感じてしまうのは考えすぎでしょうか。

2年間のみ生産された希少な存在「MX250」

 ここに紹介する『MX250』は1977~1978年に登場した、れっきとしたハーレーなのですが、これもやはりアエルマッキを吸収合併したことによって生まれたモデルです。

’74年からはアエルマッキ社の技術を用いることで2サイクルエンジン搭載の「SS250」や「SX250」が生産され、そのモトクロス競技車両として『MX250』が登場するのですが、同モデルは1982年の米国AMA(アメリカのレース団体)のウィンストンプロシリーズの開幕戦となったテキサス州ヒューストンのアストロドームで行われたショートトラック・レースで、レジェンドライダー J・スプリングスティーン選手のライディングにより優勝を飾り、高い性能を見せつけたといわれています。

 ちなみにMXの前身である”SS”や”SX”シリーズはヤマハのDT-1の2スト単気筒エンジンをコピーしたものであり、あえていわせてもらえれば”ハーレーらしさ”のカケラもないものかもしれません。

 90年代に日本のメーカーがハーレーをモチーフにしたであろうデザインのアメリカンモデルであるホンダ『スティード』やヤマハ『ドラッグスター』などを登場させ、それが当時の若者たちに受け入れられ、ひとつのブームになった時代もありますが、じつは過去にハーレーも日本車のコピーを生産していたという事実には今更ながら驚かされます。

 こうした一連の事実を改めて振り返ると単純に「ハーレーが生産したモデルはれっきとしたハーレー」ということがお分かりになると思います。

 2023年に登場した”Xシリーズ”も60年代から70年代にかけて登場した”アエルマッキ・ハーレー”も、どちらもイタリアの血をひくアメリカン……これも歴史は繰り返されるという諺のとおりなのかもしれません。

 なお、MX250のスペックに関してはギャラリーの写真でそれぞれ解説しておりますので、そちらも是非、ご覧になってみてください。

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