最高出力662psのレーシングマシン
text:Jack Warrick(ジャック・ウォリック)
【画像】ミシュランLMPH2G【すべての写真を見る】 全2枚
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
タイヤメーカーのミシュランは、英国で開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、水素燃料電池を動力源とするレーシングカーを発表。2024年のル・マン24時間レースの電気・水素カテゴリーに参加する予定だ。
「LMPH2G」と名付けられたこのレースカーは、4つの水素燃料電池を搭載し、4基の電気モーターに電力を供給する。ミシュランの発表によると、最高出力は662ps、最高速度は300km/hを超えるという。
また、ミシュランは、持続可能な素材を46%使用した新しいレースタイヤを発表した。このタイヤは、使用済みタイヤからのリサイクルカーボン、オレンジとレモンの皮、ヒマワリ油、松の樹脂、包装材からのリサイクルスチールで構成されている。
同社は次のように述べている。
「ミシュランは、2050年までにすべてのタイヤを100%持続可能な材料で製造することを約束しています。2030年までには、グループ全体でタイヤに使用される材料の40%を持続可能なものにします」
持続可能なタイヤの開発加速
また、ミシュランは、水素関連企業であるグリーンGTとのパートナーシップにより、耐久レースを実験台として活用し、環境負荷の低い高性能タイヤの開発を加速させていくという。
ミシュラン・ヨーロッパ・ノースの事業開発担当副社長であるペイマン・サベトは、次のコメントを発表している。
「このパートナーシップは、ミシュランのイノベーションへの取り組みを強調するものであり、ミシュランの46%持続可能なタイヤを紹介するための最適な手段です」
「この2つの先駆的な開発は、パフォーマンスに妥協することなく、サステイナビリティを追求するミシュランの姿勢を表しています。グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに(LMPH2Gを)持ち込むことができ、ファンの皆様にその走りを見ていただけることを嬉しく思います」
LMPH2Gは、フランスの大手部品メーカーであるフォルシアとの共同事業として製作された。フォルシアは、ミシュランとともに、水素燃料電池メーカーのシンビオを共同所有している。同社は、2030年までに年間20万個の燃料電池の生産を目指している。
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