前回に続いて自動車評論家の西川淳氏によるEQS SUVの試乗記をお届けする。車名の通りSUVにもかかわらず余裕ある車体を活かして3列シート7人乗りとなる同車。3列シートの使い勝手やパワートレインについて語ってもらった。
3列目はサッカーマム用
メルセデスの最上級SUVに対する本気度が伝わる[メルセデス・ベンツ EQS450 4MATIC SUV試乗記]
BEV(バッテリー電気自動車)の利点を生かしつつ動的パフォーマンスを考慮したパッケージング。新型「EQS SUV」の内(うち)的な魅力を語るとそうなるだろう。3列目のシートが存在する7人乗りがセールスポイントだが、大型SUVであっても3列目の居住性は必要最小限であると考えるべきで、「サッカーマム」カーとしてギリギリのサイズ感だ。
とはいえホイールベースが3.2mを超えてくるだけあって、1、2列目のスペースはやっぱり相当に広い。
身長170cmの筆者を基準にすると、共にヘッドクリアランスは15cm以上あったし、2列目の膝下スペースも座席を後ろに下げた状態であれば余裕で30cm近くあった。
もっともその際は3列目への乗車は事実上できない。2列目を最も前まで出してはじめて7cmほどのスペースが3列目にもできる。3列目の頭上スペースは身長170cmでもほとんど0に近いから、緊急用か子供用として割り切って使うほかない。
実際には3列目を畳んでしまい、ラゲッジスペースとして使うことが多くなるだろう。その状態で約800Lの容量を確保するというから十分だ。
2列目シートは前後130mmの電動スライド式で、3列目へのイージーエントリー機能も備わっている。全席シートヒーター付きは暖房を極力抑えたくなるBEVの場合、とてもありがたい。たとえ高効率設計のエアコンを装備していたとしても!
メルセデス流の最新コクピットデザイン
コクピット周りはEQシリーズの上級モデルらしい仕立てとなった。フローティングスタイルのインストルメントパネルにそれを支えるなだらかなセンターコンソール、ダッシュボード周りと見事に繋がったドアトリムなど、モダンラグジュアリーと呼ぶにふさわしい雰囲気だ。なかでも上級モデルらしいのはMBUXハイパースクリーンで、580グレードに標準、450にもオプションで装備できる。
これはセンターに17.7インチの有機ELメディアディスプレイを置き、その両脇にそれぞれ12.3インチのコクピットディスプレイ(運転席用)と有機ELディスプレイ(助手席用)を配して、一枚のガラスで覆ったもの。すでにEQSセダンやEQEセダンで話題となったメルセデス・ベンツの最新コクピットデザインで、ディスプレイの大きさなど基本の構成はEQSセダンと同一だ。
800Nmの大トルク、107.8kWhの大容量
注目のパワートレインはどうか。450、580共に電動パワートレイン(eATS)を前後に搭載するe4WD(4MATIC)とした。前者のシステム総合性能は最高出力265kW(360ps)、最大トルク800Nmで、後者になると400kW(544ps)&858Nmにもなる。電気モーターは永久磁石同期型(PSM)。いずれもリアモーターの方が出力は大きく、通常走行時の主な駆動源となる。
また、前後アクスルに置かれたeATSを綿密に連携することがこの4WDシステムの美点である。最適な駆動力を連続的かつ瞬間的に分配するべく必要な前後トルクを個別に調整するわけだが、その計算頻度は毎分1万回にも及ぶという。
リチウムイオン・バッテリーは自社開発品でEQSセダンと同様に容量は大きく107.8kWh。6.0kWまでの交流普通充電と150kWまでの直流急速充電(CHAdeMO規格)に対応する。EQケアによって10年もしくは25万kmまで残容量70%の性能は保証されるという。また日本仕様には万が一の災害時などに有用な外部への給電機能も備わった。
ちなみに車両重量はいずれのグレードも3トンに近づいた。
メルセデス・ベンツ EQS450 4MATIC SUV 全長:5,135mm 全幅:2,035mm 全高:1,725mm ホイールベース:3,210mm 車両重量:2,900kg 前後重量配分:前1,400kg、後1,500kg 乗車定員:7名 交流電力量消費率:221Wh/km(WLTCモード) 一充電走行距離:593km(WLTCモード) 最高出力:265kW(360ps) 最大トルク:800Nm(81.6kgm) バッテリー総電力量:107.8kWh モーター数:前1基、後1基 トランスミッション:電動パワートレイン eATS 駆動方式:AWD フロントサスペンション:4リンク式 リアサスペンション:マルチリンク式 フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク リアブレーキ:ベンチレーテッドディスク タイヤサイズ:前後275/45R21 最小回転半径:5.1m 荷室容量:195~2,200L 車両本体価格:1,542万円
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