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激しいタイヤ消耗戦で“2タイヤ”コールの王者ブレイニーが待望の今季初勝利/NASCAR第17戦

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激しいタイヤ消耗戦で“2タイヤ”コールの王者ブレイニーが待望の今季初勝利/NASCAR第17戦

 意外なことに、これがカップ初開催となったアイオワ・スピードウェイでの2024年NASCARカップシリーズ第17戦『アイオワ・コーン350 パワード・バイ・エタノール』は、週末を通じてタイヤ摩耗の厳しい消耗戦を強いるトラック特性のなか、最後のコーション中に“2タイヤ”を決断した王者ライアン・ブレイニー(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が待望の今季初優勝。約2週間前のWWTRでは最終ラップで首位に居ながら、燃料切れで涙を飲んでいたチャンピオンが早々のリベンジを成功させた。

 各コーナーのボトム2レーンを再舗装した0.875マイルのDシェイプオーバルは、金曜フリープラクティス(FP)からタイヤトラブルが目立つ展開となるなか、まずはノア・グラグソン(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)がセッション首位を記録。一方、この週末初日にマーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)が今季限りでのフルタイム勇退を発表したJGRは、陣営内の3台がアクシデントに見舞われる事態となり、なかでもクリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)はバックアップカーへの切り換えで決勝最後尾スタートを余儀なくされる。

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 続く土曜午後もトヨタ陣営に流れは戻らず。早朝に降った雨の影響で予選が1ラウンド勝負に短縮されるなか、最後にアタックへ向かったカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)がブレイニーを抑えてのポールウイナーに輝いた。

 迎えた日曜決勝も、やはり再舗装の影響に加えバンク角も変化するコーナーボトムで、ラインを維持できず姿勢を乱すクルマが多発。通算8回のコーションで350周中49周を消化する肉弾戦と化すなか、ステージ1はフロントロウ発進のブレイニーが、続くステージ2はポールシッターのラーソンがともに勝利を奪っていく。

 ワイドに並べるコース特性もあり、先頭から最後尾まで複数台のサイド・バイ・サイドで勝負が進むなか、ほぼレース全域にわたって首位争いを繰り広げてきたラーソンとブレイニーだったが、この最終ステージのオープニングでくっきりと明暗が分かれることに。

 クリス・ブッシャー(RFKレーシング/フォード・マスタング)が隊列を率いたブレイク明けリスタートの直後に、ダニエル・スアレス(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)との接触でコントロールを失ったラーソンは、フロントストレッチでアウト側ウォールに激突。そこにいたデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)も巻き込まれ、バリアと“サンドイッチ”になり大きなダメージを受けてしまう。

■ブレイニーがアイオワ開催の3大ナショナルシリーズすべてを制覇
 ここからジョシュ・ベリー(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)とともにトップ集団を牽引したフォード艦隊のブッシャーも、残り91周で右フロントタイヤが音を上げウォールの餌食に。この瞬間、クルーチーフのジョナサン・ハスラーがタイヤ2本交換を決断したブレイニーがリードを奪い、そのまま最後の88周を支配して“燃料切れ”サプライズもなくトップチェッカーを受けた。

「ここで勝つなんてスゴいことさ! この場所は僕にとっても、母(アイオワ州シャリトン出身のリサ)にとっても大切な場所なんだ」と、最終的に201周のリードラップを刻んで今季初、カップ通算11回目の勝利を飾ったチャンピオン。

「今夜はたくさんの人が応援してくれたから、その応援のおかげで優勝できた。僕らのクルマは一晩中本当に速く、夜を通して少しずつ良くなっていった。12号車のクルー全員に感謝しているし、最後を2タイヤにしたのは正解だったね」と、背後のウイリアム・バイロン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が同じタイミングで4本交換だったことを暗に指摘する。

「どれだけ持ち堪えられるか分からなかった。最後は少し苦戦し始めたが、ポジションを守るには充分だった。みんなの努力をとても誇りに思うよ」と語ったブレイニーは、これで2015年のエクスフィニティ、同2012年のクラフツマン・トラック・シリーズと、アイオワで開催されたNASCARの3大ナショナルシリーズすべてで優勝を記録する結果となった。

 一方、最終的に傷ついたマシンを修理し、ガレージで31周を失ってからコース復帰したラーソンは36周遅れの34位となり、僚友バイロンの背後で3位に入ったチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が新たなチャンピオンシップリーダーに浮上。その背後となる4位には、バックアップカーで驚異のカムバックを見せたベルの20号車カムリXSEが続いている。

 こちらは4年ぶりのアイオワ開催となったNASCARエクスフィニティ・シリーズ第15戦『ハイヴィー・パークス250』は、同じくタイヤ消耗戦となった延長フィニッシュで、ライリー・ハーべスト(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)を抑え切ったサム・メイヤー(JRモータースポーツ/シボレー・カマロ)が今季2勝目を飾っている。

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