4月21日(日)、WRC世界ラリー選手権第4戦『クロアチア・ラリー』の競技最終日となるデイ3が行われ、最終日に逆転で首位に立ったTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合優勝を飾った。TGR-WRTから参戦する日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、首位と1分55秒5差の総合5位で大会を終えている。
また、2024年シーズンから新たにポイント付与の対象となった日曜日のみの総合順位“スーパーサンデー”では、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組が首位となり、7ポイントを獲得した。そんな大会最終日を終えた各陣営から、ドライバーたちの声が届いている。
まさかの決着。トップ2台がクラッシュでオジエが大逆転勝利を飾る。勝田は日曜最速に/WRCクロアチア
■Mスポーツ・フォードWRT
●アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)/総合17位
「僕たちにとって素晴らしい週末だった。最初の二日間はオット(・タナク)と戦っていた。パフォーマンスが少し足りないときもあったけれど、セットアップでいろいろなことを試して、金曜日の最終ステージでは本当に良いものを見つけることができた」
「僕たちは多くのプッシュを仕掛けることができた。しかし小さなミスをして、残念ながらそれが重大な結果を招いてしまった。僕たちはステージ上にとどまっていたけれど、イン側にあったコンクリートのポールにぶつかってしまったんだ」
「でも、そういうものだ。ラリーでは、どこでだって完璧でなければならないんだ。修理することを決めて、最終パワーステージで激しくプッシュしてポイントを獲得することに決めた。そのとおりに最大限のポイントを獲得できたのは素晴らしいことだし、僕はパワーステージで初優勝を飾ったから、本当にポジティブなことだったよ」
●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)/総合7位
「今回はトラブルなしのイベントになったのでうれしいよ!これで今から僕たちのシーズンを始めることができる。これまでの開幕3大会は望んでいたようにはいかなかったからね」
「それでも、とても厳しいイベントだった。難しいステージに全力で取り組む必要があった。だからこそ、ラリーを完走することができて本当にうれしい。それにライバルとのギャップも、金曜日は1kmあたり1.5秒だったが、週末の終盤には約0.5秒に改善された。すべてが良い方向に向かっていると感じているよ」
■ヒョンデ・シェル・モービスWRT
●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合3位
「望んでいたような終え方はできなかったが、金曜日と土曜日の素晴らしいドライビングが報われた。これらは重要なポイントだ」
「日曜日は多くのポイントを獲得することはできなかったものの、エルフィン(・エバンス)とならぶ3番手のパフォーマンスで、オット(・タナク)に対しても1ポイントしか失っていない結果になった」
「(クラッシュを喫した)SS18は本当にトリッキーで、ブレーキを踏んだ途端に衝撃を受けないよう努めていたが、どうすることもできなかった。それでもポイントランキング首位をキープし、アドバンテージを維持できたのはうれしい。しかし僕たちにとってポルトガルは、出走順の影響で厳しいものになるだろう」
●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合4位
「20ポイントを獲得して、二番目に得点の高いクルーとしてフィニッシュできたのは、信じられないくらい素晴らしいことだ。今週末もまたタフな大会だった。僕たちはまずい状態からスタートしたし、序盤はタイムを失ってしまった」
「金曜日の午後に少し挽回し、土曜日には今日に先駆けて出走順を最大限に生かそうと少し実験をしたが、これもトリッキーだった。汚れた道路を走るにはいつも遅れすぎていたので、つねにチャレンジだったが、なんとか多くのポイントを獲得することができた」
「ポルトガルのグラベルでより良いフィーリングを掴み、さらに競争力を高めたいと思っている。目標はポイントを取り戻すことだからね」
●アンドレアス・ミケルセン(#9 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合6位
「ここで苦戦することは分かっていたが、ラリー中にもう少しトップに近づけるよう期待していた。けれど、ここ数年はこのラリーをやっていなかったからか苦戦してしまった」
「とくに今回は、ペースノートに入れるべき情報がたくさんあった。ステージを覚えておかないと、先頭集団で戦えるように専念することは難しいし、それほどにクロアチア・ラリーのスピードはとても速い。実際、走行中に自信を失いかけたタイミングもあったけれど、僕たちは正しい方向に進んでいた。ただ、もっと期待していたんだ」
■TOYOTA GAZOO Racing WRT
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合2位
「今日は残念な気分だ。今朝最初のステージではいいスタートを切ったが、タイヤ選択はやや楽観的過ぎた。ハードタイヤを選んだことから、2本目のステージで苦戦してしまったんだ。自分がスピンをしたコーナーは大量の泥に覆われていて、リヤが回り込んでしまった」
「リスクを冒さずして勝利を得ることはできないが、今日はうまく行かなかったね。それでも、この週末は最初から最後まで激しい戦いが続き、最終的には総合2位を獲得することができたので、全体的には良かったと思う」
「チームとしてはワン・ツーフィニッシュという素晴らしいリザルトで、セブ(セバスチャン・オジエ)とバトルを楽しむこともできたよ」
●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合優勝
「優勝することができて、とても嬉しい。自分たちの出走順を考えればタフな週末になることは分かっていたが、それでも諦めずに全力で攻め続け、できるかぎりプレッシャーをかけようとした」
「1回のラリーでこれほど限界に挑み、危ない瞬間を経験したのは初めてだ。しかし、重要なのは無事に走り切り、勝利を手にすることができたことだろう。100回目の表彰台獲得というのはいい数字だし、優勝でそれを達成できたのは素晴らしいことだね」
「このようなクルマをドライブするたびに楽しみを感じているし、まだ自分たちに速さがあることを確認できて嬉しかった。それほど多くポイント差をつけることはできなかったようだが、チームとして素晴らしいパフォーマンスを発揮できたので本当に良かったと思う。この調子でプッシュし続けたい」
●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合5位
「今回は、どんどんと自信をつけていくことができたので、自分にとっては良い週末だったと思います。土曜日の時点でも良い感触を得られたステージがあったので、同じように走り続けようと試みたところ、クルマのフィーリングはさらに良くなりました」
「今日はパワーステージで少し慎重になり過ぎてしまったのが残念でしたが、それ以外はすべてうまく行きました。スーパーサンデーでは最速となり、チームに多くのポイントをもたらすことができて本当に嬉しかったですし、チームとしても全体的に良い結果になりました」
「次回は序盤からもっといい走りをしたいですし、そうすればさらにいい結果を残すことができるはずですが、全体的にはいい週末だったと思います」
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