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待望のディーゼルモデルが登場!小さなロングツアラー、メルセデス・ベンツ「A200d」の完成度

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待望のディーゼルモデルが登場!小さなロングツアラー、メルセデス・ベンツ「A200d」の完成度

■連載/金子浩久のEクルマ、Aクルマ

 メルセデス・ベンツの乗用車の中で最もコンパクトな「Aクラス」にディーゼルエンジンが搭載された。すでにヨーロッパではディーゼルエンジンが搭載された「Aクラス」が存在していたが、日本ではこれが初めてとなる。「Cクラス」以上のセダンや中型以上のSUVなどにもディーゼル版は用意されているが、コンパクトのメルセデス・ベンツでは日本では初めてになる。待っていた人もいたのではないだろうか。

メルセデス・ベンツ新型「Cクラス」は完成度の高い買い得モデルだ!



機械として優れているか ★★★★★5.0(★5つが満点)

「A200d」に載せられたディーゼルエンジンは、4気筒2.0Lターボで最高出力150ps、最大トルク32.6kgmを発生する。やや専門的な話になってしまうけれども、このエンジンは最新(ということは最も厳しい)の「ユーロ6フェイズ1 NORM」という規制値をクリアしているという。



「現時点で最もクリーン度が高いディーゼルエンジンになります」(メルセデス・ベンツジャパン広報室スタッフ)

 都内の一般道と首都高速を走ってみると、ディーゼルらしい力強い加速をする。あまりエンジンの回転を上げなくても、スムーズに速度を上げていくから運転しやすい。それを助けているのが新採用のDCT式8速オートマチックトランスミッションだろう。賢くギアをつないでいく。

 停車時のアイドリングからはカラカラカラというディーゼル特有のエンジン音が微かに聞こえてくるし、振動も皆無というわけではない。でも、それが不快に感じるかというと全くそんなことがない。

 もう30年以上も前に古いタイプのディーゼルエンジンを搭載したプジョー「504D」に乗っていたことがあったけれども、それを思い出してみれば雲泥の差。同じディーゼルとは思えないほど洗練が進んでいる。むしろ、“ディーゼルに乗っている”実感が伴って、良いと思う。

 最近のマツダなどのディーゼルエンジンは、エンジン音も振動も極小化し、加速感もガソリンエンジンのようにある程度回転を上げた方が活発に走れるが、この「A200d」はそれらとは違った志向性でまとめられている。“ディーゼルらしいディーゼル”を求めるならば、断然こっちだ。



商品として魅力的か ★★★★★ 5.0(★5つが満点)

 以前に、このコラムで書いたけれども、ディーゼルエンジンの魅力は第一には燃費性能の良さによる経済性があり、同時に低中回転域での力強い加速にある。反面、専用の燃料噴射ポンプや排ガスの後処理デバイスなどを必要とするので、クルマの値段もガソリン版よりも数十万円分高くなってしまう。

 また、ディーゼルエンジンのメカニズムの重量がかさむ分、クルマの重量が重くなってしまうことも避けられない。ちなみに「A200d」は「A180」より130kg重い。重いクルマを支えるために自ずとサスペンションの設定も変わってくる。

「A200d」も、段差を乗り越えるとそれを感じる。しなやかに吸収するというよりは、ツッパる感じを少し感じる。最新の運転支援デバイスも設定されているが、このクルマでは「レーダーセイフティパッケージ」として24万5000円のオプションとなっている。ただ、それもディーラーを決めた上でWebから購入を申し込む(「プレオーダーメルセデス」)と半額になるというから利用しない手はないだろう。

「Aクラス」の発表時にCMなどで訴求されていた“AI(人工知能)”だが、音声入力の起動スイッチと同じものに過ぎない。「ハロー、メルセデス」と声に出さなくても、音声入力のボタンを押せば起動させ、さまざまな操作を行うことができる。現時点では、カーナビやエアコン、音楽やラジオの設定、サンルーフの開閉などが可能だ。

 音声入力はうまく使えばとても便利だ。クラウド上のビッグデータが増えていけばさらに機能も拡充し、使いやすくなるはずだ。「A200d」は最も小さなメルセデスであっても、走りはもちろん各部のクオリティーに不満はない。大きなメルセデスと較べると、シフトレバー、イグニッションやワイパーのスイッチのクロームメッキなどが省かれているところもあるが、その方が実質的でかえって好感が持てる。



 総合的に判断すれば「A200d」は魅力的なコンパクトカーだ。特に勧めたいのは、子供の手が離れ、仕事も一段落し、第2の人生ステージが始まろうとしている人たちではないか。つまり、“小さなクルマに乗りたいけれども、日本車のコンパクトカーは若者向け過ぎる”と嘆いているような人たちだ。

 ガソリン版の「A180」でも悪くはないが、ディーゼル版の「A200d」ならば旅行に出掛けても、燃料代を抑えられる。「引退したら、あそこにも行きたいし、ここにも出掛けたい」と目論んでいた人にはうれしい限りだろう。「A200d」は、若い頃は高性能を追い求めていたような人の期待にも応えられるだけの内容を持っている。ディーゼルは志向性の異なる高性能を追求していて、このクルマのそれはメカニズムマニアも納得する最新版だ。
 華美ではないけれども、コンパクトカーに求められる実質をハイレベルでクリアしているロングツアラーだ。とても理性的なメルセデス・ベンツだと思う。

■関連情報
https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/mercedes-benz-cars/models/a-class/

文/金子浩久(モータージャーナリスト)

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