スーパーGTはいよいよ4月15~16日に岡山国際サーキットでキックオフ。もちろんGT500クラスのメーカー対決には大きな注目が集まるが、GT300クラスにも注目したい要素が詰まっている。
そこで今回は、GT300車両の車両モディファイ状況をチェックしてみた。
■【スーパーGT】空力開発凍結の中、やれることは意外にある? 気になるフロントボンネットの開口部
GT300クラスは、世界のGTレーシングのスタンダードである『FIA GT3』、以前はJAF GTと呼ばれていた「GT300(GTA GT300)」、そして『マザーシャシー(MC)』という3種類の車両が混在している。基本的に指定パーツ以外のパーツに交換できず”いじれない”FIA GT3車両に対し、GT300とMCはチームがモディファイできる”いじれる”車両であり、昔からレーシングカーをコツコツと作り込んでいた老舗チームは”いじれる”ことにこだわり、そのような車両で参戦していた。ただしMCに関しては第二世代の車両の導入が進まず、今年はTEAM MACHだけがMCで参戦している状態だ。
今季GT300車両は、SUBARU BRZ(R&D SPORT)、トヨタ・GRスープラ(埼玉トヨペット Green Brave、LM corsa、Max Racing、そしてオリジナル製作のHOPPY team TSUCHIYA)、トヨタ86(muta Racing INGING、SHADE RACING、apr)、そしてレクサスLC500h(apr)と4車種9チームとなった。
クルマをモディファイできるGT300車両では、LM corsaのスープラやR&D SPORTのBRZがフロントカウルを独自にモディファイし、ダウンフォースを得るようにしていた。しかし今年のGT300車両規定ではフロント周りのボディ形状をノーマルの市販車に近づけることになり、フロントカウルのデザインが変更。中でもBRZは、”顔”がLMP2マシンのようだったものが市販車と近くなり、印象がガラリと変わった。
また新規定では、フラットボトムの位置が従来は「前車輪軸~後車輪軸の間(=ホイールベース)」だったのが、「前部コンプリートホイール後端~後部コンプリートホイール前端」へと変更。つまりフラットボトムの面積が狭くなった。これに伴い、リヤディフューザーエリアは後部コンプリートホイール前端からと広くなっている。またタイヤハウスの寸法が狭くなり、各チームはその対応に追われ独自に部品を変更している。
GR86の3台をチェックしても、昨年のデビューイヤーでは製造元のapr仕様でほぼ統一されていたが、今年は車両規定の変更に合わせて各チームが独自にモディファイ。チームによってフロントフェンダーの傾斜が異なっており、リヤフェンダーの形状やディフューザーも違う。GT300クラスファンにとっては、その違いを見つけるのが面白いかもしれない。
岡山の合同テストでも規定変更された部分のチェックが行なわれ、BRZは今季の車両発表後から岡山テストまでの間で、ディフューザー形状を変更した。またINGINGは岡山テストと富士テストの短い間隔の間で、ムーンクラフトの風洞にかけて作ったディフューザーを新たな形状へ変更しなければならなかったようだ。
なお、いじっても良い場所の部品に関しては、GTAに事前に図面を提出し認証が得られれば、別仕様のモノを製作して装着することが可能。したがって、ロードラッグの”富士仕様”が出てくる可能性もあり、今後の動向にも大いに注目だ。
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