グローバル規模のメガサプライヤーであり、テクノロジーカンパニーのコンチネンタルとNVIDIA社は2018年2月16日、「NVIDIA DRIVEプラットフォーム」をベースとした人工知能(AI)、自動運転車両システムの開発で提携することを発表した。2021年に自動運転レベル3の市場導入を目指している。
このパートナーシップにより、現在の自動運転レベル2の機能から、近い将来のハンドルやペダルのない完全自動運転レベル5までに対応できるAIコンピューターシステムの生産を実現するとしている。
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両社のエンジニアリングチームが協力し、自動運転に向けたソリューションの開発を共同で進ることになる。そのソリューションとは、世界で最もパワフルなSoC(System on a Chip)である「NVIDIA DRIVE Xavier(ザビエル)」、「NVIDIA DRIVE OS(オペレーティングシステム)」、「DRIVE AVソフトウェア」を含む「NVIDIA DRIVE プラットフォーム」などだ。
開発を目指すソリューションは、最も厳しい安全度基準ASIL-Dレベルに適合するシステムや、ソフトウェア開発の技術、レーダー、カメラ、高解像度3D LiDAR(ライダー)そして経験といったコンチネンタルの技術が組みこまれる予定だ。
ーーコンチネンタルのエルマー・デゲンハートCEO
「未来の自動車は、認知、判断、操作を行なう走るコンピュータです。自動運転の複雑な機構は、AIスーパーコンピュータ並みの演算処理能力が必要になります。NVIDIA社とともに、クラウドから自動車まで、全般的な自動運転ソリューションを提供します。新しいレベルの安全性、快適性、そして未来の自動車のパーソナライズ性を未来のクルマで達成するために、必要な性能と柔軟性を確実に確立できるでしょう」と話す。
ーーNVIDIA社の創業者のジェンスン・フアンCEO
「この提携で、AI 自動運転車を開発から大量生産へと移行させるうえで、鍵となるすべての要素の準備が整いました。当社の最新の DRIVE Xavier プロセッサー、幅広い NVIDIA DRIVE ソフトウェア、そして、テスト、検証、機能上の安全性における「Cloud-to-Car」アプローチと、コンチネンタル の専門知識やグローバルな事業展開を融合させることで、自動運転車を全世界に普及させたいと考えています」と語っている。
コンチネンタルのAIシステムの頭脳となるNVIDIA DRIVE Xavierはわずか30Wの消費電力で、30TOPS (1秒あたり1兆回の演算)を達成するディープラーニング性能を備えている。自動運転車が実行しなければならないタスクに必要な、膨大なデータを処理するには、かつてないレベルの性能が欠かせないのだ。それらのタスクには、ディープニューラルネットワークを実行して周囲の状況を検知することや、環境を認識し、高精細地図上で車両の位置の特定、そして他の物体の挙動と位置予測、車両力学計算などにより、安全な進路を計画することが含まれている。
コンチネンタルとNVIDIAは幹線道路での周囲360度の状況把握や、車線変更、合流といった高度自動運転機能の開発から着手する。また、高精細地図を取り入れ車両が地図上で自車位置を特定できるようなれば、地図の更新機能も搭載する計画だ。
コンチネンタルが持つ先進運転支援システムに関する専門知識により、多機能カメラ、魚眼カメラでのサラウンドビュー、短距離、長距離のレーダーセンサー、高解像度3D LiDAR技術の他に運転支援・自動運転向けの中央制御ユニットが統合される。
2016年のコンチネンタルの先進運転支援システムの売上高は1600億円を超え、さらに、2020年までには3300億円に成長すると予測されており、高度運転支援システムにおけるリーダーから、レベル5の自動運転の時代のリーダーを目指すロードマップも具現化しつつあるといえる。
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