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【F1第1戦無線レビュー】ライバルを追うレース終盤。チームオーダー発令に角田も驚き「冗談だろう。今やるのか?」

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【F1第1戦無線レビュー】ライバルを追うレース終盤。チームオーダー発令に角田も驚き「冗談だろう。今やるのか?」

 2024年F1第1戦バーレーンGP。大接戦の予選を終えて迎えた決勝レースでは、ライバルが様々な問題に対処しながら走るなか、ポールポジションのマックス・フェルスタッペンは早々に後続を引き離し大差を築いて勝利を掴んだ。一方後方では、新生ビザ・キャッシュアップRB F1チームがチームオーダーを発令したが、そのやり取りに注目が集まった。バーレーンGPを無線とともに振り返る。

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入賞のチャンスを逃した角田裕毅、終盤のチームオーダーには怒り「チームの考えが理解できない」:RB/F1第1戦決勝

 前日の予選Q1では20人のドライバーがほぼ1秒以内にひしめき、激戦が予想された開幕戦バーレーンGP。決勝当日は変わりやすい風向きと例年より低い路面温度に、ドライバーやエンジニアが神経質になっていた。

スタート直前
ダニエル・リカルド:風向きが昨日とはずいぶん違う。レース中もそうなりそうか、しっかり教えてくれ

ホセ・ガルシア:スタート前のタイヤのバーンアウト、しっかりやってね
ランド・ノリス:もう遅いよ!
ガルシア:申し訳ない

 去年もこのコンビは無線で揉めることが多かったが、今季もさっそくスタート前のタイヤのウォームアップでノリスが不満を漏らしていた。

 スタートでは10番グリッドのニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)が出遅れ、ターン1のブレーキングでランス・ストロール(アストンマーティン)に追突してしまう。自分自身の反応速度自体は遅くなかったようだが、ホイールスピンが大きすぎた。

1周目
ヒュルケンベルグ:フロントウイングにダメージだ
ギャリー・ギャノン:了解だ、ニコ
ヒュルケンベルグ:スタートは一体、どうなってるんだ。ホイールスピンしまくったよ!
(しばらくXXワード)
ギャノン:ダメージはだいぶひどそうだね
ヒュルケンベルグ:ああ、マシン挙動がかなり厳しい。フロントウイングは完全に壊れたみたいだ

ベン・ミッチェル:ランス、大丈夫か?
ストロール:ぶつけられた。右リヤをチェックしてくれ

 さらに2台の後ろにいたバルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)も止まりきれず、ハースに追突してしまう。

ボッタス:フロントウイングの左側がぶつかった

 それでもストロールとボッタスはそのまま走り続け、ヒュルケンベルグだけが緊急ピットイン。最下位でコースに復帰する。

2周目
ギャノン:34秒、いや33秒後方だ
ヒュルケンベルグ:なんてこった……。セーフティカーが出てくれるのを祈るばかりだよ

 確かにバーレーンでのセーフティカー(SC)導入率は80%と、かなり高い。しかし今年はマシントラブルが非常に少なく、ドライバーもミスをしない。実際この後も、SCが出ることはなかった。

 上位ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が早くも独走体制。ジョージ・ラッセル(メルセデス)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が続くが、ルクレールのペースが伸びず、セルジオ・ペレス(レッドブル)に簡単にかわされていった。背後にはカルロス・サインツ(フェラーリ)が迫る。

7周目
サインツ:前の連中よりペースはいいよ
リカルド・アダミ:いいね

 10周目にはサイド・バイ・サイドでルクレールを抜き去り、4番手に浮上した。

13周目
ルクレール:フロントがロックしまくってる!

 一方、メルセデスの2台もトラブルに苦しんでいた。

15周目
ルイス・ハミルトン:バッテリーが1%しか残ってない!

16周目
ラッセル:PUがオーバーヒートしてる。どうしたらいいんだ!

 この時点でハミルトンは10番手に後退。ラッセルもペースが伸びず、サインツに抜かれて、表彰台圏外に落ちていた。

 ルクレールは相変わらずブレーキングの問題に手こずっていた。

19周目
ルクレール:ブレーキングで、マシンが右側に引っ張られるんだけど
シャビ・マルコス・パドロス:チェック中だ

 ブレーキングでの前輪ロックはその後も改善せず、白煙を上げ続けるルクレール。

ルクレール:これじゃとても戦えない。危険すぎるよ!

 上位勢はこう着状態のまま、レース後半へ。一方、入賞圏内を走っていた角田裕毅(RB)は、2回目のピットインで10番手から14番手に後退。13番手のケビン・マグヌッセン(ハース)の1秒以内に入りながらも、なかなか抜けずにいた。背後からは新品のソフトタイヤを履いたリカルドが迫る。

52周目
マッティア・スピニ:ユウキ、順位交換だ。後ろと入れ替わる
角田:冗談だろう。今、やるのか?

 チェッカーまであと数周の時点で順位を入れ替える指示が来るとは、角田も思っていなかったのだろう。すぐには指示に従わず、次の周もそのまま走り続けた。それに対しリカルドは、控えめに不満を表明した。

リカルド:僕からは、何も言うことはないよ

 52周目にようやく順位が入れ替わった。しかしリカルドの履くソフトタイヤはすでに17周走っており、マグヌッセンを抜く速さは残っていなかった。

リカルド:まるまる1周、無駄にしてしまったね
ピエール・アムラン:了解。次の指示を待ってくれ

 チームオーダーに皮肉で返す角田。

54周目
角田:みんな、ありがとう。いい指示だった

 角田はさらに、マグヌッセンを抜きあぐねるリカルドをプッシュする。

角田:もっとペースを上げないと!
スピニ:自分のベストを尽くすんだ、ユウキ
角田:(リカルドは)全然速くない!
スピニ:わかってるよ

 フェルスタッペンは一度も首位を譲ることなく、ポール・トゥ・ウイン。最速タイムも叩き出し、完璧なシーズン初勝利を飾った。

ランビアーゼ:マックス、素晴らしくプロフェッショナルな運転だった。これ以上、何も言うことはないよ。最高のシーズンスタートを切れたね
フェルスタッペン:最高だ。なんてレースだったんだ! マシンバランスも完璧だった

ヒュー・バード:P2だ。着実な仕事だった
ペレス:ああ、いいレースだし、いいシーズンスタートだ。みんなよくやってくれた。長いシーズン、一緒に頑張ろう

アダミ:グッジョブだ、カルロス
サインツ:レッドブルになんとか食いつけたね。でももっと速くならないと。これからやってやろう

 一時は最下位近くまで落ちたストロールだったが、後半のハードタイヤでペースを取り戻し10位入賞を果たした。

ストロール:素晴らしい花火だね
ベン・ミッチェル:1周目の後退から、よく入賞圏内まで這い上がってくれた。素晴らしい!

ヒュルケンベルグ:ターン1(の接触)は、本当に申し訳ない。あれですべてが台無しになってしまった。でもいいニュースもある。今シーズンはライバルたちと戦えそうってことだ

 ヒュルケンベルグにとっては、実に悔しい開幕戦だった。しかし最大の課題だったレースペースの改善には、大きな手応えを感じたようだ。

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