もくじ
ー 次期型SLのシャシーをテスト
ー 開発はメルセデス-AMGが担当
ー 多くのコンポーネントをGTと共有
ー エンジンは直6とV8
次期型SLのシャシーをテスト
奇妙なメルセデス・ベンツのプロトタイプが目撃された。これは次期型SLのシャシーに偽装を施したものだと思われる。
それより1週間ほど前、AMGのトビアス・メアースCEOは今年中に次期型SLのプロトタイプを公道で走らせると、AUTOCARに語っていた。
このプロトタイプはEクラス・セダンのように見えるが、一見してわかるようにボディとホイールベースが大幅に短縮されている。切り詰められたボディと細部を見れば、これが新しいスポーツカー用共有プラットフォームのテスト車である可能性が高いと思われる。
メアースは、2021年に発表予定の次期型SLが、次世代のAMG GTと「並んで」開発されていると認めた。両車はアルミニウムを多用した「モジュラー・スポーツ・アーキテクチャ(MSA)」と呼ばれる新開発プラットフォームを共有することになっている。
量産効果により、メルセデスのラインナップで最も特別な2つのモデルの収益性を高めることが狙いだ。
開発はメルセデス-AMGが担当
AUTOCARが初めて次期型SLについて報じたのは昨年10月のこと。しかし最近になって、メアースはその開発をAMGが担当していると認めた。
「われわれはSLの伝統的なDNAを蘇らせようとしています。(今度は)もっとスポーティなモデルになります。ドライビング・ダイナミクスと、今まで通りクルーザーのような快適性も、完璧に兼ね備えたクルマです」と彼は語った。
これまで7世代にわたるSLの歴史で、AMGが開発を主導するのは今回が初めてのこととなる。
メアースは次のように語っている。「パフォーマンスカーとスポーツカーのブランドであるAMGに、SLの開発が委ねられたことは素晴らしいことです。多大な責任があり、とても光栄に感じています」
彼はまた、8世代目のSLが現行モデルと同様、ロードスターのみであることを認めた。
多くのコンポーネントをGTと共有
AUTOCARは以前、次期型SLでは、現行モデルとその前の世代で採用された格納式ハードトップに替わり、伝統的なファブリック製ルーフを採用すると報じた。
全般的に見れば次期型SLは、より軽く、より速く、より魅力的なモデルとして息を吹き返すだろう。それこそ、AMGが開発の指揮を任された理由である。
SLとGTの次世代モデルは、基本的なプラットフォームをはじめ、アクスル、サスペンション、ステアリング、48V電装系とハイブリッド・ドライブトレインなど、多くのコンポーネントを共有することになる。
コスト削減と生産効率を改善するためだ。現行型GTと同様、デュアルクラッチ式トランスミッションがリアアクスルと一体化されたトランスアクスルを採用する。
次期型SLは、現行モデルの全長4630mm、全幅1870mm、全高1310mmよりわずかに大きくなることが、テスト用プロトタイプから推測できる。
新プラットフォームの採用により、フロントのバルクヘッドからフロント・アクスルまでの距離が伸び、より伝統的なプロポーションになるとメルセデスの内部関係者はAUTOCARに語っている。
エンジンは直6とV8
次期型SLに用意されるエンジンは、ハイブリッド化された直列6気筒およびV型8気筒のガソリンのみになる見込みだ。それぞれ通常モデルとAMGモデルが設定される。
ベース・グレードのSL450 EQブーストは、最高出力370psの3.0ℓ直列6気筒ターボ・エンジンと、22psを発生する電気モーターの組み合わせ。これをAMGがチューンしたSL53では、エンジンのパワーが436psに引き上げられる。
4.0ℓV8エンジンを搭載するSL500 EQブーストの最高出力はSL53と同じだが、トルクはずっと大きくなるだろう。ラインナップの頂点に位置するSL63では、V8エンジンの最高出力が600psを超え、モーターの出力も30ps以上になる。
トランスミッションは全車9速ATで、AMGモデルは電子制御によりさらに素早いシフトが可能なスピードシフトとなる。標準の後輪駆動のほかに四輪駆動の4マチックが用意される可能性もあるが、まだ確定できていない。
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