発進時からの最強加速を実現!! トヨタが新型「ランドクルーザー」に搭載する新たな「ハイブリッド48Vシステム」の実力とは

マイルドハイブリッド搭載でもオフロード性能に妥協なし！

　2025年6月23日にトヨタが欧州市場で、新型「ランドクルーザー」に初めて搭載される電動ドライブトレインの詳細を公開し、新時代の幕開けを示唆しました。

　新型ランドクルーザーハイブリッド48Vは、オンロードとオフロードの両方で快適なパフォーマンスを提供するマイルドハイブリッドシステムを導入。困難な地形を攻略するSUVの走行性能を損なうことはありません。

　ハイブリッド48Vシステムは、ランドクルーザーの既存の2.8リッターエンジンと8速ダイレクトシフトオートマチックトランスミッションに、電動モータージェネレーター、リチウムイオンハイブリッドバッテリー、DC-DC電力コンバーターが組み合わせられました。

　過酷な環境にも耐えられるよう設計・配置されたコンポーネントにより、700mmの渡河水深を含む車両の性能は損なわれません。

　そのメリットは、よりスムーズで静粛性が高く、レスポンスに優れたエンジン・ストップ・スタート・システムと、発進時からスムーズでリニアかつ力強い加速を実現している点です。

　新しいマイルドハイブリッドシステムは、簡単に統合できるように設計されています。

　同社のフルハイブリッドシステムよりもコンパクトなので、大幅な再設計や再エンジニアリングを必要とせず、既存のパワートレインに簡単に取り付けることが可能。これにより、ハイブリッド48Vパワートレインは新型「ハイラックス」にも導入されました。

　ハイブリッド48Vシステムは、ランドクルーザーの定評ある2.8リッターターボディーゼルエンジンを使用し、従来のオルタネーターに代わる電動モータージェネレーター、48Vリチウムイオンバッテリー、エネルギーフローバッテリーとモーターを制御するDC-DCコンバーターという3つの主要な新しいコンポーネントが導入されています。

　このシステムは、ランドクルーザーの過酷な条件や起伏の多い地形での作動能力を決して損なうものではなく、たとえばモータージェネレーターはエンジンブロックの高い位置に配置されているため、車両は最大700mmの深さの水中でも低速で渡ることができます。

　永久磁石同期型ユニットである電動モータージェネレーターは、エンジンによって駆動され、リチウムイオンバッテリーを充電。それらはオンロードとオフロードの両方で、ドライビングエクスペリエンスにさまざまなメリットをもたらします。

　回生機能も提供され、ドライバーがエンジンブレーキを使用してアクセルから足を離すたびにエネルギーを回収。その後、エンジンのアイドリングストップ機能や、加速をサポートすることで、無駄を最小限に抑え、効率が向上。運転が楽になり、自然な減速感を得ることができます。

　オンロードでの走行では、発進時の加速と減速がスムーズでリニアになり、より安定した快適な乗り心地に貢献。荒れたオフロードでは、モータージェネレーターがランドクルーザーの障害物への対処能力を高めます。

　動作状態は、ドライバーのマルチインフォメーションディスプレイにCHG（エネルギー回生）、ECO、またはPWR（両方の場合ともアシストを提供）として表示されます。

　さらに同ハイブリッド48Vシステムは、エンジンの停止・始動時のショックを軽減し、より迅速かつ静かな始動を実現。これにより、渋滞時の運転がより快適でスムーズになります。

　モータージェネレーターが常時接続されているため、停止後のエンジン再始動までの遅延が少なく、高回転域でのエンジン再始動も可能。渋滞時やドライバーがブレーキペダルの踏み込みを緩めて誤ってエンジンを再始動した場合、システムは自動的に停止します。

　それらに加えドライバーは、車両のマルチインフォメーションディスプレイで、ストップ＆スタートの性能を「ノーマル」または「ロング」から選択可能。「ロング」を選択した場合、エアコン作動中のエンジンのアイドリングストップ時間が長くなります。

　また、車両が上り坂にある場合、エンジンが再始動してから駆動トルクが発生するまでにわずかな時間差が生じることがありますが、ストップ＆スタートシステムは補助機能として、十分な駆動トルクが発生するまでブレーキ圧を維持し、スムーズな発進を実現。車両が平地にある場合は、再始動時に発生する余分な駆動トルクをシステムが相殺します。

　システム の応答性をサポートするために、燃料噴射量制御を最適化することで、加速時のショックとのバランスが実現されました。

　48Vリチウムイオンハイブリッドバッテリーは、13セルで4.3Ahの容量が備えられています。重量はわずか7.6kgで、積載スペースへの影響も最小限に抑えられています。

　フル充電時には発進時に、パワートレインに最大12kWの電力と65Nmのトルクを追加供給することが可能。

　ハイブリッドバッテリーと薄型DC-DCコンバーターはどちらも水の浸入から保護されており、室内よりも低い温度の冷却用の空気が車両前方から可能な限り多くバッテリーに取り込まれる仕様。

　フィルターはバッテリーの冷却経路における埃の蓄積を防ぎ、ファンは高温下でのバッテリー性能の低下を防ぎます。

　欧州市場では、ランドクルーザー全モデルにハイブリッド48Vシステムを採用。各国市場ではまもなく受注が開始され、最初のモデルは今年末にユーザーのもとへ届けられる予定です。 （バイクのニュース編集部）

Comments

[tak********]

ガソリンモデルに試乗した際に、あまりにもパワー不足すぎて途中でやめたくなりました。ディーゼルの方は幾分かマシとは聞きましたが、この車体重量にこのエンジンは・・・う～ん、市販していいレベルなのか？とさえ思いました。今回のハイブリッドモデル追加で、もう少しマシになるとは思いますが、本当に好きものでないと250は買わない方がいいと思います。

[sgq********]

ディーゼル車のマイルドHEVは理想的でしょう。
出だしのもっさり感解消、回生ブレーキで甘いフットブレーキ改善等。
あとは価格が低く抑えられる事から国内も導入して欲しい。