電動化技術 どの企業と提携?
アストン マーティンは、2025年に発売予定の同社初のEVについて、メルセデス・ベンツ、リマック、ルーシッドと提携する可能性がある。
【画像】アストン マーティン初のEVは高性能の電動SUV?【ベースとなるDBXを写真でじっくり見る】 全83枚
アストン マーティンは電動モデルの拡充を進めており、2024年に同社初のプラグインハイブリッド車(SUVのDBXをベースにする予定)を、2025年にEVモデルを発売し、2030年には「完全に電動化されたGT/スポーツおよびSUV」ラインナップを完成させる予定だ。
EVスポーツカーとSUVについては、以前から2025年の発売が噂されており、ローレンス・ストロール会長は製品計画の詳細について「来年早々には答えが出る見込み」と述べた。
アストン マーティン初のEVの詳細は不明だが、ストロール会長はスーパーカーやハイパーカーなどが検討されていることを認めた。以前、同社は英国のバッテリーサプライヤーであるブリティッシュボルトと協力して、「高性能」バッテリーの開発に取り組むと発表している。
アストン マーティンの株主であるメルセデス・ベンツは、多くの部品を同社に供給しており、電動化においても大きな影響を与えている。現在、メルセデス・ベンツは9.7%の株式を保有しており、秋にはさらなる出資が予定されている。
高性能モデルを展開するメルセデスAMGが現在EV向けに開発しているAMG.EAプラットフォームは、アストン マーティンというブランドの性格にも向いているだろう。このプラットフォームは、バッテリーを構造自体に統合して重心を下げるセル・ツー・シャシー設計を採用する見込みだ。
しかし、最近明らかにされたアストン マーティンの資金調達計画では、サウジアラビアの公共投資ファンド(PIF)がメルセデスを超える16.7%の株式を取得する予定となっている。
PIFは今年初め、マクラーレンへの巨額投資が報じられて話題となったが、注目すべきは2019年に米国の新興自動車メーカー、ルーシッドの株主となったことだ。その投資額は10億ドル(約1400億円)以上と計上されている。ストロール会長は、ルーシッドの関与について「数か月前」から議論されており、アストン マーティンの電動化計画に影響を与える可能性を認めている。
ルーシッドは現在、高級EVセダンを1車種のみ販売しているが、同じプラットフォームを使用する新型SUV「プロジェクト・グラヴィティ」の開発を進めている。
ルーシッドは今のところ、他の自動車メーカーにプラットフォームを供給していないが、過去にはフォーミュラE選手権にバッテリーを供給したことがある。また、現在は米アリゾナ州カサグランデにある新工場で自動車を製造しているが、サウジアラビアに年間15万台規模の工場を新たに設けて生産量を大幅に増加させる計画だ。
さらに、ストロール会長は資金調達計画発表後の記者会見で、クロアチアの新興自動車メーカーであるリマックもパートナー候補として取り上げた。詳しい説明はなされなかったが、リマックの実績を考えると、少量生産のEVハイパーカーの開発で提携を結ぶ可能性がある。
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