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今乗ったらカッコいい! ちょっと古いSUV5選

掲載 更新 24
今乗ったらカッコいい! ちょっと古いSUV5選

SUVブームの今、新型ばかりではなく旧型も注目されている。そこで、モータージャーナリストの小川フミオが今、乗りたい「ちょっと古い」SUVを5台ピックアップ! 新車当時の思い出とともに振り返る。

ネオクラシックSUVの魅力とは?

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フツウのSUVに飽きたら、みんなが乗っていないモデルを探すのも“アリ”だ。そもそもSUVの歴史は長く、軍事用の「ジープ」まで含むと、1945年にまで遡る。

ジープのあと、「ランドローバー」(1948年)やインターナショナル・ハーベスターの「スカウト」(1961年)、フォルクスワーゲン「181」(1968年)など、各国にさまざまなモデルが登場した。いずれも年式が古くても、中古市場で人気が衰えていないのが特徴だ。

ジープを例にとっても、もっとも好ましいモデルはなにか? となると、1959年にアメリカンモータースが作ったアルミニウムボディの「M422マイティマイト」がいい、とか、一般的な使い勝手では寿命の長かった「CJ5」(1955年)が1番! とか議論は白熱するはず。

ことは「レンジローバー」も同様だ。高速走行を含むふだん使いを重視するなら、サスペンションにスタイビライザーをくわえた1990年以降のモデルがいい。でも、荒れ地での走行性をフルに味わうには、サスペンション・ストロークがうんと長い、それ以前のモデルで、しかもオリジナルデザインの2ドアがいい! なんていう意見もあったりする。

そこまでマニアックにならなくても、1980年~1990年代に登場した“ネオクラシック“SUVには、けっこう魅力的なモデルが揃っている。いまも街中でときどきみかけたりするぐらいだ。ということは、機関の状態がいいモデルがみつかる可能性も大である。

そこで、比較的古いSUVのなかでも、”これなんかいいんじゃないかな”という、お勧めしたいモデルを紹介してみよう。

・メルセデス・ベンツ「Gクラスカブリオ」

Vier Jahrzehnte G-schichte: Mercedes-Benz G-Klasse: Seit 1979 stilsicher durchs GeländeFour decades of G history: Mercedes-Benz G-Class: mastering terrain with an assured sense of style since 1979ショートホイール・ベースの車台に、ファブリックの幌を備えたG クラスの派生車種。1997年に3.2リッター直列6気筒ガソリン・エンジン搭載の「G320カブリオ」が、1998年に5.0リッターV型8気筒ガソリン・エンジンの「G500カブリオ」が発売されている。

ニッチな車種だけれど、本来、軍事作戦に使われる車両は、乗り降りがとっさに出来るフルオープン仕様のケースが多い。Gクラスはそもそも軍事車両として開発されたから、オープン仕様も違和感なし。

この時期のGクラスはだいぶ運転が楽になっていて、アクセルペダルを踏み続けていてもなかなか加速しないので、ふくらはぎがけいれんを起こしそうになる、というようなことはない。思いきってオープンにすれば、開放感抜群! かなり雰囲気がいい。操縦もしやすくなっているし、スタイリッシュさからいえば、2ドアのショートホイールベース版とともに、いまもっとも好ましいモデルといえる。しかも、現行Gクラスには設定されていないから、希少性も高い。

・ジープ「チェロキー」(2代目)

日本で「チェロキー」というと、1984年登場の2代目にトドメをさす。といっても、最新の「チェロキー」および「グランドチェロキー」も今なお人気は高いけれど。

そもそもチェロキーは「グランドワゴニア」の2ドア版として世に出た。2代目にモデルチェンジしたとき、ワゴニアとの縁は切れて、フレームシャシーからモノコックになった。スタイルも、直線基調の、“機能主義”をうまく活かしたスタイリッシュなものに変わった。

搭載するエンジンは4.0リッター直列6気筒ガソリン。トルキーで、いいかんじのエンジンだった。ステアリングの味付けは、意外なほどシャープ。さすが、初代モデルで史上初の「スポーツ・ユーティリティ・ビークル」という言葉を使っただけのことはある。

内装もシンプルだけど、味がある。これも魅力的。ある時期のモデルは、アメリカのカバンブランド「ハートマン」のツイードを思わせるファブリック張り。「アメリカって、旅行者のためにいい製品を作ってくれる国なんだなぁ」と、よくわかったのが思い出される。

いまでもスタイルは魅力的だ。街で見かけると”いいなぁ”と、思う。日本ではほとんど4ドア・ボディであるが、実際はこの手の”トラック”の常として、2プラス2なみで、後席は緊急用である。なので見つかるなら、2ドアがより好ましい。リアクオーターウィンドウが大きいスタイルは独創的でかっこいい。

・ランドローバー「ディスカバリー」(初代)

1989年に発表された初代「ディスカバリー」。中身はレンジローバーのパーツを多用しているが、ボディのコンセプトは斬新だった。

とりわけレンジローバーの弱点だった後席スペースを拡げたのは画期的だった。それからオプションで、荷室内にプラス2名ぶんのシートの装着が可能だったのも、機能を第一に考えたディスカバリーの特徴だ。

スタイリングは、やはり機能主義的だが、2段式のルーフなど、個性がうまく盛り込まれている。いっぽうで、ルーフの後端部に設けられたアルパインウィンドウは、ランドローバー(ディフェンダーシリーズ)とのつながりを感じさせた。

インテリアを担当したのは、コンランショップで知られるテレンス・コンラン氏の次男にあたるファッションデザイナーのジャスパー・コンラン氏。とくにファブリック・シートは、色づかいも、粗く編んだような風合いもとても好ましいものだった。センターコンソールにはシートとおなじ素材でつくられた、取り外し式のハンディバッグも備わっていた。

私はオーストラリア・ケアンズでおこなわれた試乗会に参加した。このときはオフロード中心のコースで、ランドローバー開発陣の悪路走破性に対する自信ぶりがよくわかった。日本では2.5リッター直列4気筒ディーゼルと、3.5リッターV型8気筒ガソリンで展開。のちにV8の排気量は3.9リッターに拡大された。

全高は2mになんなんとするものの、全長4.5m、全幅1.8mと、日本の市街地でも扱いやすいサイズ。じつは当時、この軽快感あるスタイルのクルマに、4.0リッターちかいV8エンジン搭載という組み合わせが、ミスマッチ感(やりすぎ感)があって、いまひとつ納得できなかった。

いま乗ったら、この大きなエンジンのぜいたくさを堪能するのがいい。レンジローバーもこのアルミニウムブロックのV8だった。低回転域のトルクがたっぷりあって、ぐいぐいと力強い加速感がたっぷり味わえる。

・日産「テラノ」(初代)

1986年発売の初代「テラノ」に乗ろうというなら、ぜひとも2ドアを選んでほしい。当時NDI(日産デザインインターナショナル/現・日産デザインアメリカ)が手がけた、シャープな印象のウィンドウグラフィックを持ったスタイリングは、2ドア版がベストだからだ。

シャシーはなんと、ダットサントラックのものをべースにしており、ラダーフレームだ。スタイリングはクールであるが、内容は旧態依然としている。そういう過渡的な時代だったのだ。

フロントサスペンションなどもダットサントラックと共用。ただしリアは、減衰力が2段階で変えられるダンパー仕様もあった。とはいえ、テラノの走りに感心した記憶はあまりない。

それでも、いまテラノに乗るのは、おおいに“アリ”と、思う。あえてぶ厚く見せているボンネット、ピックアップトラックのキャノピーを連想させる長いルーフと大きなリアクオーターウィンドウなどがかえって新鮮だ。

1993年に追加されたワイドボディ版や、派手な車体の塗り分けは、当初からのデザインコンセプトにそぐわないので、個人的には避けたい。ブリスターフェンダーの存在も目立たせたいなら、ユニカラー(単色)がいちばん。と、こんなことをいろいろ考えさせてくれるのが、初代テラノの魅力だ。

・シボレー「ブレイザー」(2代目)

シボレーのSUV「ブレイザー」は、1969年登場のフルサイズ版「K5」と、1983年に登場したコンパクト版「S-10」がある。日本では、当時ゼネラルモーターズの輸入代理店をつとめていたヤナセが、1990年からS-10を販売した。

日本でヒットしたのは2代目のS-10ブレイザー。4.3リッターV型6気筒ガソリン・エンジン搭載の4ドアモデルが輸入されていた。ただしチェロキーのところで触れたように、米国車のつねとして後席のシートは小さく、居心地はそれほどよくない。

いまでこそSUVを2プラス2のように使うひとも出てきたが(日本のはなし)、当時は、そういうアイディアはなかった。あまり使い勝手のよくない後席は中途半端に思えたものだ。丸みを帯びたスタイリングも、妙に乗用車めいていて、これも中途半端に感じられたのは事実。ただ、コストパフォーマンスには優れていた。300万円で大型エンジン搭載のSUVが購入出来たから当時はそこそこ売れた。

エンジンも、低回転域からどっとトルクが出るわけでもなく、かといってスポーティにまわして走る性格でもない。同時期にヤナセで販売されていた、より大型の「タホ」のほうがキャラクターがはっきりしていた。

米国ではブレイザーブランドは連綿と続いている。ただし最新モデルは、トヨタ「RAV4」のようなエモーショナルなデザインに変身してしまった。その点では、2代目S-10ブレイザーのほうが個性ははっきりしている。おおらかなアメ車のSUVを求める人にはアリな選択だろう。しかも、流通している個体はほとんど右ハンドル仕様なのも、日本で乗るには嬉しい。

文・小川フミオ

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