現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > フェラーリ365GT/4 BBはV型12気筒フェラーリ初の市販ミッドシップモデルで、特別な存在だった【スーパーカークロニクル/011】

ここから本文です

フェラーリ365GT/4 BBはV型12気筒フェラーリ初の市販ミッドシップモデルで、特別な存在だった【スーパーカークロニクル/011】

掲載 1
フェラーリ365GT/4 BBはV型12気筒フェラーリ初の市販ミッドシップモデルで、特別な存在だった【スーパーカークロニクル/011】

スーパーカーといえば「ミッドシップの2シーター、エンジンはDOHCでV8以上。ただし、ほかに惹き付ける魅力があれば例外もあり・・・」というのがざっくりとしたイメージだろうか。1970年代半ばに大ブームが起きてから50年近くの歳月が流れ、そのイメージは少しずつ変わってきているようにも見える。本連載では1966年から現代までスーパーカーを並べていくので、変遷していくさまをお楽しみいただければと思う。【第11回はフェラーリ 365GT/4 BBだ。】

フェラーリ 365GT/4 BB(1973-1976年)
以前に紹介した365GTB/4、通称「デイトナ」まで採用された古典的なFRのシャシに、フェラーリはハンドリングの限界を感じた。そこで次世代のフェラーリに向けて開発されたのが、V型12気筒フェラーリ初の市販ミッドシップ車となる、365GT/4 BBだ。デイトナの正式名称と似ていて紛らわしいので、デイトナは通称で呼ばれる機会が増えたのかもしれない。

【試乗】フェラーリ296GTB「電動化されてもフェラーリらしさは失わない」

もちろん、デイトナはFRで365GT/4 BBはミッドシップだから、スタイルも車両特性もはまったく異なる。車名にある365の由来は1気筒あたりの排気量(cc)を表すためデイトナと同じ。GTはグランツーリスモ、4はカムシャフトの数(V型のDOHCだから4本)を表す。BBとは「ベルリネッタ ボクサー」の略で、ベルリネッタは2ドアクーペ、ボクサーとは水平対向エンジンを意味する。

だが、搭載されたエンジンは正しくは水平対向ではなく180度のV型12気筒 DOHCとなる。これに各バンクあたり2基、計4基のウエーバー製トリプルチョーク 40IF3C キャブレターを装着して、最高出力は380psを発生した。同排気量だったデイトナ用の60度V12 DOHCより28psも強力で、最高速度もデイトナより20km/h速い300km/hと公称していた。

365GT/4 BBが発表されたのは、1971年のトリノ モーターショーだった。だが、エンジンやトランスミッションの新しいレイアウト熟成に時間がかかり、生産を開始したのは2年後の1973年までずれ込んだ。というのも、エンジンの下にトランスミッションを置く、いわゆるイシゴニス方式(MINIの生みの親であるアレック・イシゴニス氏がMINIで採用した方式)を採用したため重心が高くなるのは避けられず、それが少なからずハンドリングに影響を与えたからだった。

結局、ロールを抑えるために重量物が集中する後輪にコイル/ダンパー ユニットを各2セットずつ備えるなどの手立てを施して操縦安定性の確保を図った。新機軸に挑んだ365GT/4 BBは387台が生産され、1976年に後継となる512BBへとバトンタッチする。

フェラーリ 365GT/4 BB 主要諸元
●全長×全幅×全高:4360×1800×1120mm
●ホイールベース:2500mm
●重量:1120kg
●エンジン種類:180度V12 DOHC
●排気量:4390cc
●最高出力:380ps/7200rpm
●最大トルク:44.0kgm/3900rpm
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:前215/70VR15、後225/70VR15

[ アルバム : フェラーリ 365GT/4 BB はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

軽トラ荷台が「広々リビング」に!? めちゃくつろげる「スーパーキャリイ」実車公開! 斬新すぎる“アウトドア仕様”とは?
軽トラ荷台が「広々リビング」に!? めちゃくつろげる「スーパーキャリイ」実車公開! 斬新すぎる“アウトドア仕様”とは?
くるまのニュース
使っても安全? 安くて気になる社外パーツのメリット・デメリット
使っても安全? 安くて気になる社外パーツのメリット・デメリット
バイクのニュース
さらば「スイスポ」 英スズキ、エンジン車縮小へ 早ければ年内にも販売終了か
さらば「スイスポ」 英スズキ、エンジン車縮小へ 早ければ年内にも販売終了か
AUTOCAR JAPAN
ボロボロの「S800」をホンダ学園の学生たちがレストア!「全日本ラリー三河湾」にも校長先生と一緒に出走しました
ボロボロの「S800」をホンダ学園の学生たちがレストア!「全日本ラリー三河湾」にも校長先生と一緒に出走しました
Auto Messe Web
スズキが新型SUVのフロンクスを今秋に日本で発売すると予告
スズキが新型SUVのフロンクスを今秋に日本で発売すると予告
カー・アンド・ドライバー
ボッタス「進むべき方向は定まっている」周冠宇「弱点は分かっている」:キック・ザウバー F1第11戦決勝
ボッタス「進むべき方向は定まっている」周冠宇「弱点は分かっている」:キック・ザウバー F1第11戦決勝
AUTOSPORT web
アルボン「これほどのパフォーマンス不足は予想外だった」:ウイリアムズ F1第11戦決勝
アルボン「これほどのパフォーマンス不足は予想外だった」:ウイリアムズ F1第11戦決勝
AUTOSPORT web
なぜ希望ナンバー「358」は1位に? 定番「1・2525」よりも人気の理由は? 日本唯一の「抽選エリア」とは
なぜ希望ナンバー「358」は1位に? 定番「1・2525」よりも人気の理由は? 日本唯一の「抽選エリア」とは
くるまのニュース
知ってた? スポーツタイプのバイクの特徴
知ってた? スポーツタイプのバイクの特徴
バイクのニュース
ヒョンデ、新型Aセグ電動SUV『インスター』発表…航続はセグメント最高の355km
ヒョンデ、新型Aセグ電動SUV『インスター』発表…航続はセグメント最高の355km
レスポンス
2024年上期の新車販売、リーマン危機後を下回る212万台に 認証不正影響で[新聞ウォッチ]
2024年上期の新車販売、リーマン危機後を下回る212万台に 認証不正影響で[新聞ウォッチ]
レスポンス
VWグループの「CARIAD」、Dockerと提携でソフトウェア開発を加速
VWグループの「CARIAD」、Dockerと提携でソフトウェア開発を加速
レスポンス
ホンダ新型「“スゴイ”軽バン」実車“初公開”! どこでも「仕事場」!? “真っ平ら”内装&テーブル+イス完備の「N-VAN e:」アウトドアショーに登場
ホンダ新型「“スゴイ”軽バン」実車“初公開”! どこでも「仕事場」!? “真っ平ら”内装&テーブル+イス完備の「N-VAN e:」アウトドアショーに登場
くるまのニュース
サインツJr.の”進路選び”はもう待ったなし? ウイリアムズ、他ドライバーとの交渉を再開か
サインツJr.の”進路選び”はもう待ったなし? ウイリアムズ、他ドライバーとの交渉を再開か
motorsport.com 日本版
【MotoGP第8戦オランダGP】中上貴晶選手、好きなアッセンでのレースも「初日から改善が見られない」と、厳しい週末に
【MotoGP第8戦オランダGP】中上貴晶選手、好きなアッセンでのレースも「初日から改善が見られない」と、厳しい週末に
バイクのニュース
クルマのオートマの「P」と「N」! どちらも停車中に入れるレンジだけどなぜ2種類必要?
クルマのオートマの「P」と「N」! どちらも停車中に入れるレンジだけどなぜ2種類必要?
WEB CARTOP
スズキ、バイオガス精製へインドで試験用プラントを稼働
スズキ、バイオガス精製へインドで試験用プラントを稼働
日刊自動車新聞
【このシューマッハの550なんぼ?】日本にあったシューマッハの私有車「フェラーリ 550 マラネロ」がオークションに出品された その落札想定価格は?
【このシューマッハの550なんぼ?】日本にあったシューマッハの私有車「フェラーリ 550 マラネロ」がオークションに出品された その落札想定価格は?
AutoBild Japan

みんなのコメント

1件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2695.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1640.03258.0万円

中古車を検索
GTの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2695.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1640.03258.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村