メルセデスのテクニカルディレクターを務めるジェームズ・アリソンは、F1第11戦イギリスGPでチームが導入した新しいフロントウイングの効果は、次戦の第12戦ハンガリーGPでより明らかになるだろうと考えている。
メルセデスはW14のフロントウイングを改良した。ウイングのエレメントの翼弦の配分と、エンドプレートの形状を変更することで、マシンのボディワークとフロアの空気の流れがよりクリーンになった。しかしシルバーストンでルイス・ハミルトンは、もっと大きな効果をアップデートに期待していたと認めた。
メルセデスF1、アップデート投入もW14は「手に負えないまま」と代表。まもなく2024年型マシンの開発に着手か
「僕たちはみな、うまくいけば一歩を踏み出せるととても期待していた」とハミルトンは語った。「残念なことだけれど、そこまでの進歩はなかった」
メルセデスのレース後のYouTube動画のなかで、アリソンはハミルトンのコメントに詳しく触れ、改良したウイングが次週のハンガリーではさらに効果を発揮するであろう理由について説明した。
「新しいフロントウイングは、もちろんさらに速く走るために設計された。それが我々のやっていることの理由だ」
「でも我々が非常に期待しているこの新フロントウイングの特徴は、低速レンジのコーナーでマシンのバランスとパフォーマンスを向上させることだ」
「シルバーストンはいろいろなことで有名だが、低速コーナーが非常に多いことで有名なのではない。シルバーストンで我々が安心したのは、コースの低速部分ではかなりの競争力が出ていたからだ。だからこの新フロントウイングは合格だ」
「効果が出るのはハンガリーに行ってからだと思う。コースはほぼ全体的に低速の構成だから、そこでわかるのは確かだ」
「でも最初の様子は有望だ。新フロントウイングは期待通りに機能しているようだし、幅広い低速コーナーがあるコースではさらに機能することを期待している」
レッドブルとの差をもはや埋められないマシンの開発プログラムを延長する利点については、疑問を持つこともあるだろう。メルセデスではさらにアップデートが控えている。アリソンは、メルセデスが“損失を取り戻そうとして深みにはまっている”わけではない理由を説明した。
「これらのマシンにはまだ多くの開発が行われる」とアリソンは語った。
「もちろん全チームが来年に目を向けることになるが、そうなるとマシン開発の速さという点では、誰もが少し減速する」
「でもどのチームも、そしてもちろん我々も、現在のマシンに改善を加えたい点があり、それは来年にも引き継ぐことができるとわかっている」
「だから、損失を取り戻そうとしてかえってお金を失っているということではない。こうしたアップグレードによって、両方のシーズンに投資しているという感じだ」
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