現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > AUTOCAR独占取材 ジャガーIペース主任設計者への一問一答 次の一手は

ここから本文です

AUTOCAR独占取材 ジャガーIペース主任設計者への一問一答 次の一手は

掲載 更新
AUTOCAR独占取材 ジャガーIペース主任設計者への一問一答 次の一手は

もくじ

ー ジャガーの電動化 企業としての変化
ー EVのIペース 開発の舞台裏
ー どのようにIペースは展開拡大する?
ー ジャガー、ゆくゆくはEV専業メーカーに?

EV 運転スタイルによる航続距離の差は? 2台のジャガーIペースで検証

ジャガーの電動化 企業としての変化

ジャガーIペースは2018年を代表する新型車のみならず、英国の技術の優秀性を世に示したモデルといえる。

今回は主任設計者のデーブ・ショーに、今後のIペースの進化ならびに将来のジャガーEV化への展望について話を聞いた。

――電動化によってジャガーはどう変わりましたか?

「EVを手がけることで、ジャガー・ランドローバー(JLR)は世界がめまぐるしく変わりつつあることに気づかされました」

「技術革新の可能性については、限界はまるでみえてきません。はじめこそ改善点が山のように出てきますが、そのひとつひとつはなんら妥協点をさがすまでもなく、すぐに対処できてしまいました」

「そのうちに、社内でのIペースの位置づけまで変わってきました。いまの状況からは想像できないかもしれませんが、もともとは先行研究としてはじめたのです」

――電動化にあたって、小回りのきくJLRの企業規模が有利に働いたのでは?

「電動化の恩恵は誰もがひとしく受けています。企業規模の大小に関係なく、どこにも技術革新の波はやってきていますよ」

――JLR内部の考え方にも変化はありましたか?

「わたしもふくめて、根こそぎ変わりましたね。もともとエンジン車至上主義で、EVなんて真っ平ごめんだったこのわたしがですよ?」

「わたしも1台持っていますが、もう3万2000kmも走りました。もう内燃機関には戻れませんね。じぶんの使い方には合ってますし、まるで我慢もいりませんから」

EVのIペース 開発の舞台裏

――他社に先んじてIペースを市販に移せた要因は?

「真っ先に出せた理由はわたしにもわかりません。どこもやっていることですからね」

「ただ、(前JLR技術責任者の)ウォルフガング・ジーバート博士らのような、強靱な意志の持ち主に恵まれたことはひとついえると思います。彼はわれわれに、正しいことなのだから何としても進めるべきだといったのです」

「それで社内はがぜん勢いづきました。英国ではハードルが高いとおもわれた技術的挑戦に全社をあげて取り組む原動力になったのです。そういう挑戦はわれわれも望むところです」

――開発に要した時間は?

「3年前に立ち上がったX590という計画がはじまりでした。ジーバート博士のかかげた骨子は『ジャガー最高のEVをつくる』というものでした」

「その後、目標は『世界一のEV』に変わりました。さらに計画自体ももともとは単なる先行研究でしたが、課題をひとつひとつ解決していくうちに1台のクルマとして現実のものになったのです」

――Iペースのモデルライフにおける進化の見通しは?

「つねに内容は更新していく予定です。造る側としては、つねにクルマを時流に合わせる必要があります。おおくのクルマはあっという間に陳腐化してしまいますが、いまやわれわれには無線アップデートという技があります」

「EVは無線通信でアップデートできますから、買ってもすぐに時代遅れになってしまうという心配は無用です」

どのようにIペースは展開拡大する?

――Iペースの派生版を出す構想は?

「そもそも、EV購買層の考え方はまるでことなります。クルマの速い遅いよりも、ライフスタイルに合うかどうかのほうが重要なのです」

「出力そのものはたいして問題ではないのです。もちろんパワーアップも可能ですが、そうしたところで乗ってみてもたいした変化は感じられないと思います」

――モデル展開はのちのち増える見こみですか? または単一モデルで乗り切るのでしょうか?

「Iペースはソフトウェアで進化をつづけるわけですから、ただのお仕着せの単一モデルではありません。ジャガーが胸を張ってお送りするすぐれたクルマですし、これから開発していく新技術も適用していきます」

――Iペースがほかのジャガー車にあたえる影響は?

「思考様式とほかのEVへの両方においてですね。物事を前に進める原動力になってくれるでしょう。ジャガー内部でいまなにをすべきかは承知していますが、Iペースはわれわれの考え方に示唆を与えてくれるように思います」

「1台のEVを仕上げるやり方についてはひと通り学んできましたし、それはわれわれにとっても大きな力です。思考様式が変わったことで、将来の会社のあり方も望ましいものになるでしょう」

「EVをめぐってはまだまだいろいろな動きがありますし、JLRでも技術陣一丸となって精力的に可能性をさぐっています」

ジャガー、ゆくゆくはEV専業メーカーに?

――話は飛躍しますが、ゆくゆくはジャガーがEV専業メーカーになる見通しはありますか?

「個人的には、わからないですね。ただ、Iペースの開発は将来の行く先をさぐるいい機会です。現時点では、EV開発は会社にとってもよかったといえるでしょう」

――ジャガーの歴史において、Iペースの位置づけはどうなると予想されますか?

「ジャガー車の変革期と位置づけられるでしょうね。わたしはもう引退後の生活を考えていますが、後になって『わたしは歴史が動くその場にいたんだ』と感じるでしょうね」

「Fペースが試合の流れを変えたとすれば、Iペースはもはやべつの競技です。Iペースを振りかえって、それはジャガーがまったく考え方を変えて新しいことをはじめたときだった、と言われたらいいですね」

――最後に、ひと言お願いします。

「われわれは何がなんでも前へ進まねばなりませんし、その理念のもとで全社一丸となっています。これまでの開発で解決してきた課題と得た教訓をもとに、将来へむけて邁進していきます」

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
乗りものニュース
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
レスポンス
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
VAGUE
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
GQ JAPAN
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1517.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

289.0898.0万円

中古車を検索
I-PACEの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1517.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

289.0898.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村