9月5日(木)から8日(日)にかけて、2024年WRC世界ラリー選手権の第10戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』がヨーロッパ・ギリシャの首都ラミアを中心に開催される。
今大会は、これまでポーランド、ラトビア、フィンランドと3戦続いたグラベル(未舗装路)ラリーとは異なり、山岳地帯を中心にラフグラベルを走り抜ける過酷なラウンドだ。そんな第10戦ギリシャを前に、各陣営からドライバーたちの声が届いている。
WRCギリシャは随一のタフラウンドに。耐久力は「我々の強み」とトヨタのラトバラ代表は自信
■Mスポーツ・フォードWRT
●アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)
「サマーブレイクが終わり、シーズンに戻ってこられてうれしい。ギリシャは厳しくてタフなイベントであることは分かっている。いつもとても暑く、路面は荒れているからね」
「ギリシャは、僕たちが最近走ったフィンランドやラトビアでのラリーに比べるとかなり速度が遅い。でも僕たちは充実したテスト日を持つことができたので、今は可能な限りのベストリザルトを出したいと考えている」
「このマシンが以前ここで競争力を発揮したことは分かっている。チャンピオンシップで勝利を争い続けるために、多くのポイントを獲得する必要があるね」
●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)
「ギリシャは、すでに2回出場したイベントなので、楽しみにしている。昨年はフィエスタで好成績を収め、WRC2で5位につけ、チャレンジャーカテゴリーで優勝した」
「これはクルーとマシンにとって要求の厳しいイベントだ。荒れたセクションでマシンをプッシュし、管理の適切なバランスを見つけることが重要なので、僕たちにぴったりのイベントだ。今週末は雨が降る予報はないが、ギリシャはいつも少し予測できないところがあるので、どうなるか楽しみだよ」
●ジョルダン・セルデリディス(#19 フォード・プーマ・ラリー1)
「僕にとってはホームラリーだ。出場する72人のなかで、僕は最年長ドライバーのようだが、それでも進歩を見せてギリシャカップで優勝を目指して戦うつもりだ。早くスタートしたくて、金曜日の朝が待ちきれないね」
■ヒョンデ・シェル・モービスWRT
●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)
「アクロポリス・ラリーは非常に手強い、長いイベントだ。走行中は、暑さと地形の荒さにかなり苦戦することがある」
「ステージはつねに変化するので、週末を通してさまざまな形状に遭遇するだろうが、僕はこのラリーをとても楽しみにしているよ。タイヤとマシンの管理の難易度が高いところが好きで、道路も僕たちが通常の週末に見るものとはかなり違っているんだ」
「力強い週末にするには、マシンのセットアップから生み出されるパフォーマンス、精度、保護をうまく組み合わせる必要があるだろう。またタイヤをできる限り保護するためには、強力なリムも必要なんだ」
「僕たちはまだチャンピオンシップ争いをリードしているので、プッシュしすぎて週末全体を危険にさらすことなく、できるだけ多くのポイントを獲得することが重要だと思う。僕たちのマシンは強力で、ギリシャではいつも良いパフォーマンスを発揮するので、今年も同じ結果を出せるよう期待している」
●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)
「アクロポリス・ラリーの地形は素晴らしい。道路はポルトガルやサルディニア(イタリア)よりも広く、路面は荒れていて低速だが、このマシンはこれまでもそのような状況で優れたパフォーマンスを発揮してきた」
「これはドライバーとして楽しめるイベントだが、荒れたグラベルなので、マシンとクルーの両方にとってループがかなり過酷になる可能性がある。良いリズムを得るには、適切に調整されたマシンが必要だ。走行中の感覚が良ければ良いほど、優れた仕事がしやすくなるからだ」
「限界を感じながらも、信頼できるようになる必要がある。マルティン(・ヤルヴェオヤ/コドライバー)と僕は、チームと自分たちがチャンピオンシップ争いを続けられるよう、力強い結果を出すことを間違いないく楽しみにしている」
●ダニ・ソルド(#6 ヒョンデi20 Nラリー1)
「アクロポリス・ラリーに向けて大きな自信を持っている。事前テスト中にマシンに乗る貴重な時間を持つことができ、過去にもここでよい結果を収めてきた」
「暑さと路面状況はパフォーマンスに大きく影響するので、これまでの荒れたグラベルイベントでの走行方法とは異なるセットアップが必要になるだろう。車高をより高くすることは、ステージを生き残り、大きな岩や隠れた轍、あるいはその両方にぶつかって早期リタイアとなることを避けるために重要だ」
「3つの選手権はどれも接戦なので、チームを助けるためにできることは何でもする必要があることは分かっている。ギリシャでは可能な限り最高の成績を収めたいと考えている」
■TOYOTA GAZOO Racing WRT
●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「アクロポリス・ラリーは、我々のこのスポーツの歴史において伝説的なイベントのひとつで、私はギリシャを訪れるのが大好きなので、今年もまたチームとともに出場しようと計画を立てていた」
「私はキャリアの初期に一度このラリーで優勝したが、その後何年もWRCのカレンダーに含まれなかったので、今回ふたたび勝利を収めることができたら素晴らしいと思う。昨年は、荒れたコンディションのなか、かなりアンラッキーな状況に遭遇するまではトップを走っていた」
「トラブルを避けるには、運も味方につける必要があるラリーだ。いつも通り、上位でのフィニッシュと、最大ポイントの獲得を目指して戦うよ」
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「アクロポリスは、タフなコンディションが予想されるラリーだが、それでもペースがかなり速いことも特徴だ。長い一日を含む一週間なので、耐久力が求められるうえ、気温がかなり高くなる可能性もある」
「昨年は土曜日にクルマにダメージを負ってしまったが、何とか表彰台までたどり着く経験をした。今回もいつも通り全力を尽くして臨み、可能な限りベストな成績を目指すよ」
「前戦のフィンランドは、まずまずのスタートを切ったものの、明らかに計画通りにいかなかった。しかし、少なくともギリシャは、今年ここまでのグラベルラリーではおそらく自分たちにとってベストな出走順になるはずなので、それを最大限に活かす必要があるだろう」
●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「ステージがかなり荒れたり、滑りやすくなることもあるなど、ギリシャはもっともトリッキーなラリーのひとつです」
「ドライバーとしては、いつも通り全力を尽くすのは当然ですが、それと同時にクルマとタイヤのマネジメントも重要です。直近の3戦とは異なるチャレンジになるので、考え方を変えて臨む必要がありますが、先週は実りあるテストができたので、ラリーに対しては良いフィーリングを持っています」
「昨年は、パンクをするまでは順調でしたが、このようなラリーではそういったことも起こり得るので、トラブルやミスを避けることに集中し、自分たちの戦略を遂行することができたならば、きっと最後に良いリザルトを得られると思っています」
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