グループPSAジャパンは2022年1月7日、Cセグメント ハッチバックの新型シトロエン「C4」、「E-C4エレクトリック」を発表し1月22日から発売を開始する。
フルモデルチェンジされた新型C4は、独創的なコンセプトとデザイン、圧倒的な快適性、シトロエン初の電気自動車と内燃エンジン車を選択できる「パワーofチョイス」をコンセプトにしている。
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新型C4をプレゼンテーションしたポンタス・ヘグストロム日本法人社長新型C4は、C4としては3代目となるが、歴史的には1928年のC4、戦後のAMI 6(1961年)、GS(1970年)など歴代のCセグメントの伝統を受け継ぐモデルであり、現在のシトロエンのトップカテゴリーというポジションにもなっている。
そして新型C4はシトロエンらしく、どのCセグメントのクルマにも似ていない、独創でフランス的な美を追求したデザインと革新的なパッケージングを採用し、一般的なCセグメント ハッチバックという疑念を越えるクロスオーバーともいえる。
C4SHINEグレードは、1.2Lピュアテック、1.5ブルーHDiのいずれにもフル装備の「SHINE」が設定され、そしてBEVのE-C4がある。
新型C4はPSAグループが過渡期の戦略的なプラットフォームと位置付けるCMPを採用しているため、パワーユニットは、1.2Lターボのピュアテックガソリンエンジン、1.5LのブルーHDiディーゼルエンジン、そして50kWhのリチウムイオンバッテリー/モーターによるBEVを展開し、ユーザーにパワーユニットの選択の自由を訴求している。
デザインとパッケージング
新型C4のデザインは、2020年に50周年を迎えたシトロエンGS/GSAへのオマージュを込めたもので、他のCセグメント ハッチバックとは違って傾斜したリヤウィンドウ、ロングルーフで、まるでクーペのようなボディフォルムだ。
デザイン要素は、2016年のパリモーターショーで発表されたコンセプトカー「Cエキスペリエンス」を忠実に落とし込んでおり、Cセグメントとは思えない強い存在感、曲面を多用したエレガントなセンスを量産モデルに実現している。
新型C4のデザインベースになったコンセプトカー「Cエキスペリエンス」またボディフォルムが美しいだけではなく、空力的にも洗練され、トップレベルのエアロダイナミクス性能も実現している。
プラットフォームはPSAグループのCMPロングを採用し、ボディサイズは全長4375mm、全幅1800mm、全高1530mm、ホイールベース2665mmとグローバルCセグメントにきちんと収まるサイズになっている。フォルクスワーゲン ゴルフと比べホイールベースが40mmほど長く、全高が55mm高いのがポイントだ。
さらに、新型C4が独自の存在感を放つのは、最低地上高が170mm、装着タイヤが195/60R18いう大きなタイヤ外径となっていることで、こうした点にクロスオーバー的な要素が盛り込まれているのだ。
インテリアも独創性を追求するとともにドライバー、同乗者に平等な移動の喜びとリビングのような居心地の良さ、くつろぎの空間を目指している。つまりこれまでのシトロエンの思想であるアドバンスド・コンフォート・プログラムと新世代デザインの融合である。
インスツルメントパネルは横方向の広がり感を強調する水平基調とし、センター部に10インチのタッチスクリーン・インフォテイメント・ディスプレイを搭載。その下にエアアウトレット、さらにその下にはダイヤルと押しボタン式の物理的な空調コントロールを設け、運転中の操作性を向上するなど、タッチパネルと物理スイッチの機能の切り分けを行なうことで優れた操作性を実現している。
メーター部は5.5インチのデジタルメーターパネルとポップアップ式のカラーヘッドアップディスプレイを装備。またレーンポジショニングアシスト、アクティブクルーズコントロールなどの操作はロジックを変更し、ステアリングホイール左部に集約。シフトセレクターはクロームで仕上げたトグルスイッチ式を新採用し、指先の軽いタッチで操作が可能となっている。
シートはもちろんアドバンスド・コンフォート・シートで、クラスの平均より大きなサイズでソフトなタッチに仕上げられている。さらに、シートクッションには15mm厚の超高密度ウレタンを採用し、上半身のホールド性、快適なクッション性、微振動の吸収などより高いレベルのシートになっている。SHINEグレードは運転席の高さとバックレスト角度の電動調整、フロントシート電動ランバーサポートとシートヒーターを備えている。
洗練されたデザインのトグルスイッチ式ギヤセレクターリヤシートにも優れた座り心地を提供。クーペ風ボディでありながら十分なヘッドクリアランスを確保するとともに、クラス最長レベルの足元スペースを生み出し、優れた居住性を実現している。
リヤシートの足元スペースはクラス最大ラゲッジ容量は380Lで、リヤシートを畳めば1250Lとなる。またリヤゲート開口部は方形で、内部がフラットになっているため積載性にも優れている。なおBEVのE-C4でも積載性はほぼ同等になっている。
パワーユニット
新型C4は、3種類のパワーユニットがラインアップされている。1.2Lターボのピュアテック3気筒ガソリンエンジンは130ps/230Nm、1.5Lの4気筒ブルーHDiディーゼルエンジンは130ps/300Nmを発生。いずれも8速ATを組み合わせて搭載している。そしてE-C4は100kW(136ps)/260Nmの駆動モーターを搭載するBEVだ。いずれのモデルもFF駆動となっている。
1.2Lの3気筒ピュアテック・ターボエンジン1.2Lのピュアテックガソリンエンジンは、250バールの高圧燃料噴射システム、ウエストゲートバルブの電子制御化、GPF(ガソリン・パーティクル・フィルター)などのテクノロジーを採用。3気筒エンジンは伸びやかなフィーリングと低速域からの力強いトルクを生み出し、さらにEURO6.3対応の高い環境性能を備えている。燃費は17.7km/L(WLTC)。
販売の中心となる1.5LのブルーHDiディーゼルエンジンディーゼルは定評の1.5LブルーHDiディーゼルターボだ。最高出力130ps、最大トルク300Nmを1750rpmという低回転域で発揮する力強いトルクと加速が持ち味だ。
1.5LブルーHDiディーゼルターボエンジンには、200以上もの特許技術が採用されており、DOHC16バルブヘッドに酸化触媒、SCR(選択還元触媒)、DPF(微粒子フィルター)を同一ユニットにまとめることで排気ガス処理の効率を大幅にアップ。最新の欧州排出ガス規制のEURO6.3をクリアしている。燃費は22.6km/L(WLTC)。
E-C4の電気駆動システム
E-C4の50kWhバッテリーパックは、液冷ヒートポンプで充放電時のバッテリー温度の管理と最適化を行なっている。一個当たり約13.1kgのモジュールを18個組み合わせ、総体積約220L、重量約350kgのこのバッテリーパックは、一般的なEVプラットフォームと異なり、フロントシート座面下、リヤシート座面下、センターコンソールなど車体を上から見たときにH型に重量配分をしているのが特長だ。その結果、内燃エンジンモデルと変わらない室内容量とスペースを確保している。
また電動モーターならではのデリケートなアクセル操作にも追従する特性と電動走行ならではのリニアな加速を実現。さらに電費効率を大幅に向上させたことで、航続距離はWLTCモードで405km、JC08モードで459kmとなっている。動力性能は0-100km/hが9.7秒、最高速度は150km/hだ。
E-C4は、3種類のドライブモードが選択できモーター出力はノーマルモードでは80kW/220Nm、エコモードでは60kW/180Nm、スポーツモードでは100kW/260Nmに設定される。
また、回生ブレーキは普通のエンジンブレーキ、アクセルオフの挙動を再現する自然な走行感のDモード、アクセルペダルの戻し方だけでより積極的に減速回生をコントロールするBモードが設定されている。
充電は、自宅では付属の充電ケーブルを使用するコンセントタイプ(200V/3kW:満充電まで約18時間/50km走行分で約3時間)、ウォールボックスタイプ(200V/6kW:満充電まで約9時間/50km走行分で約1.5時間)の普通充電に対応。急速充電は20kW~50kW出力のCHAdeMO規格荷対応しており、約50分で80%の充電が可能だ。
シャシー
新型C4は、走り、快適な乗り心地にも強いこだわりを持っている。伝説のハイドロニューマチック サスペンションを念頭に置いて開発したプログレッシブ・ハイドロリック・クッション(HPC)の4輪装備はその象徴だ。
HPCダンパーHPCは、純メカニカルで、ダンパーinダンパー構造だ。通常のツインチューブダンパーの構造に第2のダンパーシリンダーが内蔵され、このセカンダリーシリンダーには複数のポートが開けられており、その内径にあったセカンダリーピストンを配置している。
サスペンションストロークが進むとこのセカンダリーピストンがシリンダーに入り込みハイドローリックバンプストップとして作用する、いわゆる位置依存型(ポジション・センシティブ)ダンパーだ。
これにより、サスペンションが小さく細かく動く状況や、サスペンションのストロークスピードが低い状況では、減衰力が低く抑えられ、きわめてソフトでスムースな乗り心地が提供できる。
一方でサスペンションが大きく動く状況では、セカンダリーピストンとシリンダーが産み出す減衰力で衝撃をスムースに吸収し、大きな凹凸でも底付き感のない懐の深いフィーリングを生み出すことができる。
これにより、魔法の絨毯のような乗り心地を生み出しているのだ。なお、E-C4はフロントは伸圧側の両方にセカンダリーダンパーによるハイドローリックストップを内蔵し、リヤは圧側のみに備えている。
サスペンションはフロントがストラット式、リヤはトーションビーム式で、車両重量が約300kg重いE-C4はリヤにパナールロッドも装備している。
運転支援システムと安全装備
運転支援システムは、シトロエンの最新システムを搭載する。アクティブクルーズコントロールは設定した速度を自動で維持し、前走車がいる場合はその速度と距離を検知し、自動制御で適切な間隔を約30km/h~180km/hの速度域で保持する。
また、トラフィックジャムアシストは、アクティブクルーズコントロール作動中に、渋滞などで前走車が停車した場合は適切な距離を保ちつつ完全停止と3秒以内の再発進が可能。3秒以上経過した場合は、スイッチもしくはアクセル操作で再発進し、設定速度まで回復する。
レーンポジショニングアシストは、車線内の任意の位置を指定して走行が可能なのが特長だ。これはドライバーの好みに応じて車線のやや左側、右側をキープすることができる。
アクティブセーフティブレーキの作動範囲は約7km/h~140km/h、約80km/h以下では停止車両を、約60km/h以下では歩行者も検知し、衝突事故などの危険を回避、もしくは衝突の被害を軽減。
また二次的な衝突リスクを低減するポストコリジョンセーフティブレーキ/ディスタントアラートも初装備している。ポストコリジョンセーフティブレーキは、エアバッグやシートベルトプリテンショナーが作動すると自動的にブレーキをかけ、二次的な衝突リスクを軽減する機能。また約30km/h以上の走行時にフロントレーダーにより前走車との距離を検知し、ドライバーに視覚と音による警告で注意を促すディスタンスアラートも備わっている。
その他にバックカメラ、インテリジェントハイビーム、フロント&バックソナー、コーナリングランプ、プロシキミティスマートキー、ブラインドスポットモニター、ドライバーアテンションアラートも装備。
装備
インフォテイメント・ディスプレイはディスプレイ・オーディオ、車両情報・設定の機能を持ち、さらにスマートフォンを接続することで、Apple Carplay、Aodroid Autoを活用できる。
助手席側インスツルメントパネルにタブレットを設置できるまたユニークな装備として、助手席側のダッシュボードには、シトロエン・スマートパッドサポートを装備している。
これはダッシュボードにタブレット端末を固定するスタンドを設置し、オプションの専用ホルダーに入れたタブレット端末を走行中でも安全・快適に操作することができるというもの。助手席の同乗者に使い慣れたタブレット端末でドライブの時間をさらに快適にしてもらうための装備だ。クルマを離れる際などにタブレット端末を収納するドロワーもグローブボックスに備わっている。
新型C4/E-C4は、価格的にも同クラスの日本車と同等レベルで、圧倒的ともいえるデザイン、存在感、卓越した乗り心地や居住快適性など、Cセグメントに大きなインパクトを与える、注目のクルマだ。
シトロエン C4 諸元表.pdf ダウンロード価格
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