SUV人気に押されてワゴン車の選択肢が激減しているが、そんな中でも存在感を発揮しているのがスバルレヴォーグとトヨタカローラツーリングだ。個性的なスタイリングとワゴンならではの優れたハンドリングがその魅力となっている。そんな甲乙つけがたい2台の魅力に迫る!
文/斎藤聡、写真/ベストカー編集部
やっぱりワゴンがいいのよね! ワゴン最後の雄はレヴォーグかカローラか?
■SUVに人気が集中する中で気を吐くワゴン
トヨタカローラツーリングは未来的なフロントマスクのデザインと流麗なフォルムが人気だ
いま人気にあるワゴンと言ったら、レヴォーグとカローラツーリングでしょうか。SUV人気に押されているということもあるのでしょうが、ワゴンの人気はいまひとつパッとしません。そんな中で気を吐く2台のワゴンが、レヴォーグとカローラツーリングです。
レヴォーグは、レガシィが培ってきたワゴンの魅力を継承する日本のワゴンの定番ともいえる存在です。これに対してカローラツーリングは、現行カローラの大復活とともに人気を集めた新進のワゴンです。
もちろんカローラにはなが~い歴史があって、そのルーツをたどれば1966年発売のカローラバンにまで遡るわけですから決して新進などと言える存在ではないのですが……。
実際カローラはかつて大衆車、ファミリーカーとして人気を博し、長く日本のモーターリゼーションをけん引する一台だったのです。けれどもハイブリッド車の台頭で主役が代り、徐々に存在感を薄くしていったのでした。
そんなカローラでしたが2019年に登場した12代目で、再び人気を博しトップ戦線に返り咲きます。
シリーズの販売台数は、2020年から2022年まで13万台→12万台→13万台と好調。しかもその中の約4割がカローラツーリングだというのですから、無視できません。
そんな具合に驚きの復活劇を遂げ絶好調のカローラツーリングと、定番ワゴンともいえるレヴォーグについて、もう少し深く掘り下げながらその魅力について考察してみたいと思います。
■国内向けの魅力的なサイズと安全装備の充実
スバルのスポーティワゴン人気をけん引するのがレヴォーグだ
まずはカローラツーリングですが、その魅力はどこにあるのかというと、一つは欧州向けモデルと同じGA-Cプラットフォームを採用しながらボディは国内線用設計とした日本市場向けモデルであることが挙げられます。
街中や郊外を走らせた時のちょうどいい大きさ“ジャストサイズ感”は大きな魅力です。ワゴンということから少なからず機能性が求められるクルマだけに重要なポイントと言えます。
この点はレヴォーグも同様で、こちらはその出自からしてサイズ感ありきのワゴンだったわけです。北米市場に照準を定め大きくなったレガシィに代わる日本のワゴンとして造られたのがレヴォーグでした。
プラットフォームはSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)で、サイズ感としてはインプレッサと共通サイズとなります。と言っても実際のサイズは人気を博した4代目レガシィ(BP/BL)よりも、むしろ大きくなったといわれた5代目(BM/BR)に近いボディサイズです。
レヴォーグのほうが一回り小さな印象があるのですが、BM/BLレガシイは大きく見せることがデザインの課題であったのに対し、レヴォーグはスマートに見せるデザインだったため印象が異なるのでしょう。スマートに見えて案外どっしり感があって存在感があるのはこのボディサイズから来ているのでしょう。
レヴォーグは、先進安全運転支援システムの最高峰ともいえるアイサイトXを搭載している(搭載車を設定)ことでも知られており、魅力の一つになっています。
これは「ぶつからないクルマ=アイサイト」の進化バージョンで、レーンキープアシストや前走車追従走行に加え高速道路で渋滞などで50km/h以下になったときにハンズフリー運転ができるというものです。高速巡航中はできないのですが、ロングドライブでの疲労を軽減してくれる機能です。
カローラツーリングにはそうした高度運転支援機能は装備されていませんが、昨年2022年10月のマイナーチェンジで運転支援機能である「トヨタセーフティセンス」が進化して、交差点右折時の対向車や歩行者の検知しブレーキやステアリングをサポートするプロアクティブドライビングアシストを追加しました。
更にソフトウエアのアップデートにも対応して、すでに購入後のクルマでも運転支援機能を最新のものにできるようになりました。ハンズフリーのような飛び道具(?)的な機能はありませんが、うっかりミスを大幅に低減してくれる頼もしい機能が盛り込まれています。
■走りを決定づける4WD性能
スバルのシンメトリカルAWDが高いハンドリング性能を実現する
走りの性能についてですが、やはりレヴォーグの走りの良さが光ります。全車4WDで、1.8LはアクティブトルクスプリットAWD、2.4LはVDT-AWDを採用しています。アクティブトルクスプリットAWDは基本トルク配分前60対後40から50対50まで可変する電子制御式(多板クラッチ式)の4WDシステムです。
VDT-AWDは前後駆動配分を45対55としたセンターデフ式の4WDシステムです。
厳密にいうとVDT-AWDのほうがやや曲がりやすく、アクティブトルクスプリットAWDのほうが安定志向ですが、限界近くまで攻めたときの話で、スポーティドライブレベルでは安定感、安心感があるのに素直に曲がってくれる自然な操縦感覚にほとんど差は感じられません。
興味深いのは氷上で走らせた時もVDT-AWDのほうがいくらかノーズの動きに軽さが感じあられる程度で基本の乗り味に変わりがないことです。このあたりの造り込みの巧さに長く4WDを作ってきたスバルの懐の深さを感じます。
カローラツーリングは1.8Lガソリン、1.2Lガソリンターボ、1.8Lハイブリッドがあり、ハイブリッドにはFFのほか後輪をモーターで駆動する4WDも用意されています。
軽快・機敏な操縦性がカローラシリーズの基本的な素性で、よく曲がる印象があります。ツーリングはリヤセクションが重いぶん姉妹車のカローラスポーツより曲がりたがる傾向が抑えられており、うまい具合に落ち着きを感じさせる乗り味になっています。
4WDは、昨年のマイナーチェンジでリヤモーター駆動の介入タイミングが若干変わったのか、後輪の駆動力が欲しい場面で従来よりも若干早いタイミングで駆動力がかかるようで、氷雪上でも無駄なホイールスピンが入りにくくなり、ぐっと安定感とトラクション性が増しました。
操縦性はよく曲がるカローラの性格が良い意味で生かされていて、スイスイ気持ちよく曲がる4WDになっています。雪上だとグリップ限界近いところでちょっとだけノーズが内側を向きたがるような仕草を見せることがありますが、無視できるレベルです。
ただスポーツ性という視点で見ると、常時駆動し、かつ前後の駆動輪がギヤでつながっているレヴォーグのほうがスポーツ性が高く走りの性能にこだわる人向きのセッティングになっていると思います。
カローラツーリングは、軽快で小気味よいスポーティさを持っており、誰が乗っても軽快な走りが楽しめると言う点で間口の広いクルマに仕上がっていると思います。これはAWDも同様で、4WDの重さ、鈍さを感じさせないリヤモーター駆動ならではの軽快感があります。
4WDの操縦性について言えば、レヴォーグが中上級者でもしっくりくる操縦性があり、カローラツーリングは初中級者が乗って楽しい操縦性になっていると言えると思います。
2台の人気ツーリングワゴンを比べてみましたが、どちらが優れているということではなく、操縦性に差があるとしたらそれはターゲットユーザーの違いということでしょう。いずれも軽快でスポーティで走る楽しさを持ったワゴンに仕上がっていて、カローラツーリングのほうがより間口が広く、レヴォーグは奥行きがあるといった違いだと思います。
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