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ブレーキから“キーキー”音がするけれど、大丈夫!?

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ブレーキから“キーキー”音がするけれど、大丈夫!?

ブレーキパッドが完全摩耗していたら一大事!!

 近年のバイクの多くが装備している油圧式ディスクブレーキでは、レバーやペダルを操作してブレーキをかけた時に、ディスクローターの辺りから“キーッ”と音がすることがあります。これは何らかのトラブルなのでしょうか? ブレーキは安全に大きく影響する重要な保安部品なだけに、気になるところです。

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 ブレーキをかけた際のディスクローター付近から鳴る音は、いくつか原因が考えられます。中でも絶対に放置してはいけない重大なトラブルが、「ブレーキバッドが完全に摩耗した状態」です。

 油圧式ディスクブレーキは、ディスクローターにブレーキパッドを押し付けた摩擦によって制動力を生み出しますが、ブレーキパッドは摩擦によって少しずつ削れて減っていきます(厳密にはディスクローターもごく僅かに削れる)。

 ブレーキパッドは金属の板に摩擦材が貼り付けられており、その摩擦材が完全に摩耗して無くなってしまうと、ブレーキをかけた際にパッドの金属の板が直接ディスクローターと接触してしまいます。すると“ギーッ”とか“ジャーッ”という感じの、いかにも金属同士が引き摺る(引っ掻く)ような、嫌な音がします。

 ブレーキキャリパーを覗いてブレーキパッドをチェックし、パッドの摩擦材が完全に摩耗していたら、音の原因はまず間違いなくコレでしょう。

 もしブレーキパッドが完全に摩耗している場合は、直ちにパッドを交換する必要があります。というか、この状態で走ってブレーキをかけると、ディスクローターが削れて傷つき、最悪の場合はパッドの金属板とディスクローターが焼き付いてブレーキがロックする危険もあるので、絶対に乗ってはいけません。まずはバイクショップに連絡して、対処(引き取りに来てもらうなど)を相談しましょう。

 そして、こんな状態にならないように、ブレーキパッドの残量は日常的にチェックしましょう。ちなみにパッドの残量は最低でも1mm、できれば2mmの段階での交換を推奨します。

パッドが摩耗した「お知らせ音」の場合もアリ

 じつは、パッドの残量が残り僅かということを、敢えて“音で知らせる”タイプのブレーキパッドもあります。これは「パッドウェアインジケーター」と呼ばれ、ブレーキパッドの金属の板の隅が僅かに盛り上がった形状になっていて、パッドの摩擦材が摩耗で薄くなると、その盛り上がった部分がディスクローターと擦れ合うことで“シャーッ”とか“キーッ”といった金属音を発します。

 このパッドウェアインジケーターが“キーキー音”を発した場合も、直ちにブレーキパッドの交換が必須です。そのまま乗り続けると、けっこう短期間で摩擦材が完全に摩耗して無くなり、最終的にはディスクローターが削れてしまいます。

振動で響くのは「鳴き」

 じつは、ブレーキパッドの残量が十分でも、ブレーキから音がすることがあります。金属を引っ掻く音というよりは、“キィーン”とか“コーッ”と鳴り響く感じで、この症状を「ブレーキの鳴き(なき)」と呼んでいます。これはブレーキパッドがディスクローターに押し付けられた時の振動によって発生する共振音です。

 ちなみにこのブレーキの鳴きの場合は、ブレーキの効き具合など性能自体にはほとんど影響しないので、あまり神経質になる必要は無いでしょう。

 とはいえブレーキ操作のたびに鳴くのは不快です。そのため摩擦材に振動を防ぐ溝を入れたブレーキパッドもありますが、泥やブレーキダストで溝が埋まってしまうと効果がありません。そんな場合は溝を掃除したり、パッドの背板に「カッパーグリス」を少量塗布すると効果的です。

 しかしこれらの作業はブレーキキャリパーからブレーキパッドを外す必要があり、車種によってはブレーキキャリパーをフロントフォーク等から外さないと作業できない場合もあるので、少々ハードルが高いかもしれません。作業の知識や経験、工具やカッパーグリスも必要なので、バイクショップに依頼する方が得策かもしれません。

 また、キーキー音がブレーキパッドの「完全摩耗」によるものか、それとも振動による「鳴き」なのかを正しく判断できず、「多分大丈夫だろう……」で乗り続けることはたいへん危険です。ブレーキまわりからの異音を確認したら、まずはバイクショップに相談すると間違いないでしょう。

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