F1に参戦している全チームは、FIAやF1側と商業権やガバナンスに関する取り決める新たなコンコルド協定に合意。これにより、各チームは今後5年間に渡ってF1に継続参戦する義務が生じた。
ハースF1チームのオーナーであるジーン・ハースは3月、新たなコンコルド協定への署名を前に、F1からの撤退をほのめかしていた。彼は、F1活動を継続するかどうかはシーズン序盤のチームのパフォーマンスを見て決めると語っていたのだ。
■F1参戦全10チームが、2021年から施行の新たなコンコルド協定に合意
しかしコロナ禍の影響で開幕が遅れたシーズン序盤、ハースは苦戦。ケビン・マグヌッセンがハンガリーGPで1ポイントを獲得した以外に結果を残せていないが、コンコルド協定に署名したことによりF1参戦を続けることが決まった。
チーム代表のギュンター・シュタイナーによると、F1のコストはハースのようなプライベーターにとって依然として高額であるものの、予算上限の導入や商業権収入がより公平に支払われるようになるため、F1参戦継続は理に適った判断だと語った。
「ジーンも、彼のブランドであるハース・オートメーションの名前を世界中に広める上で、F1が非常に優れたツールだと考えていると思う
「財政的な負担が大きい活動だとしても、新しいレギュレーションが導入されることでより平等な競争の場が生まれ、小規模チームにとっては商業的な権利もより良くなるはずだ。その結果、彼は参戦を続けることにしたんだ」
「現時点で我々は競争力がないが、F1チームとして機能している。私もチームの一員であり、みんなが団結して働いている。結局のところ、ジーンはチームを信じている。誰もが、コンコルド協定に合意したことでこれから前進していけると確信している」
シュタイナーは、財政面に関連する変更が小規模チームをすぐに助けることができるとは期待していないが、長期的にはチャンスが訪れると考えている。
「予算制限は競争条件をより平等なものにするだろう。1年目はおそらくそうはならないが、中期的には間違いなくそうなるだろう」
「分配金の支払いがより均等になることで、小規模チームの収入が少し増えることになる。どちらにしろ小規模チームにとって十分な額ではない。しかしそれは平等化と、いつでも誰でも勝てる可能性があるスポーツになるという目的を達成するためには、そうする必要がある」
「それが実現するまでは少し時間がかかるが、F1は正しい方向に進んでいる。時代は変化し、リバティ・メディアはその時代に適応している。彼らは必要な時に変更を加えるという、素晴らしい仕事をしたと思う。それは数年前に必要なことだったかもしれないが、実現しないよりもマシだ」
一方、今季の開発にお金を費やさないというハースの方針には変更はないという。ハースは予算について確信が持てるようになるまで、あらゆる開発作業を延期して今季を迎えた。
「それが我々の計画だ。今のクルマであるVF-20を理解し、問題を解決してより良い形で2021年を迎えられるよう試みている」
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