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ヤマハがフォーミュラEへの参入を発表。ローラとの提携でパワートレイン・マニュファクチャラーとしての活動を開始

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ヤマハがフォーミュラEへの参入を発表。ローラとの提携でパワートレイン・マニュファクチャラーとしての活動を開始

 3月28日、ヤマハ発動機株式会社はABB FIAフォーミュラE世界選手権にパワートレイン・マニュファクチャラーとしての活動を行っていくことを発表。名門レーシングカーマニュラクチャラーのローラ・カーズとテクニカルパートナーシップ契約を締結したことを明らかにした。

 日本初開催の東京E-Prixの開幕をまえに、ヤマハとローラ・カーズが記者会見を開き、高性能電動パワートレイン開発・供給に関するテクニカルパートナーシップ契約を締結したことを発表した。なお会見には、フォーミュラE共同創設者でチーフチャンピオンシップオフィサーを務めるアルベルト・ロンゴ氏やフォーミュラEオペレーションリミテッドのジェフ・ドッズCEOも同席し、新たなチームの誕生を歓迎している。

ヤマハが東京オートサロンに初出展。他社と共同開発した3輪、4輪のEVプロトモデルを複数展示

 フォーミュラEは、世界初の全電動国際シングルシーターチャンピオンシップとして2011年ごろに構想が開始されたレース。ワンメイクのマシンに共通タイヤを履き、各メーカーが開発した電動パワートレインを搭載して戦っている。

 2014/2015年シーズンのシリーズ開始から10年を経た現在、フォーミュラEには6つのマニュファクチャラーと11のチームが参戦を行っているが、このなかに日本から新たな刺客が加わることになった。

 ヤマハは過去に、全日本F2選手権や全日本F3000選手権にエンジンコンストラクターとして参戦し、実績を積み上げたのちにモータースポーツの最高峰であるF1世界選手権にも1997年まで参戦を行っていた。

 近年には、高い自由度と汎用性を持つEVコンセプトモデルの開発や、水素エンジンの基礎研究を目的とした技術研究組合HySE(ハイドロゲン・スモールモビリティ&エンジン・テクノロジー)に所属するなど、二酸化炭素排出量を削減するためのサステナビリティに注目した開発を主なっている。

 その活動の一環として、電気自動車による世界最高峰の国際レースシリーズであるフォーミュラEへの参入が決定された。実際に来季から参戦が叶えば、1997年F1のアロウズ・ヤマハ以来28年ぶりの四輪世界選手権の挑戦となる。また日本からは現在、日産自動車が同シリーズに参戦を行っており、ヤマハが加わることになれば日本のメーカーとしては2社目となる。

 今回フォーミュラEへの参入を表明したヤマハは、イギリスの名門レーシングカーマニュラクチャラーであるローラ・カーズとタッグを組み、パワートレイン・マニュファクチャラーとしての活動を行うことを明らかにした。

 ヤマハがパワートレインを供給することになるローラ・カーズは、1958年にエリック・ブロードレイによって創設された最も古いレーシングカーマニュファクチャラーのひとつで、F1カスタマーカーやグループCマシンなどさまざまなカテゴリーのレーシングマシンを生み出してきたレーシングカーマニュラクチャラーだ。

 2012年には財政的な問題から経営破綻を起こし破産、5年後にはブロードレイの死去も重なるなど一時は苦境を迎えたが、経営を行政管理下に置いて過渡期を潜り抜け、2022年にニューヨークの投資会社のでCEOを務めるティル・ベヒトルスハイマーが買収。以降は、サーキットの復帰を目指して活動を続けてきた。

 2022年末には、過去にフォーミュラEに参戦を行っていたDSテチータのチームプリンシパルの経験を持つマーク・プレストンをモータースポーツディレクターに任命。そして今回、ローラ・カーズ再スタートの一歩目としてフォーミュラEへの参戦を目指す。

 今回誕生が決まった新たなチームのエントリー時期については2024/2025年シーズン11からとの見方が濃厚だが、レギュラードライバーについてや両企業がこれからどのように連携を取っていくのかなどのあらゆる点は、これから明かされていくことになるだろう。フォーミュラE初の日本開催を目前に控えたなか、ヤマハの四輪レースへの参入とローラ・カーズの復活、そしてフォーミュラEに新たな日本企業が参入するという点においても、嬉しいこと尽くしの吉報が届いた。フォーミュラEに日本から新たな風が吹く日が待ち遠しい限りだ。

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