フォーミュラE、シーズン5の第10戦ベルリンePrixの決勝レースが行われ、アルディのルーカス・ディ・グラッシが優勝を果たした。
スタートでは、ポールポジションのセバスチャン・ブエミ(日産・e.ダムス)がポジションをキープ。後続にも大きな混乱はなく、2番手にストフェル・バンドーン(HWA)、ディ・グラッシと続いた。
■フォーミュラEベルリン予選:日産ブエミ、0.4秒差の圧巻ポール。バンドーン2番手
ディ・グラッシは、スムーズにバンドーンをパスすると、そのままブエミに襲い掛かった。3周目のターン6でブエミのインに飛び込み、レース開始から7分経たずにディ・グラッシがトップに躍り出た。
その後、一時はディ・グラッシが1.5秒ほどまでリードを広げるも、ブエミは後ろに多数のマシンを引き連れながらも食い下がり、1秒前後の差を保って周回を重ねていった。
今回は、道幅の広いターン6のアウト側にアタックモードのアクティベーションゾーンが設置された関係で、各車が積極的に1回目のアタックモードを使用しバトルを繰り広げた。
21番手スタートから順位を上げていったアンドレ・ロッテラー(DSテチータ)も、15番手を走る10周目にアタックモードを起動。しかし前を走るジェローム・ダンブロジオ(マヒンドラ)も防御的にアタックモードを起動し、ポジションを守る場面もあった。
4番手スタートのゲイリー・パフェット(HWA)がズルズルとポジションを落としていく一方、8番グリッドスタートのポイントリーダー、ジャン-エリック・ベルニュ(DSテチータ)は、パフェットとのサイド・バイ・サイドのバトルを制し、ポジションを上げていった。
若干ペースが苦しいブエミは、アタックモードを起動したアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(BMWアンドレッティ)から徐々にプレッシャーをかけられるようになってしまう。19周目のターン6でインに飛び込まれオーバーテイクを許すが、そのままアウト側のラインを走り、アタックモードを起動。4番手のバンドーンもそれに追随するような形でアタックモードを起動した。
アタックモードでダ・コスタとのギャップを縮めたブエミは、ファンブーストを使って24周目のターン1でオーバーテイク。2番手を取り返した。
するとその直後、アレックス・リン(ジャガー)がマシンのトラブルによりホームストレートでストップ。再始動することができず、残り時間15分というタイミングでフルコースイエロー(FCY)が出された。
このFCY中に多くのマシンが2度目のアタックモードを起動。首位のディ・グラッシは、それを見て次の周にアタックモードを起動させた。
この結果、レースが再開された残り時間10分のタイミングで、ほとんどのマシンのアタックモードが終了。対してディ・グラッシはアタックモードが2分ほど残っており、出力が高い状態で後続を突き放しにかかった。
4秒弱ほどまでリードを広げたディ・グラッシに対し、2番手争いはブエミとダ・コスタ、ベルニュの三つ巴。中でも8番手から追い上げたベルニュは最も勢いが良く、29周目にダ・コスタをターン6でパスし、3番手に浮上した。
対して、ポイント獲得を伺う位置までポジションを上げていたアンドレ・ロッテラー(DSテチータ)は、バッテリーの問題でピットに戻り、28周を走ったところでレースをリタイアした。
ディ・グラッシは少しずつリードを吐き出しながら、エネルギーをマネジメント。危なげなくトップでチェッカーを受け今季2勝目。ランキングも2位に浮上した。
少しずつブエミとの差を詰めたベルニュは、ファイナルラップでブエミに仕掛けようとブレーキングでタイヤをロックさせる場面もあったが、オーバーテイクには至らなかった。それでも、3位でフィニッシュしたことで、チャンピオンシップのリードを6ポイントに広げた。
2位でフィニッシュしたブエミは、日産に初勝利を届けることはできなかったが、今季初表彰台獲得となった。
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