初のプラグイン・ハイブリッド車
text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
【画像】新型ヴァルハラ【ヴァルキリーやライバル車と写真で比較】 全141枚
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
アストン マーティンの新型ヴァルハラは、フェラーリSF90ストラダーレのライバルとなるミドエンジン・スーパーカーで、ハイブリッドのV8エンジンを搭載し、コンセプトカーのような外観とF1マシンにインスパイアされたシャシーセットアップを備えている。
同社にとって初のプラグイン・ハイブリッド車であるヴァルハラは、「アストン マーティンの新たな定義を示すもの」とされている。また、このモデルは、新CEOのトビアス・モアースのもとで発表された最初の新型車であり、彼の大胆なブランド変革計画「プロジェクト・ホライズン」に不可欠な要素となっている。
この計画では、アストンは2024年までに「10台以上のクルマ」を発売する予定で、その中にはヴァルハラ、ヴァンキッシュ、そしてV12エンジンを搭載したヴァルキリーなどが含まれている。
ヴァルハラは、2019年にジュネーブ・モーターショーで発表されたRB-003コンセプトカーから2年間かけて製品化されたが、開発に大きな影響を与えたのがアストンの新しいF1チームであり、そこから学んだことがほぼすべての側面に反映されていると言われている。
アストンが61年ぶりに参戦するイギリスGPを前に、シルバーストーンのチーム本部で初公開されたのもうなずける。
注目すべきは、ヴァルハラはコンセプトとは異なり、当初予定されていたアストン製3.0L V6エンジンを搭載していないことだ。DBSスーパーレッジェーラのV12エンジンの725psを上回る出力を目指していたこのエンジンの開発は、モアースが就任した直後に中止された。
その理由は、ユーロ7の環境規制に適合しないことと、「実現するにはあまりにも大きな投資が必要だった」からだとモアースは述べている。
AMG製V8ツインターボ搭載
代わりにヴァルハラは、技術パートナーのメルセデスAMGの4.0L V8ツインターボを採用し、最高出力750ps、最高回転数7200rpm、新設計の専用8速デュアルクラッチ・トランスミッションで後輪を駆動する。
AMGのGTブラックシリーズと同様に、ヴァルハラのV8はフラットプレーン・クランクを採用しており、「アストン マーティンに搭載された中で最も先進的で、レスポンスに優れ、最高のパフォーマンスを発揮するV8エンジン」と言われている。
また、リアデッキ上部の軽量エグゾーストシステムは、調整可能なフラップを備えており、「本物のアストン マーティンのサウンド」を実現しているという。
ヴァルハラが現在のアストンのスポーツカーと最も大きく異なる点は、ミドマウントされたV8のすぐ後ろのリアアクスルに1基、フロントにもう1基、合計204psの電気モーターを採用したことだ。これにより、合計950psを発揮する。
アストンは、0-100km/h加速を2.5秒、最高速度350km/h、そして重要なニュルブルクリンクのラップタイムで6分30秒を達成できると見込んでいる。
SF90ストラダーレと同様に、ヴァルハラもフロントの電気モーターのみを使用してEVモードで走行できる。電気だけで約130km/hまで加速可能だが、通常の走行では、必要に応じて両アクスルに電気を分配してV8の出力を補う。
また、電子制御式リミテッド・スリップ・ディファレンシャルを装備し、トラクションと敏捷性を向上させている。
新しくもアストンらしいデザイン
この新型パワートレインを収めるのは、特注のカーボンファイバー製シャシーで、「最小限の重量ペナルティで最大限の剛性を実現」している。アストンは、目標乾燥重量を1550kgとすることで、「同クラスのライバルと比較して、他に類を見ないパワーウェイトレシオ」を実現すると述べている。
また、巨大なベンチュリートンネル、可動式のフロントスプリッターやリアウイングなど、エアロダイナミクスを向上させるボディワークにより、240km/hで600kgのダウンフォースを発生させることができるという。
サスペンションは、フロントにプッシュロッド式、リアにマルチリンク式を採用し、ダンパーとスプリングをインボードに配置することでバネ下重量を軽減。トラックモードでは「劇的」に車高を下げ、低速時には車高を上げて段差を乗り越えられる。
アストンのデザイナーは、ダウンフォースを強化するために繊細なボディワーク要素を使用することで、ヴァルキリーのようなアグレッシブなウィング、インテーク、アウトレットは必要とせず、全体的なシルエットを自由にデザインすることができた。
突出したルーフスクープ、前方に向かって傾斜したディヘドラルドア、丸みを帯びたリアデッキ、一体型のリアウイングはそのままに、フロント、リア、サイドのデザインを一新し、ヴァルキリーとは系統の異なるスーパーカーとなっている。
フロントエンドにはアストンの特徴的な形状のグリルが配置され、その上には大きく丸みを帯びたマトリクスLEDヘッドライトがあり、リアディフューザーは大幅にトーンダウンして、生産に適したセットアップになっている。
また、角ばったサイドスカート、シャープなサイドベント、そしてコンセプトにはなかったウィングミラーも装備されている。ホイールは、フロントが20インチ、リアが21インチで、ミシュランのパイロット・スポーツ・カップ・タイヤが装着されている。
価格は1億円前後か
チーフ・クリエイティブ・オフィサーのマレク・ライヒマンは、ヴァルハラがヴァルキリーとは異なる位置づけであることから、独自のデザインアプローチが必要になったと語っている。
「ヴァルハラのコンセプトを制作したとき、わたし達はアストン マーティン・ヴァルキリーのデザインレガシーを強調したいと考えていました。その意図は今も変わっていませんが、このまったく新しいクルマの生産に向けて、かなりの進化を遂げています」
「ヴァルキリーのレガシーは明らかですが、ヴァルハラは今、より成熟し、確固たるデザインになっています」
インテリアも同様であることが予想される。市販仕様のインテリアはまだ公開されていないが、ヴァルハラは「明確でシンプルなエルゴノミクスを採用し、ドライバーを中心に据えた、洗練されたコックピットデザイン」とされている。
ヴァルキリーよりも広々としており、アップル・カープレイとアンドロイド・オートを搭載したインフォテインメント・タッチスクリーン、デュアルゾーン・エアコン、リアビュー・カメラ、多数の運転支援機能などが追加され、一般道での信頼性を高めている。
アストンのF1ドライバーであるセバスチャン・ベッテルとランス・ストロールは、このクルマのダイナミックなパフォーマンスに関するフィードバックを行う予定だ。
価格や販売時期は未定だが、モアースはAUTOCARの取材に対し、以前から言われていた100万ポンド(約1億5000万円)という価格を下げたと語っている。
「わたし達は、スーパーカーとハイパーカーの中間に位置する、60万ポンド(9000万円)から70万ポンド(1億円)の価格帯のクルマが、市場のスイートスポットになると考えています。この価格であれば、2年間で約1000台を生産できると考えています」
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