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BMW駆るバレンティーノ・ロッシ、母国ファンの前でGTWCヨーロッパ初優勝/第5戦ミサノ

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BMW駆るバレンティーノ・ロッシ、母国ファンの前でGTWCヨーロッパ初優勝/第5戦ミサノ

 7月15~16日、イタリアのミサノ・サーキットで、ファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ(GTWCヨーロッパ)第5戦が行われ、アコーディスASPチームの88号車メルセデスAMG GT3(ラファエル・マルチェッロ/ティムール・ボグスラフスキー組)がレース1の勝者に。日曜に実施されたレース2では、チームWRTの46号車BMW M4 GT3(バレンティーノ・ロッシ/マキシム・マルタン組)が初優勝を飾った。

■乱高下した32号車BMWのファントール、ウィーツ組

BMW、チームWRTが走らせるハイパーカーのドライバーラインアップ決定は「急がない」

 ミサノでは近年アウディR8 LMSが強さを発揮し、とりわけドリス・ファントールとシャルル・ウィーツのコンビが過去7レース中6レースを制す、圧倒的な勝率を誇ってきた。しかし、チームWRTとともにBMW陣営に移った彼らはレース1の予選で振るわず。土曜日のレースを21番手グリッドからスタートすることを余儀なくされる。

 一方、2020年ミサノのレース2で勝利し、元アウディペアに唯一土をつけたマルチェッロとボグスラフスキーは土曜日の予選1で今季2度目のポールポジションを獲得すると、序盤から同日のレース1を支配。ランボルギーニからフェラーリにマシンをスイッチした、エミル・フレイ・レーシングの14号車296 GT3からのプレッシャーをものともせず、7.4秒の差をつけて見事ポール・トゥ・ウインを達成した。

 この2台に続き表彰台の最後の枠を確保したのは、ファントール/ウィーツ組32号車BMW M4 GT3だった。グリッド10列目からスタートしたWRTのマシンは、ピットウインドウが開いた直後にピット作業を行い、アンダーカットによる大幅な順位アップに成功する。

 6番手でコースインしたファントールは、ブーツェンVDSの9号車アウディR8 LMSエボII、エミル・フレイの69号車フェラーリ296 GT3をかわした後、ラスト3分でコムトゥユー・レーシングの12号車アウディR8 LMSエボIIのミスに乗じてポジションを奪った結果、驚きのポディウム・フィニッシュを達成している。

■“46”の日に導かれた(?)初優勝

 明けた16日(日)の予選2では、ファントール駆る32号車BMWがポールポジションを獲得。ファントールは決勝レース2でも後続に対して2秒前後のギャップを築いたが、3台のアウディを含む4ワイドバトルの最中に発生した9号車アウディのクラッシュによって導入されたセーフティカーによってご破算に。さらに、32号車はリスタート直後のピットウインドウ・オープンに合わせて行ったピット作業でタイヤ交換に手間取りタイムロス。せっかくの順位を下げてしまう。

 チームのエースカーが後れを取るなか同じタイミングでピットに入ったWRTの46号車BMWは、マルタンが担当した前半スティントの3番手から首位に浮上した。46号車のステアリングを引き継いだロッシは終始安定したペースを刻み、4番手から2番手に順位を上げてきたルーカス・レゲレがドライブするコムトゥユーの11号車アウディR8 LMSエボIIに付け入る隙を与えず。

 二輪レース界の“レジェンド”は最終的に4.243秒のギャップを持ってトップチェッカーを受け、先月のミシュラン・ル・マン・カップに続きSRO主催のGTWCヨーロッパでシリーズ初優勝を飾った。なお、ロッシにとっては母国レースとなったミサノのレース2は、偶然にもチームWRTにとって46戦目となるスプリント・カップの一戦だった。BMW Mモータースポーツは、このことを紹介したシリーズの公式Twitter投稿を引用リツイート。これに加えてレース2が行われた23年7月16日の各数字を足した数が“46”になることを驚きをもって伝えている。

 チームWRTはこのレースでジャン-バティスト・シムナウアー/トーマス・ノイバウアー組31号車BMWが11号車アウディに次ぐ3位に入り、ワン・スリー・フィニッシュを果たしている。4位はレース1ウイナーの88号車メルセデス、5位にエミル・フレイ・レーシングの69号車フェラーリが入った。ポールシッターの32号車BMWは9位でレースを終えている。

 VSRの163号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2を駆り、シルバーカップ・クラスを戦う日本人ドライバーの根本悠生は、今回マッティア・ミケロットとペアを組んでの参戦に。その初戦となったレース1は表彰台を争いのなかで他車と接触し左リヤのサスペンションを破損。リタイアに終わった。日曜のレース2ではピットストップでクラス4番手から2番手に浮上。ミケロットの後を受けた根本が後半スティントでクラス順位をキープし総合14位/クラス2位となり、クラス表彰台を獲得している。

 ファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパの次戦は第6戦ニュルブルクリンク。ニュル、ホッケンハイムでの“ドイツ2連戦”の初戦となる同ラウンドは、7月30日に3時間の決勝レースが行われるエンデュランス・カップの今季第4戦だ。

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