懲役5年や免許取り消しの場合も!
2020年6月30日に道路交通法が改正され、妨害運転罪いわゆる「あおり運転」に対する罰則が創設された。
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この法律により、他の車両等の通行を妨害する目的で、急ブレーキ禁止違反や車間距離不保持等の違反を行うことは、厳正な取締りの対象となり、最大で懲役3年の刑に処せられることになった。
また、妨害運転により著しい交通の危険を生じさせた場合は、最大で懲役5年の刑に処せられ、さらに、妨害運転をした者は運転免許を取り消される。
そうした「妨害運転罪」施行から1年。効果はどのくらいあったのだろうか? 2つの資料から検証してみよう。
まずは典型的なあおり運転行為ともいえる「車間距離不保持容疑」の取締り件数から。
「妨害運転罪」が施行される前年=2019年の「車間距離保持義務違反」の取り締まり件数は1万5065件だった。これは摘発を強化した前年=2018年より2040件(15.7%)多く、この3年間で2.1倍になったという計算だ。
そして「妨害運転罪」が施行された2020年はどうなったかというと、1万3062件に減少。2019年の-13%になったということは、厳罰化の効果があったと考えられる。
一方で、チューリッヒ保険会社が行なった、全国のドライバー2,230人を対象とした「2020年あおり運転実態調査」のデータを見ると、あおり運転をされた経験があるドライバーは約6割と、2019年から変わっていない! この調査では、あおり運転の厳罰化を盛り込んだ改正道路交通法の成立を知っているドライバーは約8割もいることがわかったが、これはどういうことなのか?
あおられる側の意識改革もまた必要だ
この調査によると、あおり運転が厳罰化されても、23.1%のドライバーが、危険運転は減少しないと考えていて、その理由として、70.1%が「危険な運転をする人の心理や行動は変わらないと思う」と答えている……。
たしかに厳罰化したところで、殺人事件も飲酒運転もゼロにはならない現実があるが、ある程度理性が残っている人には、一定の抑止力が働いているはず。
にもかかわらずあおり運転をされた経験のあるドライバーの数が変わらないのは、あおられた側にも同じきっかけがあったと推測できる。
たとえば、「速度が周囲より遅い」「後ろを見ていない」「ウインカーを出すのが遅い」「車線変更が急だった」といった場合、あおり運転につながりやすく、またあおる気はなくても相手のクルマと距離が狭まる傾向がある。
前記の調査でも、42.1%の人はあおり運転をされた経験がなく、あおり運転をされた経験がある人の24.4%が「1年以内にある」と答えているので、あおり運転をされる人は、特定のドライバーに偏っている可能性が大きい。
そう考えると、厳罰化も重要で、それなりの効果は間違いなくあり、またドライブレコーダーで自衛するのももちろん重要だが(警察庁が2020年6月から12月までの半年間で「妨害運転罪(あおり運転)」で摘発した58件のうち、54件がドライブレコーダーで録画されていた)、これ以上、あおり運転を減らすには、あおられた側の意識改革も欠かせない。
一番大事なのは、流れに乗って走り、流れを乱さないこと。
そして不審なクルマには近づかず、急いでいそうなクルマ、イライラしているように思えるクルマを見かけたら、道を譲るのがベスト。
それでもあおり運転を受けたら、(安全な場所から)ためらわずに110番通報するしかない。
参考:チューリッヒ保険 ニュースリリース https://www.zurich.co.jp/aboutus/news/release/2020/0706/
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みんなのコメント
最近はワザとやってる悪質なのも多いからね