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国産最高峰のトヨタ「センチュリー」の実燃費を調査! 5リッターHVのVIPカーの実力は?

掲載 更新 8
国産最高峰のトヨタ「センチュリー」の実燃費を調査! 5リッターHVのVIPカーの実力は?

■5リッター+モーターのハイブリッド車になったトヨタ「センチュリー」

「センチュリー」はトヨタブランドの最高峰モデルであり、日本の頂点に立つフォーマルセダンで、広くて装備充実の後席が特徴で、代議士や大企業の重役をはじめ、世の中を動かす人の移動のために使われることが多いクルマです。

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 現行モデルは2018年6月に登場した3世代目。全長は5335mmと国産乗用車としては最大級で、スタイリングはクラシカルながらモダンでもあり、威風堂々とした風格があります。

 メカニズムを見ると、現行世代になって最大の進化であり特徴ともいえるのがパワートレインです。

 エンジンは排気量を5リッターとして変わらないものの、先代のV型12気筒から8気筒へとコンパクトになりました。そしてモーターを組み合わせることでハイブリッドへ進化。時代が求める環境性能を高めたのです。

 そんなセンチュリーの燃費をチェックしてみました。高速道路(平坦+登り)、峠道、高速道路(平坦)、そして市街地と4パターンの燃費を計測。果たして、ハイブリッドを組み合わせた国産車の頂点に立つサルーンの燃費はどこまで伸びるのでしょうか。

 今回は、高速道(東名高速道路 東京インター⇒御殿場インター)、ワインディング路(御殿場⇒大観山⇒ターンパイク箱根)、高速道(小田原厚木道路 小田原西インター⇒東名高速道路 東京インター)、一般道(東京都世田谷区 世田谷通りなど)のセクションでテストしました。

 合計で236.1km走ったトータル燃費は、各セクションの結果から導き出した計算値で12.4km/L。これは車両重量2370kgと超重量級のクルマとしては、驚くほど優れた燃費といっていいでしょう。

 燃費を計測した当日の天気は晴れ。気温は車両の温度計で12度から24度と過ごしやすい陽気で、エアコンはオートで25℃に設定して走りました。

 また、走行モードは常に標準状態。高速道路は制限速度を守り、一般道は周囲の流れに従って走るように心がけました。

 それではセクションごとの状況を見ていきましょう。

●高速道(往路)

走行距離:83.3km
実燃費:14.3km/L

 往路の高速道路は、東名高速道路の起点である東京インターから入り、御殿場インターまでの83.3kmを走ります。

 しばらくは平たんな路面で制限速度は100km/h。流れに乗りながらクルーズコントロールを使って巡行します。

 センチュリーは、さすがハイエンドセダンと思えるのが快適性。エンジンが静かかつ滑らかで、まったく存在を感じさせません。

 システムの効率がいいおかげで、スタート時にリセットした燃費計はグングン伸びて、45kmほど走った頃には16.1km/Lという驚くべき最高値をマークしました。

 しかし、秦野中井インターを過ぎて山岳区間になると、きつい勾配が始まるとともに制限速度は80km/hに抑えられます。同時に上り坂の影響受けて燃費も落ち始めました。

 ここでは制限速度を守って走るトラックの後ろを走る状況が続き、御殿場インターを出るときの燃費は14.3km/Lでした。

 カタログに記載されているWLTC高速燃費モード値は13.9km/Lなので、おとなしく走れば、高速道路ではカタログ値を超える燃費が期待できます。

●ワインディング路

走行距離:47.8km
実燃費:11.1km/L

 ワインディング路は47.8kmを走行しましたが、燃費数値はさすがに伸びませんでした。

 燃費計をリセットし、まずは標高454mの御殿場インターから峠道をひたすら登りますが、標高1015mとルートのなかで最高標高地点となる箱根の大観山までの34kmの行程のほとんどが上り坂。そこへ到着したとき、車載の燃費計は今回の行程中でワーストとなる8.7km/Lを表示していました。

 重い車両重量の影響を大きく受けたかたちですが、とはいえ2370kgもある車体ながら延々と山道を登っての8.7km/Lはかなり優れているとも受け取れます。

 大観山からは、「ターンパイク」という長い下り道で燃費を稼ぎます。下り終わった時点での、登りも含めた峠区間燃費は11.1km/Lでした。

 アクセルを踏むことがほとんどなかったのでもう少し伸びるかと期待しましたが、意外に燃費が伸びなかったというのが正直な印象です。

■新型センチュリーは先代に比べて圧倒的に低燃費

●高速道(復路)

走行距離:69.0km
実燃費:14.3km/L

 復路の高速道路は、小田原西インターから小田原厚木道路を経由して39kmほど走り、厚木からは東名高速道路へ合流。東京インターまで走った復路の高速道路(走行距離69km)の燃費は14.3km/Lで、結果的には往路と同じ平均燃費となりました。

 しかし、走行条件は往路と大きく異なります。復路は全体として標高差はほとんどなくフラットで、長くて急こう配の登り区間がないのは燃費に対してプラス要素です。

 さらに小田原厚木道路は自動車専用道なので制限速度は70km/hと低く設定されており、燃費に有利な状況。本来なら、往路よりも良好な燃費を記録してもおかしくありません。参考までに、出発時の走行用バッテリーはほぼ充電されていました。

 有利な環境ながら結果往路と同じ燃費に留まった理由として思い当たるのは、走行状況の違いです。往路の東名高速道路は制限速度で走るトラックの後方を走ったので、空気抵抗がきわめて少なかったと思われます。

 しかし復路は、周囲に70km/hの制限速度を守って走るクルマがおらず、空気の抵抗をもろに受けて走り続けました。高速領域における燃費悪化の最大の理由が空気抵抗(速度の2乗に比例して増える)なので、この差が燃費に現れたと考えられます。

 とはいえ、区間燃費の14.3km/Lは超重量級の大型セダンと考えれば素晴らしい結果といえるでしょう。

●一般道

走行距離:36.0km
実燃費:11.9km/L

 最終セクションは市街地区間です。東京都世田谷区を東西に貫く世田谷通りを中心に、世田谷から西方面へ向かって36.0km走りました。帰宅ラッシュのはじまるタイミングでの道路は混雑気味。スピードのあまり出ない片側一車線かつ信号も多い道で、一般的な市街地の状況といえるでしょう。

 一般道は、停車や発進も多いのですが、大型セダンながら12km/Lに迫る燃費はさすがです。カタログによると、WLTCの市街地モードは9.9km/Lで郊外モードは12.5km/L。その中間なのでまずまずの実燃費といえるでしょう。

 ハイブリッドはエンジンとモーターそれぞれを効率よく使うので、加減速の多い場所で一般的なクルマに比べてとくに燃費を伸ばすことができます。

 今回は高速道路走行時にバッテリーをため、そのエネルギーを上手に活用したことも燃費が伸びた要因になったようです。走り始めてしばらくしたタイミングでは、モーター走行領域が多かったおかげで16km/Lという表示も確認できました。

 ただし、今回とは別の走行時にバッテリーがほぼ空の状態から走り始めたときは、市街地での燃費は10キロほど走っても10km/L手前までしか伸びませんでした。

 停止と発進を繰り返す市街地では、スタート時のバッテリー残量によって燃費が大きく変化する可能性があります。

※ ※ ※

 センチュリーで236.1km走って計測したトータル燃費は12.4km/Lでした。カタログを見ると、記載されているWLTCモード燃費(総合)は12.4km/L。比べると、今回のテスト走行における達成率も悪くありません。

 余談ですが、先代センチュリーの燃費はJC08モードで7.6km/Lでした。新型になって飛躍的に向上していることがわかります。

 センチュリーで燃費を伸ばすポイントは、いかにモーターを有効活用するかにあるといえるでしょう。

 加速時は、ある程度加速したら早めにアクセルを閉じ気味にするとエンジンを止めてモーター走行となるので燃費が稼げる傾向にあります。

 また、渋滞時などはエンジンを止めて走る「EVモード」にすると燃料消費を抑えられます。

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みんなのコメント

8件
  • 12気筒の時はそれをステータスとして売り、8気筒になって燃費が良くなればその部分を「環境にやさしい」と言って売る。それが、マーケッティングでしょう。20年前と時代が違う。
  • 燃費がすこぶる良くなっても、V12エンジン搭載というステータスは失われた。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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