2020年のダカールラリーは1月15日、ハラドからシュバイタを目指す608kmのステージ10が行われたが、強風により途中終了。カルロス・サインツ(ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・バギー)がステージ優勝となり、総合では一気に18分10秒までギャップを広げた。フェルナンド・アロンソ(トヨタ・ハイラックス)はマシンを横転させるクラッシュを演じ、完走はしたもののステージ55位、総合14番手まで後退した。
このステージ10を含めて残り3ステージとなっている2020年のダカールラリー。15日(水)に行われたステージ10は競技区間のスペシャルが534km、移動区間のリエゾンが74kmという構成で、四輪部門は走行終了後に大きなマシン整備を行えないマラソンステージとしての実施だった。
ダカールラリー2020:ステージ9で首位サインツが失速。トヨタのアル-アティヤが24秒差まで迫る
しかし、この日のハラドからシュバイタへ向かう道中は強風が吹く箇所もあり、大会主催者側は競技参加者の安全を考慮してステージを途中終了すると決定。スペシャルのスタートから345km地点の通過順位がステージ結果として採用された。
このステージ10はナビゲーションが難しいトリッキーな区間があり、ナッサー・アル-アティヤ(トヨタ・ハイラックス)とステファン・ペテランセル(ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・バギー)は揃ってコースをロスト。正しいルートへ戻るまでに大きく時間をかけてしまった。
一方、総合首位で臨んだサインツはトリッキーなセクションもコースを見失うことなくクリア。ステージ2位に対し3分5秒差をつけてステージ優勝を飾った。
前日、総合順位でサインツに24秒差まで迫っていたアル-アティヤは、ステージ17位。サインツからは17分46秒遅れだったため、総合でのギャップが18分10秒まで広がってしまった。
総合3番手でステージに臨んだペテランセルも11分48秒遅れのステージ10位。総合ではサインツとのギャップが広がった一方、同2番手のアル-アティヤに16秒差まで迫っている。
そして、このステージ10で大きなクラッシュを演じたのがアロンソ。スペシャル序盤の砂丘を越えるところで着地に失敗して斜面を転がり、マシンが2回横転する大クラッシュを起こしてしまった。
幸いにも、マシンはタイヤが接地している状態で止まったため、即座に走行を再開したものの、クラッシュの影響でフロントガラスが割れ、ガラスを取り外した状態での走行を強いられた。この状態でフィニッシュとなった345km地点にたどり着いたもののトップからは1時間17分33秒遅れとなっている。
このステージ10はマラソンステージでビバーク地点到着後に大きなマシン整備は行えないが、アロンソはアロンソは自身のSNSアカウントに「すべて問題なく準備も整った。明日、挽回する」と投稿しており、ステージ11での巻き返しを誓っている。
また総合でのリードを一気に広げたサインツは「今のギャップを"大量”だとは思っていない。明日は我々が逆の立場になる可能性もあるからだ」とコメントしている。
四輪市販車部門を戦うチームランドクルーザー・トヨタ・オートボデーはクリスチャン・ラビエル/ジャン・ピエール・ギャルサン組326号車がステージ34位で総合28番手、三浦昂/ローラン・リシトロイシター組338号車がステージ39位で総合32番手につけた。
トラック部門を戦う日野チームスガワラは菅原照仁の512号車がステージ14位で部門総合10番手をキープしている。
二輪部門はホアン・バレダ(ホンダCRF450ラリー)がステージ優勝を飾ったほか、ステージ2位にリッキー・ブラベック(ホンダCRF450ラリー)、ステージ3位にケビン・ベナバイズ(ホンダCRF450ラリー)が入り、ホンダ勢がトップ3を独占した。
部門総合ではブラベックが首位を守り、25分44秒差の2番手にパブロ・キンタニラ(ハスクバーナFR450ラリー)、27分9秒差の3番手にバレダが浮上している。
2020年のダカールラリー、大会最終日前日の16日(木)はシュバイタからハラドへ向かうステージ11が行われる。スペシャルは379kmでリエゾンは365km。ステージのおよそ90%は砂漠や砂丘で構成される1日だ。
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