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『ニッサン DR30型スカイライン』伝説へのファーストステップは惨敗からのスタート【忘れがたき銘車たち】

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『ニッサン DR30型スカイライン』伝説へのファーストステップは惨敗からのスタート【忘れがたき銘車たち】

 モータースポーツの「歴史」に焦点を当てる老舗レース雑誌『Racing on』と、モータースポーツの「今」を切り取るオートスポーツwebがコラボしてお届けするweb版『Racing on』では、記憶に残る数々の名レーシングカー、ドライバーなどを紹介していきます。今回のテーマは、グループAレースに参戦した『ニッサンDR30型スカイライン』です。

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『ニッサン R390 GT1』“想定外”から生まれたニッサンのGT1専用マシン【忘れがたき銘車たち】

 グループA時代の全日本ツーリングカー選手権(JTC)において、ニッサンBNR32型スカイラインGT-Rが樹立したデビュー以来無敗、29戦29勝という大記録。

 それまで、切磋琢磨したものの負けることも多かった外国車勢を置き去りにする強さを見せて重ねたこの勝利の大記録は、今も多くのファンの記憶に深く刻まれている。

 この連戦連勝劇は、“R32”登場前夜の苦闘や研鑽の日々があってこその賜物だった。今回は、その第一歩となったニッサンDR30型スカイラインを紹介しよう。

 1985年、グループA規定による全日本ツーリングカー選手権が幕を開けた。ニッサンは、このグループAの主力車種としてDR30型スカイラインを投入した。

 スポーティーなイメージで市販車が誕生したDR30型スカイライン。1984年に登場したRS/RS-X“ターボC”では、2.0リッター4バルブDOHCインタークーラー付きターボのFJ20ET型エンジンを搭載。さらに、4輪独立懸架のサスペンションを採用するなど、レースベース用の車両として、素性の優れた1台でもあった。

 だからこそ、初陣での勝利が期待されたのだが、開幕戦のSUGOでは雨絡みのコンディションだったこともあり苦戦を強いられた。

 重く大柄なボディと、それなりのパワーはあるもののピーキーな特性のターボエンジンが仇となったか、格下のトヨタAE86型カローラ・レビンに総合優勝、2位ともに奪われてしまい、DR30型スカイラインは、5位という結果に終わった。

 その後もDR型スカイラインの苦戦は続く。西日本サーキットで開催された第3戦では表彰台に登ったものの、それ以外のラウンドでは、トップ3に食い込むことはできず、初年度のタイトルを逃してしまう。

 続く1986年は、西日本サーキットでの開幕戦と鈴鹿サーキットでの最終戦で勝利を収めるなど、DR型スカイラインは善戦した。

 他のラウンドでは小排気量クラスの車両に、総合優勝を奪われる場面もあったが、見事にドライバー部門、製造者部門のタイトルを獲得したのだった。

 しかし、タイトルこそ取ったものの、1985年、1986年と富士スピードウェイで行われたインターTECでは、ボルボやジャガーといった外国車勢に大きく水を空けられて敗北を記した。

 さらに、1987年にはJTCに通年で登場したフォード・シエラRSコスワースやトヨタ・スープラ、三菱スタリオンといったライバル勢が躍進し、DR型スカイラインは、1勝も挙げることができなかった。

 この1987年、DR30型は1985年にはすでに市販車がR31型へと進化していたにも関わらず、グループAではモデルチェンジすることなく3シーズン目を迎えており、ライバルの進化に伴って戦力が低下。アップデートモデルの投入が渇望されていた時期だった。

 そんな同年のインターTECで、DR30型に代わる新たな戦力として、HR31型のスカイラインGTS-Rが登場する。ニッサン初のグループAホモロゲーションモデルとしてデビューしたこの1台もまた、GT-Rの復活までに研鑽を重ねていくのであった。

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みんなのコメント

4件
  • この写真は日産ワークス仕様だが、ほぼ同じカラーリングでスポンサーがヂィーゼル機器のDR30があった。ドライバーは関根基司。このころのDR30 GrA.は、いつもエンジンやらミッションのトラブルで格下排気量のシビックやレビンの後塵を浴びていた。国内ではまだGTS-Rがデビュー前でかつ、7thスカイラインよりもDR30鉄仮面のほうが人気が高かったが、レースではさんざんな結果。でもスタイルは今見てもシャープでかっこいい。
  • 亜久里の初タイトルはグループAのスカイライン。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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