ル・マン・ブガッティ・サーキットでMotoGP第10戦フランスGPの決勝レースが行なわれ、ドゥカティのダニーロ・ペトルッチが今季初優勝を果たした。
ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)が母国戦ポールポジションを獲得して迎えたフランスGPの決勝。しかしレーススタート直前になり、雨が降り出してしまった。この結果スタートディレイが宣言され、レースは26周に減算されて開催されることとなった。なおコース上はフルウエットの状態であり、ウエットレースも宣言された。
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スタートではターン3で混乱が発生。バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)が転倒を喫し、ランキング上位のマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)とジョアン・ミル(スズキ)がそれを避けるために大きく後退を強いられた。
ペトルッチ、アンドレア・ドヴィツィオーゾ、ジャック・ミラー(プラマック)とドゥカティ勢が先頭を引っ張る展開となったが、オープニングラップはペトルッチが先頭で通過。ミラー、ドヴィツィオーゾと続き、ポールポジションのクアルタラロが4番手、ポル・エスパルガロ(KTM)が5番手につけた。
3周目、クアルタラロは慎重に走っているのかなかなかペースが上がらず、ポルとアレックス・リンス(スズキ)によるオーバーテイクを許し、6番手にまで後退。さらに次の周にはカル・クラッチロー(LCRホンダ)にも追い抜かれてしまった。
先頭3台のドゥカティ勢は5周目の時点で、4番手に3秒以上のギャップを確立するハイペースで走行。ペトルッチを先頭にドヴィツィオーゾ、ミラーが等間隔に並んだ。
後方ではクアルタラロが更にズルズルと順位を落とし、10位にまで後退。今後更にポジションを落としそうな状況だ。
徐々に路面の水が少なくなっていく中、4番手のリンスが好ペースでトップ3の追撃を開始。1ラップごとに差をどんどんと詰め、10周が消化される頃には序盤にあった3秒の差は半減した。
10周目、ブラッドリー・スミス(アプリリア)がターン3でハイサイドを起こし転倒。一時は弱まっていた雨が再び降り出している様子だ。
リンスはレース半分となる13周目には3番手のミラーを完全に捉えた。そして15周目のターン3でミラーをオーバーテイク。しかしミラーも簡単には先行を許さず、ここは抜き返してポジションをキープした。
18周目、ドヴィツィオーゾが遂に仕掛けた。ホームストレートでペトルッチに並ぶと、そのままオーバーテイク。トップへ浮上した。しかしセクター後半でペトルッチとリンスに挟まれスリーワイドになると、接触しそうになってしまい、後退していくことになった。
結局ペトルッチが先頭に戻り、リンス、ドヴィツィオーゾが続いた。4番手につけていたミラーにはマシントラブルが発生し、ここでリタイアとなった。
2番手に上がったリンスだが、彼は残り7周のターン3で転倒を喫してしまい、表彰台争いから脱落。これで表彰台圏内3番手にアレックス・マルケス(レプソル・ホンダ)が浮上してきた。
レースは残り3周。既に先頭のペトルッチは抜け出しており、焦点はドヴィツィオーゾとアレックスによる2番手争いに移った。
アレックスはドヴィツィオーゾに果敢に攻め続け、ミスで膨らんだ瞬間を見逃さずにオーバーテイク。2番手に浮上した。
ドヴィツィオーゾは既にタイヤが厳しいようで、ポル・エスパルガロにも続けて追い抜かれてしまい、一気に4番手にポジションを落とした。
ラストラップ、ペトルッチは1秒以上のマージンを保ったまま先頭でゴール。今季初優勝を果たした。
そして2位には荒れたレースで光る走りを見せたアレックス。ホンダに今季初表彰台をもたらした。3位はポル・エスパルガロだ。
中上貴晶(LCRホンダ)はレースを通じて徐々にポジションを上げていき、最終的に7位でフィニッシュを果たした。
チャンピオンシップ上位争いのライダーでは、クアルタラロが最終的に9位、ミルが11位でフィニッシュ。ビニャーレスも下位に沈んだ。そのため、結果的にポイントランキングは変わらず、クアルタラロがトップをキープしている。
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