5月5日にフランスのポール・リカールで行われたELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ第2戦。TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のWECチャレンジプログラムに所属する宮田莉朋は、中盤スティントで首位を争う好走を見せたものの、その後のトップ走行中に車両トラブルに見舞われ、無念のリタイアを喫した。
2023年に全日本スーパーフォーミュラ選手権とスーパーGT GT500クラスのダブルタイトルを獲得した宮田は2024年、WEC世界耐久選手権でTGRのテスト&リザーブドライバーを務めるかたわら、FIA F2選手権とELMSのLMP2クラスに参戦している。
連勝目前の宮田莉朋組にまさかの悲劇。濱口弘組ランボルギーニは再びLMGT3表彰台に/ELMS第2戦
クール・レーシングの37号車オレカ07・ギブソンでロレンツォ・フルクサ、マルテ・ヤコブセンとトリオを組んで出場するELMSでは、4月の開幕戦バルセロナ4時間レースでデビューウインを飾り、幸先の良いスタートを切っていた。
■ル・マンに向けては「ポジティブな要素が多い」
迎えたポール・リカールでの第2戦『ル・カステレ4時間』レースでは、チームメイトのヤコブセンのアタックにより予選で6番グリッドを獲得。ポール・リカール初走行となった宮田は、決勝ではスタートドライバーのフルクサからバトンを受け、レース中盤を担当することとなった。
フルクサは前戦同様に序盤のうちに順位を上げていき、1時間20分程を経過したところで宮田へとドライバーチェンジ、2番手でコースへと復帰した。そして2時間経過を前にトップ車両がピットインすると、宮田のドライブする37号車が首位に立った。
2時間20分を過ぎたところで宮田はピットへ向かい、ヤコブセンへとドライバー交代。最後の1時間に入っても37号車は首位を快走していたが、レースが残り40分を迎えようかとする頃、突然スローダウンしコース脇へとストップ。ギヤボックスのトラブルにより、レースを終えることとなってしまった。
「首位快走中にギヤボックスが壊れてしまうという、非常に悔しいレースにはなりましたが、でも壊れたのはル・マンではなかったということで、僕はそれぐらいポジティブです」と宮田は前向きなコメントを残している。
「こういう悔しい時というか、勝てるレースを落とした時こそ、チームやドライバーも含めみんなを強くしてくれるタイミングだと思っているので、全然ネガティブには思っていません。内容もレースをリードしている時でしたし、結果を残せなかったという部分では悔しいですが、リードしていたというところは間違いなく僕らのポテンシャルがあるということです」
「クール・レーシングにとっては次のレースがル・マンになりますが、ポジティブな要素が多いですし、きっとこのトラブルも僕らを強くさせてくれると思っています」
宮田自身の次のレースは、5月11日にベルギーのスパ・フランコルシャンで行われる、WEC世界耐久選手権第3戦となる。すでにエントリーリストが発表されているように、宮田はケルビン・ファン・デル・リンデの代役として、アコーディスASPチームの78号車レクサスRC F GT3で、LMGT3クラスへと参戦するのだ。
「RC F GT3で再びレースできることと、そしてWECスパに参戦できることにTGRをはじめチームの皆さんに感謝しています。RC FはWECでは少し厳しい戦いになっていますが、僕はRC Fでのレースの経験もありますし、しっかりチームに貢献できるように良い週末にしたいなと思います。一生懸命頑張りますので、来週末のWECスパも応援よろしくお願いします」
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