高齢者の自動車事情に詳しいプロのアドバイスとは
高齢者のドライバーが増えている昨今、自動車保険事情に変化が起きているという。65歳以上の免許保有者人口は全免許保有者の20%にも及んでいる昨今、この問題は他人事ではなくなっている。福祉車両の販売・レンタル事業を手がけ、自動車保険にも詳しいユーイングの中川さんに高齢者の自動車保険事情について伺った。
事故が起きても保険金が支払われないことも!自動車保険の「告知義務」と「通知義務」の重要性
高齢者だからこそ補償内容の充実を
高齢ドライバーが引き起こす事故については、ニュースで度々報道されているとおりである。そのため高齢者に対する保険料は数年前から上昇しているという。割高に感じてしまう自動車保険だが、中川さんに聞くと「高齢者だからこそ内容の充実した保険に加入しておくべきです」と教えてくれた。
理由は高齢者のドライバーは判断力も低下しがちで、若いドライバーよりも事故のリスクは確実に高まっているからだという。「『事故なんて絶対に起こさない』と思っている高齢者ドライバーは、意外と多いですね。そんな自信からなのか、なかには自動車保険への加入をためらう方までいたりします」。
「しかし、高齢者に限らずクルマを運転する以上は誰でも事故に遭う可能性があるわけで、特に高齢者の場合は事故を“もしかしたら”ではなく、“いつ起こっても不思議ではない”ぐらいまでに捉えて、心構えしておくのがちょうど良いと考えてください」とのこと。
「弁護士特約」を付帯しておくと安心
では高齢者が自動車保険を選ぶ際には、どのような点に注意すれば良いのだろうか。引き続き中川さんに聞いてみた。
「まずチェックしておきたいのは『弁護士特約』です。事故を起こしてしまったときに弁護士が入って交渉を進めてくれる特約ですが、これが事故の時にとても頼りになります。弊社でも、年に数件は弁護士が関わる事故案件があります。ひどいケースでは、数年も裁判にかかってしまうことも…。高齢者の方は事故発生時の記憶も曖昧になりがちだったりして、より弁護士の出番が多くなります」。
また事故の相手が営業ナンバーだと相手方の弁護士が間に入ってくることも多いため、より弁護士特約の必要性を感じるという。このような説明をすると、ほとんどの方が弁護士特約を加えるそうだ。この弁護士特約を付帯した場合の保険料(増額)は、一般的に年間2000円~3000円程度となっているので、検討の余地は大いにあるだろう。
そして基本的な補償内容も「対人」や「対物」は上限の契約に、さらに「搭乗者補償」についても、できるだけ充実の補償内容を選んでおくのが良いだろう。これも特に高齢者ドライバーの契約時には、そのリスクを説明して納得して補償を設定してもらっているという。
近年の自動車保険には付帯している場合がほとんどだが、事故を起こした際のロードサービスも必須。以上のようなことを踏まえ、既に自動車保険に入っているドライバーも今一度、愛車の保険について見直しておくと良いだろう。
ドラレコや安全装備の付いた車両の検討も視野に
最後に、自動車保険に関連してもうひとつ導入したいのがドライブレコーダーだ。事故の場合には証拠として有効になり保険の査定にも関わってくるので、車両の前後を撮影でき「2カメラタイプ」を取り付けておくのが安心だ。
また「サポカー」に適合するような先進安全技術を搭載したクルマは、保険料が割引になるケースもあるので車両購入時には検討してみてほしい。
[取材協力]ユーイング http://youingnet.com/
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