■迫力が凄い! トヨタの「ハイブリッド」スーパーカー
「東京モーターショー」から名称を改めた「ジャパン モビリティショー2023」が、2023年10月26日から開催されます。
そんなモーターショーですが、これまで出展されて話題になったコンセプトカーには一体どのようなものがあったのか、振り返ってみましょう。
【画像】「えっ…!」 これがトヨタのスーパーカー「アレッサンドロ・ボルタ」です(43枚)
世界各地で開催されているモーターショーは、市販されているクルマのみならず未来に登場する可能性の溢れた「コンセプトカー」が公開されることでも注目を集めています。
今年のジャパン モビリティショーでも心に響くコンセプトカーが発表されるのか、クルマ好きから興味が寄せられています。
なかでも2004年にスイスで開催された「ジュネーブモーターショー2004」では、トヨタが1台の迫力あふれるスーパーカーのコンセプトモデルを世界初公開し、大きな注目を集めました。
それが「アレッサンドロ・ボルタ」です。
アレッサンドロ・ボルタは、トヨタがそれまで培ってきた電動技術を組み合わせた、ハイブリッド式のスーパースポーツカー。
環境への配慮と高い走行性能を両立できることを示すべく、また同社の将来に向けたスポーツカー研究の一環として開発されたといいます。
このアレッサンドロ・ボルタという車名は、世界で初めて電池を発明した1800年代のイタリアの物理学者「アレッサンドロ・ボルタ伯爵」に由来するもので、さらにボディのスタイリングも同じくイタリアの著名なカロッツェリア(デザイン工房)「イタルデザイン・ジウジアーロ」が担当しています。
搭載するパワーユニットは、3.3リッターV型6気筒エンジンとハイブリッドシステムを組み合わせ、402馬力もの最高出力を発揮。
それらを重心バランスに優れた車体中央に配置し、前後の車軸それぞれが独立したモーターによって駆動する4WD(四輪駆動)を採用。
大きなエンジンやモーター、バッテリーの積載によって重量級のクルマのように思えますが、車体にはカーボン素材をふんだんに使用することで徹底した軽量化が図られており、わずか1250kgというスーパーカーとしては軽量な車両重量を達成。
これにより、停止状態から4.06秒で100km/hに到達する爆発的な加速力と、250km/hを上回る最高速度を実現していました。
ボディサイズは全長4358mm×全幅1925mm×全高1145mmと、スーパーカーらしく幅広く地を這うようなフォルム。
名門イタルデザインによって造形されたスタイリングは、いま見ても未来的な見事なもので、これまでのどのスーパーカーとも異なる独特の疾走感が漂う個性的なディテールが施されています。
見る者の目を瞬間的に引く仕掛けとして、ドアには垂直にガバっと開くいわゆる「ガルウィング(正式名称:シザーズドア)」を採用。
さらにマフラーはサイド出しとし、あきらかに量産される大衆車とは異なる機構が満載されたことで、アレッサンドロ・ボルタは自身が「特別なクルマ」であることを力強く主張し、世界のみならず歴史上の名だたるスーパーカーと比較してもなんら遜色の無いただならぬオーラを漂わせていました。
もちろんインテリアにも独特な構造が採用されており、なんと車内は3人が横一列に乗車できる斬新な3シーター式。
しかもステアリングと操作ペダルは自由に左右スライドが可能で、好みの座席位置や運転姿勢を選択し自由に運転できるという、かつて無いユニークな発想も当時大きな話題となりました。
※ ※ ※
高出力が命題のスーパースポーツカーに環境負荷低減の意識を取り入れ、トヨタらしいハイブリッド技術を組み込んだ斬新なスーパーカーと高い評価を獲得したアレッサンドロ・ボルタですが、その後実際に販売に至るような開発情報などは無く、2023年時点でも販売の見込みはありません。
しかし現代では電気自動車(EV)やハイブリッド式のスーパーカーが市民権を得ており、フェラーリやランボルギーニなど大手スーパーカーメーカーも同様のモデルを販売しています。
約19年前という2004年にそのような構想をいち早く取り入れ、世界に示したトヨタの先進性に、今あらためて驚かされます。
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みんなのコメント
フェラーリなんかため息が出るくらい美しいのに。
いっそ、LCの皮被せればいいのに