■市販化に向け進捗中!? トヨタ「GR GT3 Concept」とは
まもなく秋を迎え、4年ぶりに「東京モーターショー」にかわる「ジャパンモビリティショー」が開催されます。その2か月あまり後には、年初の恒例行事、「東京オートサロン」も開催されます。
くるまのニュースの読者なら、もちろん楽しみにしているでしょうし、実際に会場に足を運ぶ人も大勢いるに違いありません。
毎回、膨大な数の展示車がある中でも、ひときわ印象に残る展示車がいくつかあるものです。東京オートサロン2022で、TGR(=TOYOTA GAZOO Racing)が展示した「GR GT3 Concept」が、まさにそうでした。
【画像】超カッコイイ…! トヨタのド迫力スーパーマシン「GR GT3 Concept」を画像で見る(43枚)
東京オートサロン2022のGRブースには、その姿をひとめ見ようと多くの来場者が訪れたほか、SNSへの好意的な書き込みが多数見受けられるなど、非常に大きな反響がありました。部門別表彰では、コンセプトカー部門で優秀賞を受賞。このコンセプトカーをもとにした市販車にも大いに期待されました。
GR GT3 Conceptの当初の開発の狙いというのは、これまでも「GR Supra GT4」や「LEXUS RC F GT3」などで、カスタマーモータースポーツに関わる活動をしてきたトヨタが、そうした活動で得られた知見を生かしながら、世界的に人気の高いGT3カテゴリーにおいて、本気で車両を開発していくという姿勢と、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」のさらなる推進に対する姿勢を示すことにあったそうです。
そして、ドライバーファーストのクルマづくりを推進し、カスタマーモータースポーツの最高峰であるGT3のユーザー層に選んでもらえるような魅力的なクルマを提供したいとの思いから、GR GT3 Conceptを発表しました。
ただし、当時の展示車両はモックアップで、コクピットは見えない状態でした。TGRが発表したスペックは、全長が4590mm、全幅が2040mm、全高が1140mm、ホイールベースが2725mmという外寸のみで、どのようなエンジンを搭載する予定かなどの具体的な情報は、明らかにされませんでした。
それでもGR GT3 Conceptがあれほど話題になったのは、なにより衝撃的にカッコよかったからに違いありません。
極端なまでにワイド&ローでロングノーズ&ショートデッキのファストバックスタイルのフォルムは、「GRスープラ」や「GR86」、レクラス「LC」や「RC」、あるいは「LFA」などといった既出のトヨタやレクサスのクーペモデルとの共通性が見受けられない新しいもので、それでいてどこかなつかしい感じのするものでした。
フロントタイヤ後方からサイドマフラーが覗き、かなり大きなスポイラーやウイング、カナードやディフューザーを架装したエクステリアはまさに迫力満点で、ダークグレーのマットカラーもよく似合っていました。
少々繰り返しになりますが、GR GT3 Conceptを紹介するプレスリリースや公式ウェブサイトにおいて、「今後は、GRヤリス同様モータースポーツ用の車両を市販化する、という逆転の発想で、TGRがモータースポーツの現場で得た知見、磨いてきた技術をGT3車両開発だけではなく量販車開発でも生かし、『モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり』をさらに推進していきます」という旨が述べられています。そういわれたら、誰しもが期待しないわけありません。
気になるGR GT3 Conceptのその後について、2023年8月時点でどうなっているのか、GR広報部に問いあわせてみたところ、次世代のスポーツカーやGT3車両の開発に鋭意取り組んでいることと、GR GT3 Conceptの市販可能性については、すでに公表済みの通り、市販化に向けた開発に着手していますが、具体的な参戦計画や販売時期、ブランドや車名、パワトレや諸元については未定のため、今後の正式な発表を楽しみにお待ちいただきたいという旨の返答をもらいました。
ということは、開発は続いていて、市販化の可能性も十分あるものと認識してよいかと思います。そもそもホモロゲーションを取得するためには、市販車を年間200台以上は生産しなければならないので、レース車両とともに市販車も存在するはずです。
そのあたりが明らかになるのが、秋のモビリティショーなのでしょうか、あるいは年明けのオートサロンなのでしょうか。時期についてはまだ教えてもらうことができませんでしたが(それはそうですよね…)、大いに期待して待つことにしましょう。
もちろん価格的にはそれなり高くなることは確実と思われますが、GR GT3 Conceptがどういうカタチで世に出てくるのか、個人的にも楽しみでなりません。
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