この記事をまとめると
■「このクルマといえばこの色!」と多くの人の記憶に残っているモデルとカラーを紹介
■最近になって過去の名車と同じ色をまとったクルマが復活する例も出てきている
■なかにはアニメがきっかけで人気になった色も存在する
このクルマといえばやっぱりこの色でしょ!
スタイリングや走行性能など、クルマを印象付ける要素はさまざまありますが、ボディカラーもそのひとつです。そこで、今回は「このクルマといえばこの色」という、流行を越えるマッチングを果たした5台を振り返ってみたいと思います。
伝説のスポーツモデルを演出
まず最初は、日産の初代フェアレディZのオレンジです。オープンモデルのダットサン・フェアレディの後継である同車は、北米日産の社長であったミスターKこと片山 豊氏の企画により、当時の日産のイメージリーダーモデルとして1969年に登場しました。
そのレーシングホモロゲーションモデルである「Z432R」に設定されたのがこの印象的なオレンジ。濃いブラウンなど、もともとビビッドで豊かな色調が展開された初代Zですが、このオレンジは生産台数わずか数十台とは思えないほどの強い印象を残しました。
ご存じのとおり、今年1月の東京オートサロンでは、同車と新型の「カスタマイズドエディション」が並んで展示され、2台のオレンジ色がより一層クローズアップされていたのが印象的でした。
クルマじゃない、新しい乗り物の色を
2台目はホンダ・ビートの黄色です。同車は、誰にでも手が届く二輪感覚のコミューターをコンセプトに、「ミドシップ・アミューズメント」のキャッチコピーを掲げて1991年に登場したオープン2シーター。
「クルマではない新しい乗り物」を模索したこともあってか、イメージカラーの「カーニバルイエロー」もまた近未来のコミューターらしく、どこか玩具っぽい雰囲気を醸し出しました。さらに、ゼブラ柄のシートとの相性も抜群でした。
「デザインはピニンファリーナ?」なんてウワサが絶えないビートですが、この明るく彩度の高い黄色が似合うのは、スタイルのまとまりが非常に優れていることの証といえるでしょう。
イエロー系はどのクルマでも大人気!?
ワゴンブームの立役者を彩る
3台目は、同じ黄色でもより柔らかな色調が印象的だったボルボ850です。240シリーズの後継として、すべてを新設計したボディはFF駆動と直列5気筒エンジンを採用。1991年に登場すると、その後のワゴンブームの火付け役になるほどのヒット作となりました。
そして、4年後の1995年に追加されたのがターボモデルの「850T-5R」です。BTCCへの参戦もあって、もともとスポーティイメージの高かった850ですが、クリームイエローのボディがさらに気分をアップ。わずか数週間で予定販売数を売り切ったといいます。
比較的淡いトーンとはいえ、850ほどの大きなボディに黄色が似合うのは、先のビート同様、エクステリアデザインのまとまりが非常に優れているため。したがって、1994年のグッドデザイン大賞受賞も頷けるのです。
若者の心をとらえた鮮烈な赤
4台目は、1980年登場の5代目マツダ・ファミリアの赤です。歴代初のFF化によるボディは、ウエッジの効いたボディに大きなキャビンを載せた、80年代的プロポーションを先取りしたもの。
セダンも用意されましたが、エクステリアのまとまりとしては断然ハッチバックで、実際「サンライズレッド」の3ドアは「赤いXG」として爆発的なヒット作となり、「陸(おか)サーファー」なる流行語も生まれたほどです。
マツダの赤はこの後、初代ユーノス・ロードスターでも注目され、「魂動デザイン」では「ソウルレッド」として展開されています。そのなかでも、赤いファミリアの鮮烈な赤は特別だったと思えます。
アニメで活躍したイタリアンミニ
さて、最後はチョット変わり種で、2代目フィアット500のアイボリーとします。「NUOVA 500」として、いまさら説明の必要もない名車ですが、ボディカラーについてはいくつか用意されていたものの、コレという決定打はありませんでした。
そんななか、宮崎駿監督の映画「ルパン三世カリオストロの城」で、画面を縦横無尽に走りまわるアイボリーのチンクエチェントが一躍注目されたのです。じつは作画監督の大塚康生氏の愛車だったそうですが、だからこそリアルな描写が際立ったのでしょう。
ドラマや映画に登場したクルマが人気になるのは珍しくありませんが、色も含めたクラシックカーが、これほど注目されるのは希なことかもしれません。
以上、今回の5台はいかがでしたか? リセールバリューとしては、白やシルバーなど無彩色の人気が高いと言われますが、せっかく愛車にするなら、ボディカラーにはもっと冒険があってもいいかもしれませんね。
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