8月27日、2023年F1第14戦オランダGPの決勝レースが行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季11勝目を、セバスチャン・ベッテルが2013年にレッドブル在籍時にマークした個人連勝記録と並ぶ9連勝で飾った。
2位にフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、3位にピエール・ガスリー(アルピーヌ)が続いた。角田裕毅(アルファタウリ)は13番手でチェッカーを受けるも5秒タイムペナルティにより15位。今回がF1初レースとなったリアム・ローソン(アルファタウリ)は13位となった。
ザントフォールト・サーキットを舞台に開催された今季13レース目。今大会ではハードタイヤにC1(ホワイト)、ミディアムタイヤにC2(イエロー)、ソフトタイヤにC3(レッド)が割り当てられている。
ポールスタートのフェルスタッペンを含め、多くの車両がスタートタイヤにソフト(レッド)をチョイス。ミディアム(イエロー)を選択したのは、13番グリッドスタートのルイス・ハミルトン(メルセデス)、14番グリッドスタートのニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)の2台のみとなった。
レース中の降雨も予報される曇り空のもと、路面はドライコンディション。気温18度、路面温度31度、湿度65%となるなか、72周の決勝レースはスタートを迎えた。
フェルスタッペンが抜群の蹴り出しでターン1のホールショットを守る。一方、ジョージ・ラッセル(メルセデス)とアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)が3番手争いを展開する中、オープニングラップのターン3で5番手スタートのアロンソがインに飛び込み、ラッセルとアルボンを一気にオーバーテイクし3番手に浮上する。
しかし、トップのフェルスタッペンが1周目のターン13に差し掛かろうかというタイミングでザントフォールト・サーキットに雨粒が降り注ぐ。
1周目終わりにペレス、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、ガスリー、一時19番手に後退した角田、周冠宇(アルファロメオ)がピットインし、インターミディエイト(浅溝タイヤ)に交換。ただ、フェラーリとアルファタウリはインターミディエイトタイヤを用意しておらず、わずかにタイムロス。
雨脚が強まる中、2周目のターン1でアロンソがノリスを攻略し2番手に浮上するが、2周目終わりにトップのフェルスタッペン、アロンソ、カルロス・サインツ(フェラーリ)、エステバン・オコン(アルピーヌ)がピットイン。
その後、多くの車両がピットインするが、雨はすぐ止むという判断からかアルボン、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)らはソフトタイヤのままステイ。
しかし、5周目時点でコンディションはインターミディエイト寄りということもあり、トップはペレス、2番手フェルスタッペン、3番手周冠宇、4番手ガスリー、5番手アロンソというオーダーに。
ただ、9周目には雨が上がり、ソフトタイヤでステイするアルボン、ピアストリらのタイムがトップのペレスを1周2秒上回る状況に。ただ、ペレスからステイ組トップのアルボンまでは10周目時点で58秒というギャップに。
10周目にピアストリが1分18秒587というタイムをマーク。11周目にはDRSも使用可能となり、同じ周回のペレスから6秒近く速いタイムだったことから12周目にレッドブルは先行するペレスよりも先にフェルスタッペンをソフトに交換した。
ペレスはその翌周にピットイン。フェルスタッペンの3秒後方でコース復帰となり「なんでマックスにアンダーカットされてるの?」と無線を飛ばす場面も。
これで13周時点で再び全車がドライタイヤを装着。フェルスタッペン、ペレス、アロンソ、ガスリー、サインツ、周冠宇、ケビン・マグヌッセン(ハース)、ピアストリ、角田、オコンというトップ10となったが、15周目には再び大粒の雨粒が降り注ぐ。
その15周目に角田はオコンとアルボンに立て続けにかわされることとなり11番手に後退。しかし、その直後の16周目にターン8でサージェントがクラッシュ。これでセーフティカー(SC)が導入される。
レースは22周目より再開された。この時点で天候は晴れ、路面もレコードライン上はドライというコンディションに。リスタート早々からフェルスタッペンは自己ベストをマークし、ペレスとのギャップを広げる。
一方7番手でリスタートを迎えたマグヌッセンだったが23周目にアルボンに、24周目のターン2ではオコンにかわされ、角田の眼前に現れることに。再びDRS使用可能となると角田はプッシュ。25周目にマグヌッセンがオコンのDRS圏内から離れると、さらに間合いを詰め、27周目にマグヌッセンを攻略し角田が9番手に浮上する。
30周目、角田は周冠宇のDRS圏内に入った。角田はソフトタイヤを履く一方、周冠宇はハードタイヤというタイヤの違いはあるものの、31周目のターン1でスムーズなオーバーテイクをきめ、角田は8番手に浮上する。
32周目、ノリスが周冠宇をかわし角田の背後9番手まで浮上。ノリスはDRSも使い33周目にはセクター3全体ベストを更新しながら角田に接近する。DRSを使えない角田はセクター1、セクター3でノリスの接近を許すも、セクター2で踏ん張りを見せ、ポジションを守る。
その間にノリスの背後にはハミルトンも接近。35周目にはノリスがセクター3だけで0.4秒角田よりも速いペースを見せ、36周目のターン1進入で勝負を仕掛けるも、ここも角田が守った。
角田は続く37周目にも巧みなブレーキングを見せ、フロントロウスタートのノリスを抑え続ける。その姿に国際映像もフォーカスする。
一方、マシントラブルかペースが上がらないルクレールに16番手ローソンが接近。そのローソンは40周目のターン11~12のシケインでルクレールをオーバーテイクも、続くホームストレートがDRS区間だったこともあり、41周目のホームストレートで再びルクレールに先行を許してしまう。
ただ、ルクレールは41周目終わりにピットに入り、マシン状況が良くない状況のため、ここでレースを終えることを選択した。
ノリスは角田をかわせないまま42周目にピットイン。これで角田の後方はハミルトンとなった。ハミルトンは45周目のターン1で角田とテール・トゥ・ノーズとなるも、角田は34周走行したソフトタイヤでセクター1自己ベストを更新しポジションを守る。
ハミルトンは46周目にピットに入るが、角田は雨雲接近を鑑みてかステイを選択。今度はタイヤ交換から間もないサインツが後方に接近。48周目に先行され、角田は5番手に後退する。
50周目にフェルスタッペンがソフトに再度交換。これでフェルスタッペン、ペレス、サインツ、アロンソ、角田というオーダーとなるが、この時点で角田の装着するソフトタイヤは39周を走行しており、50周目のターン10でガスリーに容易くかわされる。
52周目のターン1でアロンソがサインツをかわし3番手を取り戻す。またその後方ではハードタイヤで35周走るラッセルが角田をかわし6番手に浮上。
角田は続く53周目のターン1でアルボンに、54周目のターン1でオコンに、55周目のターン1でノリス、ハミルトン、56周目にピアストリと次々とかわされポイント圏外の12番手に後退するも、雨雲が接近する中、角田は我慢の走りを続けた。
60周目、ターン1でガスリーがサインツをかわし4番手に浮上する。その直後、雨が降り始めた。上位勢では2番手ペレスが真っ先にピットイン。角田はここで50周走行したソフトからインターミディエイトに履き変えた。
ほとんどの車両がインターミディエイトに交換する中、11番手オコンだけがウエットタイヤを履いた。その直後、雨足は強まりを見せ、ペレスがターン1で留まりきれずウォールにタッチ。コンディションは急にヘビーウエットとなり、ターン1で角田、ハミルトンがコースオフし、さらには周冠宇がクラッシュ。
これでバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入されるが、そこから間も無く65周時点でレースは赤旗中断となった。
赤旗中にリスタート順が整理され、フェルスタッペン、アロンソ、ペレス、ガスリー、サインツ、ハミルトン、ノリス、ラッセル、アルボン、ピアストリというトップ10。角田は12番手からリスタートを迎えることとなったが角田に対し、35周目のラッセルとの接触に関して5秒のタイムペナルティが課せられることになった。
長時間の赤旗ののち、日本時間28日0時14分(現地時間17時14分)に、全車インターミディエイトタイヤ装着が義務付けられた上で、SC先導による2周のフォーメーションラップが開始され、その後ローリングスタートで67周目より、残り5周でレースは再開された。
各車比較的慎重な走り出しとなる中、ターン4~5でラッセルがノリスをかわし7番手に、そしてローソンがボッタスをかわし15番手に浮上する。また、角田はストロール、ヒュルケンベルグにかわされ13番手に後退。
そんな中、ターン11でラッセルとノリスが接触。67周目終わりにラッセルはピットインし、タイヤを変えてコースに復帰したものの、17番手に後退した。一方、69周目には角田の背後0.8秒までローソンが接近。しかし、角田はペースを上げ、ローソンとのギャップを着々と広げる。
72周目、フェルスタッペンが後続に3.7秒差をつけてトップチェッカーを受け、今季11勝目をF1の個人連勝記録タイとなる9連勝で飾った。2位にはファステストラップも記録したアロンソが続いた。
ペレスは3番手でチェッカーを受けたが、ピットレーン速度違反により5秒のタイムペナルティが課せられ4位に後退。4番手でチェッカーを受けたガスリーが3位に繰り上がり、今季初表彰台を獲得した。
5位サインツ、6位ハミルトン、7位ノリス、8位アルボン、9位ピアストリ、10位オコンまでがポイント獲得。角田は13位チェッカーも5秒ペナルティにより暫定結果では16位に。その後、14番手でチェッカーを受けたマグヌッセンに対し、SC先導中に前車から10車身以上離れたとして5秒加算ペナルティが課せられたことで、角田は最終的に15位となった。そしてローソンはF1初レースを13位で終えた。
次戦となる2023年F1第15戦イタリアGPは、9月1~3日にモンツァ・サーキットで開催される。
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ホンダなんてたいしたことない。レッドブルの車体がいいだけ。