7月14日、カナダ・オンタリオ州に位置するカナディアンタイヤ・モータースポーツ・パーク(モスポート/CTMP)で、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第7戦の決勝が行われ、インターユーロポル・バイ・PR1マティアセン・モータースポーツの52号車オレカ07・ギブソン(ニック・ブール/トム・ディルマン組)が総合優勝を飾った。
シーズン中、唯一のアメリカ国外ラウンドであるモスポート。『シボレー・グランプリ』と銘打たれたこのイベントは、LMP2とGTDプロ、GTDの計3クラスのマシンがグリッドに並ぶ一方、GTPチームは不参加となっている。
大雨で終盤に赤旗中断。波乱のワトキンス・グレン6時間をポルシェ7号車が制し今季2勝目/IMSA第6戦
シリーズ戦の基本フォーマットである2時間40分で争われた決勝レースは、前日13日(土)に実施された予選を制した99号車オレカ07(AOレーシング)のホールショットで幕が上ったが、予選4番手となったブール駆る52号車オレカはスタート直後からひとつ、ふたつと順位を上げ、99号車がスタート手順違反のペナルティで順位を下げたあと、10周目にトップの座を奪った。
序盤にリードを奪った52号車オレカは、レースが始まって1時間が過ぎたところでドライバー交代を行い、以降はディルマンがステアリングを握った。この35歳のフランス人ドライバーはレース中盤にかけて力強い走りを披露し、PR1マティアセンが運営するクルマに大きなアドバンテージをもたらす。
しかし、チェッカーまで残り20分をきったところで、ライアン・ダルジールの18号車オレカ07(Eraモータースポーツ)がターン9のバリアにヒットしたため、このレース3回目のフルコースコーションが導入され、ディルマンが後続に築いたギャップはリセットされることに。それでも、ディルマンは残り8分で再開された最後の“スプリント”で、ライリーの74号車オレカ07を駆るフェリペ・フラガの追撃をしのぎ、わずか0.658秒差でトップフィニッシュ。PR1マティアセンにIMSA通算29勝目をプレゼントした。
なお、この勝利はディルマンにとってIMSA参戦4戦目での初優勝を、ブールにとってはPC(プロトタイプ・チャレンジ)クラスのマシンでトロフィーとロレックスを手にした2017年のデイトナ以来、久しく遠ざかっていたシリーズ表彰台の頂点からの景色を思い出させるものとなっている。
惜しくも敗れた74号車に次ぐ3位にはTDSレーシングの11号車オレカ07が入り、ユナイテッド・オートスポーツUSAの2号車と22号車の両オレカ07が4位、5位で続いた。ポールシッターの99号車オレカ07は、リードラップ車の最後尾となる総合8位でレースを終えている。
GTDプロクラスは、アントニオ・ガルシア/アレクサンダー・シムズ組3号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(コルベット・レーシング・バイ・プラット・ミラー・モータースポーツ)がポール・トゥ・ウインを達成。クラス3番手からスタートした4号車コルベットが0.408秒差で姉妹車に続き、シボレーの名を冠するイベントでコルベットがワン・ツー・フィニッシュを果たした。クラス3位は選手権リーダーの“恐竜ポルシェ”こと77号車ポルシェ911 GT3 R(AOレーシング)だ。
同じくGT3カーで争われるGTDクラスでは、ハート・オブ・レーシングチームの27号車アストンマーティン・バンテージGT3エボ(ロマン・デ・アンジェリス/スペンサー・パンペリー組)が勝利を収めている。
ウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦第8戦は、ふたたび全クラスが集う『IMSAスポーツカー・ウイークエンド』。8月4日(日)に決勝が行われる同レースの舞台はアメリカ・ウィスコンシン州のロード・アメリカだ。
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