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機敏なシャシーが魅力的 アルファ・ロメオ・トナーレ HV160 Tiへ試乗 +−が混在の走り

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機敏なシャシーが魅力的 アルファ・ロメオ・トナーレ HV160 Tiへ試乗 +−が混在の走り

1.5Lターボ+20psモーター+7速DCT

アルファ・ロメオ・ステルヴィオの弟に当たる新しいコンパクトSUV、トナーレが英国上陸を果たした。左ハンドル車ではあるけれど。

【画像】魅力的なシャシーとインテリア アルファ・ロメオ・トナーレ 競合クロスオーバーと比較 全127枚

最初の選択肢の1つとなるのが、1.5Lガソリンターボ・エンジンのマイルド・ハイブリッド。最高出力160psを発揮し、7速デュアルクラッチATを介して前輪を駆動する。少し遅れて、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)版も導入予定にある。

マイルド・ハイブリッドの場合、電気モーターの最高出力は20psと限定的。燃費は15.9km/Lから17.6km/Lがうたわれ、CO2の排出量は139g/kmから144g/kmとなる。

このクラスのSUVやクロスオーバーは、混戦状態でライバルは多い。アウディQ3やボルボXC40などがその筆頭となるが、トヨタからフォルクスワーゲンまで、身近なブランドも漏れなくラインナップしている。

英国で選べるトリムグレードは3種類。試乗車はミドルグレードに当たるTi で、英国価格は3万9995ポンド(約660万円)から。このクルマには多くのオプションも追加されており、20インチのアルミホイールもその1つになる。

トップグレードはヴェローチェで、4万2495ポンド(約702万円)から。ステアリングホイール裏のシフトパドルや、アダプティブダンパーも付いてくる。

プラスとマイナスが混在する走りの印象

インテリアは、トナーレで筆者が好きな部分。全体的な素材感も悪くないし、小径のステアリングホイールはカッコ良く、ダッシュボードの化粧パネルも好ましい。

フロントシートは座り心地に優れ、横方向のサポート性も充分。エアコンに独立した操作パネルが用意されているのも評価したい。インフォテインメント・システムは、スマートフォンとのミラーリングに対応している。

ドアの上部パネルやピラー部分、ステアリングコラムのカバー、マットシルバー仕上げのプラスティック製部品などは質感がイマイチ。同価格帯のラグジュアリー・ライバルには並べていない。全長は4530mmあり、荷室容量は500Lと実用性での競争力はある。

ドライビング体験は、プラスとマイナスが混在する。インテリアの素材のように。

トナーレには、アルファ・ロメオではおなじみのD.N.Aと呼ばれるドライブモードが実装される。Dはダイナミック、Nはナチュラル、Aはアドバンスド・エフィシェンシーの略だという。

運転してみると、そのなかでDが一番印象は良い。0-100km/h加速8.8秒に疑いのない、キビキビとした変速フィールが得られ満足感がある。残りの2つでは、7速デュアルクラッチATの反応がおっとりしている。

操縦性は極めて軽快 もどかしい加速

ガソリンの消費量を抑えるため発進は電気モーターで賄われるが、アクセルペダルへの反応もD以外では鈍い。Aモードでは、エンジンが目を覚ますまでの待ち時間も長い。

Nモードでは、エンジンが約50km/hから15km/hほど加速させるのに、3.5秒も必要だった。ちなみに、ディーゼルエンジンを積んだシトロエン・ベルランゴの場合、同じ中間加速を約1秒も短くこなす。

7速デュアルクラッチATには、マニュアルモードがある。シフトパドルがないTiでもシフトレバーで選べるから、もどかしい時は左手を動かすと良いだろう。

Dモード以外では、結果的にアクセルペダルを深く踏むことになり、燃費も伸ばしにくい。今回の試乗では、14.2km/L程度だった。

そのかわり、アルファ・ロメオらしく操縦性は極めて軽快。コーナーではボディロールが抑えられており、フォード・プーマSTのように乗り心地も犠牲になっていない。このクラスで、これほど意欲的に旋回していくモデルは他に例がない。

左ハンドル車は路肩に近く、一般的には乗り心地で不利になりがち。アルミホイールも20インチと大きいものだったが、褒めにくい英国の舗装でも多くの不整を滑らかに均していた。それでいて、姿勢制御も褒められる。

ステアリングホイールは軽く回せ、クイックなレシオでロックトゥロックは2.2回転。敏捷性を求めて切り始めの反応が鋭いかわりに、クルージング時の安定した印象は薄い。

魅力的に感じさせる機敏なシャシー

これでパワートレインがもっと活発なら、と考えてしまう。より滑らかに郊外を走らせたり、リズムを刻むようにカーブを抜けたりできると思うのだが。

穏やかなエンジンのミニ・カントリーマン(クロスオーバー)と、筆者は記憶が重なった。全高のかさむボディで、ハッチバックのミニへ並ぶ敏捷性を感じてもらうため、クイックなステアリング・レシオが与えられていた。ホドホドの動力性能に。

機敏なシャシーは、トナーレを魅力的なものにしていると思う。だがハイブリッド160 Tiの場合は、秀でたサルーンのジュリアや兄貴分のステルヴィオほど、ドライバーの気持ちを鷲掴みにはできないようだ。

アルファ・ロメオ・トナーレ・ハイブリッド160 Ti(欧州仕様)のスペック

英国価格:3万9995ポンド(約660万円)
全長:4530mm
全幅:1840mm
全高:1600mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:8.8秒
燃費:15.9-17.6km/L
CO2排出量:130-144g/km
車両重量:1525kg
パワートレイン:直列4気筒1469ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:160ps(エンジン)/20ps(電気モーター)
最大トルク:24.4kg-m(エンジン)/5.6kg-m(電気モーター)
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

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みんなのコメント

8件
  • 内容と価格が見合ってなさすぎる。
    せいぜい400万円のクルマにしか見えぬ。
  • トナーレの本命は275hpのPHEVモデルだろう
    HEVのヴェローチェだとちょっとパワー不足感は否めなそうだな
    まーそれでも走りが楽しくなるアルファの味はしっかり受け継がれてるだろ。試乗してみたいな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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