輸入車 [2025.01.10 UP]
人気中古車実車レビュー【メルセデス・ベンツ Sクラス】威厳と美しさを兼ね備えた高級セダン
これぞ輸入車!ブランドの“世界観”を堪能できるおすすめ中古車8選
今回の人気モデル:メルセデス・ベンツ Sクラス
[メルセデス・ベンツ Sクラス]自動車ジャーナリスト 竹岡 圭と巡る人気中古車実車レビュー
文●竹岡 圭、ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス、BMW、アウディ
※中古車参考価格は2024年12月グーネット調べ。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2025年2月号の内容です)
試乗レポートではわからない、身近でリアルな使い勝手を実車を取材してレビューするのが、「人気中古車実車レビュー」。デザイン、装備、使い勝手をレビューしつつ、中古車相場についても中古車販売店に取材し掘り下げます。
Profile:自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
カーライフのサポーターとしてTVやラジオなどでもお馴染みの人気自動車ジャーナリスト。全日本ラリーにも参戦経験を持つ。2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
輸入SUVランキングのトップを3年連続獲得
今回チェックするSクラスは、メルセデスのフラッグシップモデルとして高い人気と実力を誇るラグジュアリーセダンの代名詞的存在です。取材させていただいたのは、2024年登録の「S 580 4MATIC ロング」で、走行距離は9000km、支払総額は2336万9000円です。
実車チェックを行うのは、自動車ジャーナリストの竹岡圭さん。小柄な竹岡さんがSクラスの横に立つと、その大きさが際立ちます。
「たしかにサイズは大きいんだけど、昔みたいな威圧感がなくてスタイリッシュですらある。もちろん最上級車としての威厳みたいなのは備わっているんだけど、すごくおしゃれになった感じ」と竹岡さん。
今回の取材では、セールスエグゼクティブの荒木さんとプロダクトエキスパートの長谷部さんにSクラスの魅力を教えていただきました。ちなみに、プロダクトエキスパートとは、ブランドやプロダクトの案内に特化した専門スタッフです。
「Sクラスは、メルセデスのブランドのなかでもフラッグシップモデル。どこの席に座ってもその席が主役になるような快適性を備えています。もちろん走行性能についてもトップレベルです。安全装備についても、カメラやレーダーはもちろん標準装備ですし、事故を予防しつつ衝突時の被害を軽減するPRE-SAFEを搭載しています」
50年以上の歴史を持つSクラス。現行型W223が登場したのは2021年のこと。ガソリン、ディーゼル、ハイブリッドと幅広いパワートレインを用意。インフォテインメントシステムは第2世代のMBUXを採用。「ハイ、メルセデス」という呼びかけで起動し、対話をするような感覚で機能にアクセスできる最先端のシステムです。今では多くのメルセデス車に搭載された技術ですが、竹岡さんはそれをSクラスが先んじて採用したことを高く評価。
「ブランドの顔になるフラッグシップモデルで、これだけ新しいことに挑戦するのは、なかなかできることではないと思う。変わることを恐れない姿勢が凄い。もちろん、一般的にコスト面含め先進的な装備は高級車から搭載されていくものなんだけど、間違いなくブランドの歴史に残るモデルで初めての試みをしてしまう。Sクラスのユーザーは、歴代モデルを乗り継いでいるケースが多いと思うんだけど、新しい試みを受け入れる姿勢、それも凄いよね」
現行型Sクラスの新車価格は1559万円からで、V8ツインターボを搭載する「580」のロングは2289万円。さらに取材車両はデモカーとして活用されていた車両だけあって100万円クラスのパッケージオプションを複数装着している。まさにこれ以上ないほどのラグジュアリーな1台。
「今日ひさしぶりにSクラスに触れたけど、本当に圧倒された。ウッドパネルの質感も凄いし、ブルメスターサウンドシステムのスピーカーの数も圧倒的。だって後席用のセンタースピーカーが天井についてるんだよ! びっくりした(笑)。私は自分で運転するのが好きだけど、このクルマならリアシートに座って移動したい。そういうクルマです」
メルセデスの魅力がすべて詰まった1台
2021年にフルモデルチェンジして登場した現行型Sクラス。メルセデスを代表するモデルだけあって、スタイリング、メカニズム、安全性、先進装備のすべてがハイレベル。パワートレインは、時代が求める電動化に対応しながらも幅広い選択肢を用意。まさにメルセデスを代表するラグジュアリーセダンとなっています。
中古車参考価格帯:820万円~2350万円(21年~24年 Sクラス 全グレード)
取材協力|メルセデス・ベンツ 千葉中央 サーティファイドカーセンター
最新のC.I.を採用したショールームは明るく開放的で、なおかつラグジュアリーな空間。広々とした屋内ショールームに加え、道路沿いにも最新モデルがズラリと並びます。サーティファイドカーは、コンパクトモデルからAMGまで幅広く取り揃え、品質についてもデモカー中心とあって折り紙付きとなっています。
SHOP DATA
住所:千葉県千葉市中央区川崎町1-43
TEL:043-268-1511
定休日:火曜日、隔週水曜日
営業時間: 10:00~18:00
URL:https://www.mercedes-benz-chibachuo.com
メルセデス・ベンツ Sクラスの新車情報を見る
メルセデス・ベンツ S-Classの実車をチェック!
【デザイン】セダンの威厳と美しさを両立させた流麗なスタイル
ボディから余計なラインやエッジを極力排除した「センシュアル・ピュリティ(官能的純粋)」というデザイン哲学で構成されている現行型Sクラスのスタイリング。大型のセダンでありながらも、流麗なフォルムによって優雅さ、洗練といった印象を見るものに与えます。竹岡さんが特に気に入っているのがリアスタイリングで、「この伸びやかなデザインがおしゃれ!」と絶賛。インテリアのウッドパネルも工芸品のような作り込みで、まさに動くVIPラウンジといった印象でした。
メルセデスのフラッグシップだけあり、デザインと素材感の融合でラグジュアリーな世界観を表現。ドアハンドルはボディに一体化。
【装備】フラッグシップらしく時代の先をゆく先進装備を搭載
コンソールからシームレスにつながる12.8インチのセンターディスプレイは、鮮やかで見やすい有機ELパネルを使用。ナビの案内表示で現実の映像と進行方向を合成して表現するARナビを搭載しています。生体認証機能により、シートポジションなどの設定を指先ひとつで呼び出すことも可能。車内をLEDで彩るアンビエントライトは、室内を鮮やかに彩るだけでなく、ドアを開けようとしたときに危険が迫っていると赤く点灯して警告するなど、高い機能性を備えています。
第2世代のMBUXを搭載。タッチやスワイプ、音声などによる操作に対応。オーディオも豪華で全席に上質なサウンドを提供します。
【使い勝手】前席だけでなく後席からもあらゆる機能を操作可能
ミニバンやSUVに慣れた身からすると、セダンの使い勝手に疑問があるかもしれません。しかしSクラスは圧倒的なサイズを使い、どの席でも等しく快適な空間を作り出しています。リアシートから各種機能にアクセスするためのタブレットも搭載し、それぞれの席で自分好みのリラックス空間が作れます。また、ロングボディはさらに圧巻! 特に「リアコンフォートパッケージ」装着車は、後席がまるでベッドのようになり、まるでプライベートジェット感覚です。
生体認証で各種シートなどのポジション位置を呼び出し可能。ジェスチャーを登録すれば、電動ブラインドや読書灯も手の動きで動かせます。
あらゆる領域で最高峰を味わえる頂点のモデル
竹岡 圭 レビュー
デザイン[★★★★★]
ひと昔前までのメルセデス・ベンツは正面から見たときに顔が立っていて大きくて迫力満点でしたが、それに比べるとずいぶんと優しくスタイリッシュな顔つきになりましたよね。Sクラスの上品さが感じられて、多くの方に受け入れられやすくなったと思います。サイドの伸びやかさ、リアのスムース感、見事です!
装備[★★★★★]
木目が素晴らしい! ストライプの木目ってめずらしいと思うのですが、あしらわれ方が見事なんです。特にリアシートから前を眺めたときの世界観が圧倒的で、ブルメスターのスピーカーの音に包まれながら、ここで過ごしたら最高だろうな~と、運転好きの私でも思ってしまったくらい。Sクラスにはこういう豪勢さが似合います。
使い勝手[★★★★☆]
できることが多すぎて、慣れるまでは迷ってしまう……。そんなときは「ハイ、メルセデス」と声を掛けることで、一挙解決に頼るしかなさそうですが、音声認識力はだいぶ向上したものの、車内で会話のなかでメルセデスと発話すると敏感に反応してしまうんですよね。呼びかけられているか認識ができるようになれば満点です。
編集部 レビュー
デザイン[★★★★★]
キャラクターラインを極力廃したシンプルなエクステリアデザインが現行メルセデスの特徴ですが、Sクラスはボディサイズが大きいため、その魅力が非常にわかりやすく体現されています。一方でインテリアは未来的。縦長のセンターディスプレイに機能を集約したことで、多機能なのに美しいデザインとなっています。
装備[★★★★★]
フラッグシップモデルなので、ベースモデルであっても装備は最高レベル。メルセデスはグレードのほかにパッケージオプションという形で、さまざまな装備を選べるようになっているので、中古車を購入する際はどういう仕様になっているのか、どんな内容なのかを調べてください。取材車両は超豪華仕様でした。
使い勝手[★★★★★]
かつて高級車の悩みであったのが、多機能にするほどスイッチが多くなるという問題。それを解決したのが、スマホ感覚で使えるMBUXです。第2世代はメニュー画面もさらに洗練され、使いやすさもアップ。よく使う機能をジェスチャーで呼び出すことも可能ですが、使いこなすにはそれなりの時間が必要です。
ライバルモデルをチェック!
BMW 7シリーズ
BMWを代表するラグジュアリー・スポーツセダン。上質感とともに運転する喜びを追求しているのが特徴。内燃機関モデルに加えて、電気自動車バージョンのi7もラインアップ。
中古車参考価格帯:920万円~1380万円(22年~24年 7シリーズ 全グレード)
アウディ A8
ラグジュアリーセダンの世界にいち早くAWDの有用性を取り入れて、あらゆるコンディションで高い安全性を実現したのがA8です。最新技術も数多く搭載しているハイテクカーです。
中古車参考価格帯:400万円~1200万円(18年~24年 A8 全グレード)
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