WRC世界ラリー選手権の今季最終戦『フォーラムエイト・ラリージャパン2023』は11月17日、競技2日目のデイ2の幕が開けたが、金曜のオープニングステージであるSS2はいきなり赤旗中断となった。
前日に豊田スタジアムでのセレモニアルスタートと、直後に行われたスーパーSSで開幕したラリージャパンは、この17日(金)から本格的な山間部でのラリーに突入した。その最初のステージとなったSS2“Isegami's Tunnel 1”は朝から降り続ける雨によって完全なウエットコンディションに。
豊田スタジアムでのスーパーSSは予想以上の楽しさ。ラリーカーの走りと迫力に圧倒/WRC写真日記
旧伊勢神トンネルを通過するコースである同ステージは7時過ぎから開始されたが、ここでいきなり“事件”が発生する。ヒョンデ・シェル・モビスWRTのダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)が体勢を乱し、コース左側の崖下に落下してしまったのだ。幸いインカーカメラでクルーの無事は確認できたが、コース復帰は絶望的。ヒョンデの車両回収のためにSS2は赤旗中断となった。
ソルドは昨年、このSS2で車両火災の悲劇に見舞われていたが、伊勢神トンネルSSは2023年も彼にとって鬼門だったようだ。
同SSのスプリット1でベストタイムを記録する好走を見せていた勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)もアクシデントに見舞われた。日本のファンの期待を背負うTGR-WRTワークスドライバーは、スタートから11.8km地点でスピンを喫し、マシンの右フロント部を損傷。
EVモードでフィニッシュ地点に到着した際にはマーシャルに対して大量の水を求めている様子が国際映像に映し出されており、ダメージによってラジエーターが損傷している可能性がある。勝田は公式インタビューに対し、「あのコーナーは情報がなかった」と述べ、「ノーチャンス!」と声を荒げる様子も見られた。
なお、競技はSS3“Inabu Dam 1”に移っている。勝田もクルマを修復してスタート地点に向かった。
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