静岡県の富士スピードウェイで6月4日にスタートしたENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook第2戦『NAPAC 富士 SUPER TEC 24時間レース』は決勝スタートから16時間が経過し、81号車DAISHIN GT3 GT-R(大八木信行/藤波清斗/青木孝行/坂口夏月)が総合トップを走行している。
8時間経過時点では888号車Grid Motorsport AMG GT3(マーティン・ベリー/高木真一/黒澤治樹/山脇大輔)が首位、62号車HELM MOTORSPORTS GTR GT3(鳥羽豊/平木湧也/平木玲次/ショウン・トン)が2番手に続いていたST-Xクラス。
【途中経過】2022スーパー耐久富士24時間レース/決勝16時間後
888号車と62号車のトップ争いは8時間が過ぎても同一周回での争いが続いていたが、261周目に62号車平木湧也が888号車ベリーをかわしてトップに立つと、湧也はさらにペースを上げて後続を突き放していく。
しかし、62号車がトップに立った直後の265周目、計時モニター上に「CAR 62 ドライバー連続運転時間検証中」という文言が表示される。富士24時間では各ドライバーが運転できる最大時間は“3時間”と決まっており、62号車はトンがダブルスティントを行った際にその時間を超えたのではないかということで検証が行われた。
レース開始から8時間50分が経過した280周目、青色で表示されていた検証中の文字は赤色に変わり、同時に「CAR 62 ペナルティストップ180秒(ドライバー連続運転時間違反)」と表示された。これで62号車には180秒ペナルティストップが科されることが決定し、同一周回で争われていた総合トップ争いから後退してしまう。
これで総合トップは労せず888号車が奪うことになり、2番手には81号車が続く展開に。しかし、その直後となる283周にST-5クラスの37号車DXLワコーズNOPROデミオがホームストレートでクラッシュを喫し3度目のフルコースイエロー(FCY)導入が宣言された。
2番手の81号車はこのFCY導入直前にピットに入り、トップとの差を大きく詰めることに成功する。FCYは285周目に解除されレーシングスピードでレースが進むなか、81号車を駆る坂口が300周目に888号車を捉えて総合トップに浮上する。
また、62号車へのペナルティによって3番手にポジションを上げていた9号車MP Racing GT-Rは、316周経過でミッショントラブル発生によりマシンをガレージに入れて戦線離脱。修復に2時間20分も掛かってしまい、総合28番手まで後退してしまった。
361周目にはST-TCRクラスの97号車Racer HFDP CIVICが最終コーナーアウト側にストップしてしまい、5度目のFCYが導入される。またしても総合トップの81号車はFCY宣言の直前にルーティンピットに滑り込み、2番手との差を2周に拡大することに成功。
このFCYは397周目にセーフティカー(SC)に切り替えられ、そのタイミングで10分間のメンテナンスタイムを消化するべく多くのマシンがガレージに入れられ、62号車をはじめとする各マシンたちの車両メンテナンスが行われる。レースは401周目から再開され、81号車藤波が後続を引き離すべく夜間での走行ながら1分40秒962というファステストラップを記録して逃げにかかる。
富士スピードウェイは4時29分となり日出時刻を迎えるも、気温16度、湿度は92%というコンディションで太陽は顔を出さずに曇り空のなかでレースが進んでいき、4時50分にナイトセッション終了が告げられた。
443周目、ST-1クラスの38号車muta Racing GR SUPRAがガス欠によりピットレーン入口で止まってしまったことにより6度目のFCYが導入。総合トップの81号車はこのマシンストップを見逃さず、再びFCY宣言の直前にピットイン、各車のペースが落ちるFCY中のタイミングでメンテナンスタイムに入る。
38号車の回収は即座に行われ、444周目からレースが再開される。メンテナンスタイムに入った81号車は2番手の62号車に2周差をつけてトップのままレースに復帰した。レース開始から16時間が経過し、トップの81号車はここまで完璧な走りと戦略を披露し507周を走破。2番手には62号車が3周差、3番手には888号車が4周差で続いている。
ST-Zは序盤からトップを快走する22号車PORSCHE 718 Cayman GT4 RS CSが16時間経過でも首位をキープ。2番手には500号車5ZIGEN AMG GT4、3番手には885号車シェイドレーシング GR SUPRA GT4が続く。
ST-Qはスタートからノートラブル・ノーアクシデントの3号車ENDLESS AMG GT4がST-Zを上回る総合6番手を走行しクラストップ。クラス2番手はMax Racingの244号車ニッサンZ Racing Conceptが総合12番手を走行している。
NISMOの230号車ニッサンZ Racing Conceptはリペアエリアでの修復後コースに復帰したが、数周後にエンジンが吹けなくなったということで再びガレージへマシンが入れられてしまう。230号車は長時間の作業を強いられるも、トラブル原因を解消した後に走行を開始した。
ORC ROOKIE Racingの2台は、28号車ORC ROOKIE GR86 CNF Conceptがミッショントラブルの影響もあり総合45番手にポジションを下げる。ORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptには大きなトラブルなく、30分ごとの水素補給を行いながら総合51番手を走行している。
61号車Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptは総合36番手を走行、55号車MAZDA SPIRIT RACING MAZDA2 Bio conceptは320周を終えたところでミッショントラブルによりピットでの作業を強いられているが、こちらも修復が完了しコースに復帰している。
ST-1はペナルティを受けながらもコース上で速さを見せる2号車シンティアム アップル KTMが、2番手の47号車D’station Vantage GT8Rに1周差をつけて引き続きトップに。ST-TCRは97号車Racer HFDP CIVICがリペアエリアでの作業を余儀なくされたため、75号車Team Noah HONDA CIVIC TCRが引き続き先行している。
ST-2はスタートから13号車ENDLESS GRヤリスが独走しクラストップとなる総合18番手を走行、ST-3も52号車埼玉トヨペット GB クラウン RSがトップを走行する。ST-4はデビューレースのTOM’S SPIRIT GR86が序盤から独走態勢を築いており、ST-5も8時間経過時点に引き続き17号車DXLアラゴスタNOPROデミオがトップを走行中だ。
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