■フロントのトレッドを真逆に!? さらにウェット性能を向上
バイク本体はもちろん、それにまつわるパーツも日進月歩の2輪界において、驚くべきことに20年以上もモデルチェンジをしていなかった製品があります。それがブリヂストンのツーリングバイアスタイヤ「BATTLAX BT45(バトラックス ビーティー ヨンゴー)」です。
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デビューしたのが1998年のことなので、タイヤ交換の時はいつもコレ、というファンも多いことでしょう。そんなBT45が、このほど「BATTLAX BT46(バトラックス ビーティー ヨンロク)」へとモデルチェンジ(2020年2月1日発売)、その進化の度合いを体感すべく、栃木県にあるブリヂストンのテストコースを走ってきました。
モデルチェンジのポイントはふたつあります。まずひとつが、フロントタイヤのトレッドパターンを真逆にして、ウェット路面での接地感の向上と偏摩耗の抑制を実現したこと。もうひとつがリアタイヤに新しいコンパウンドを採用し、こちらもまたウェットグリップの向上が図られました。
いずれも注目すべき点はウェット性能にあり、試乗はそこにフォーカスしています。テストコースには雨天を再現できる散水路があるのですが、そこを周回するというメニューが設定されました。
試乗車両はカワサキ「ニンジャ250」が2台用意され、それぞれにBT45とBT46を装着。つまりそれだけ違いが明確ということでしょう。ブリヂストン開発陣の自信のほどが伺えます。
水しぶきの量からも分かる通り、路面は完全にドシャ降りと同じ状態。しかも真冬ですから気温も路面温度も低く、実際のツーリングでは想定される状況とはいえ、気分的には結構イヤなものです。
そんな中、まずはBT45装着車が用意され「普段あまり使っていない路面の端っこの方は滑りますから」というテストライダーの注意を受けながらコースインしました。
コースには水量の多いところと少ないところが混在し、高低差もあります。性格の悪いレイアウトなのですが、じつのところ、BT45全然悪くありません。ネガティブな要素を無理に探せば、ややフロントタイヤの手応えが軽いかな、という程度で、それもブレーキの強弱や体重移動を少しだけ意識すれば解決。22年前から続く製品とはいえ、材質の進化にともなって地道にアップデートされてきたようです。
そんな好印象のままBT46装着車に乗り換えたところ、こちらのレベルはグッと上! タイヤが路面を捉えているフィーリングが分かりやすく、走行ラインも安定。水溜まりが深いところでもアクセルが開けやすくなっていました。
性能比較グラフを見せてもらうと、ドライ路面のメリットはそのままに、ウェット路面でのハンドリング、ブレーキ、トラクション、グリップが向上しています。それでいて耐摩耗性は犠牲になっていないとのことなので、BT45を愛用してきたライダーには自信をもっておすすめできます。
街乗りからツーリングまで、最新のストリートバイクからクラシックバイクまでフォローしてくれる万能バイアスタイヤとして進化しています。これから先の10年を見据えた、新たな定番モデルと言えるでしょう。
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