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F1タイヤトラブル問題:FIAとピレリはチームの抜け穴利用を懸念か。再発防止策として内圧監視を厳格化

掲載 更新 12
F1タイヤトラブル問題:FIAとピレリはチームの抜け穴利用を懸念か。再発防止策として内圧監視を厳格化

 F1タイヤサプライヤーのピレリは、第6戦アゼルバイジャンGPで発生したふたつのタイヤトラブルについて調査報告を行う上で、タイヤに構造上または製造上の欠陥はなかったと断言する一方で、アストンマーティンとレッドブルを非難することも避けた。

 FIAはピレリの報告書を読み、なぜランス・ストロールとマックス・フェルスタッペンのタイヤが壊れたのか、問題再発を防ぐためにすぐさま取ることが可能な対策は何かを探るため、ピレリのタイヤ専門家とともに独自の調査を行った。報告書はチーム側にも送付されており、慎重な表現が並べられた声明の内容は、ピレリとFIAによって取り決められたものだった。

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 火曜日、FIAは全チームに長文の新しい技術指令書を送り、今週末のフランスGPからどのような手順に従わなければならないかを詳細に説明した。その指令書の内容から、バクーでのタイヤトラブルをもたらした原因について、ピレリがどう考えているのかが見えてくる。この指令書の目的は、タイヤの内圧をより厳格に監視し、チームが意図的に内圧を下げることを防ぐことである。

 例えば指令書を読んで、ルイス・ハミルトン(メルセデス)がモナコGPで指摘していたことを思い出した者は多いだろう。彼は、レッドブルのタイヤブランケットの使い方には問題があると述べていた。

 ハミルトンは、こう言っていた。「予選では皆、ブランケットを装着しておくことになっているが、レッドブルは(早めに)外すことができていた。他の誰もそんなことは許されていないのに」

 タイヤは、温度が下がると内圧も下がるため、最初のラップですぐさまグリップを得やすくなり、予選ではそれが大きなアドバンテージになる。

 レッドブルは、マシンがガレージを離れる約1分前にタイヤブランケットを外す行為を習慣的に行っていることが分かっている。メカニックがマシンがピットを出ようとしていることを示す仕草を行った後に、エンジニアが渋滞の隙間を見つけるまで出て行くのを遅らせるといった形を取っている。

 しかし新しい技術指令によると、今後は不当に早くタイヤブランケットを外す行為が頻繁に行われた場合、スチュワードに報告されることになった。

 ピレリは、今年末まではタイヤの空気圧をリアルタイムで監視することが不可能であることを認めている。しかし今後、チームは常にピレリの指示する条件に従ってタイヤを走らせていることを証明する責任が課され、それができなければスチュワードに報告される。

 また、フランスGPからは、ピレリがグリッド上でタイヤ内圧を測定し、指定された値から外れている場合、規定内に収めるためにすぐさま対応しなければならない。

 レース開始3分前からはメカニックが実際に作業することができないため、タイヤ内圧の規定に違反していることが判明すると、レースをピットからスタートしなければならなくなる。

 ピレリの関係者によると、一部のチームはタイヤバルブをコントロールし、内圧の測定値を高く表示させる方法を見出しているという。しかし2022年からタイヤの内圧と温度のセンサーは共通部品となり、測定値より低い内圧で走らせるような行為は不可能になる。

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