現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【試乗】ドライブモードでのキャラ変が見事! ノートオーラNISMOは「走りの楽しさ」ではNISMOシリーズ随一のデキ

ここから本文です

【試乗】ドライブモードでのキャラ変が見事! ノートオーラNISMOは「走りの楽しさ」ではNISMOシリーズ随一のデキ

掲載 4
【試乗】ドライブモードでのキャラ変が見事! ノートオーラNISMOは「走りの楽しさ」ではNISMOシリーズ随一のデキ

 この記事をまとめると

■日産のノートオーラNISMOがマイナーチェンジを敢行

大胆なデザイン変更と新色追加で魅力倍増! 日産「ノートオーラ」と「オーラAUTECH」がマイナーチェンジを敢行

■空力デバイスなどの見直しが行われたほか4WDモデルも設定された

■アテーサE-TSなどスポーツ4WDで得られた知見が活かされたモデルに仕上がっている

 人気のノートオーラNISMOに4WDが追加!

 ノートオーラNISMOがマイナーチェンジして登場した。注目のポイントは空力特性を向上させたエクステリアデザインと、新たに4WDが設定されて専用チューンが施されているところ。これによってノートオーラNISMOの走りの性能は大幅に進化した。

 このほか、オプションとして電動リクライニング機能を備えたレカロシートの設定や、ヘッドレストにスピーカーを備えたBOSEパーソナルプラスサウンドシステムも用意されている。

 エクステリアデザインでは、フロントグリルに冷却性と空気抵抗の低減を両立させたフラシュタイプのデザインを採用。また、リヤバンパーもNISMO専用デザインとし、両端部にエアスプリッターを配置してボディサイドからの風を理想的に剥離させるとともに、バンパー下部のレイヤード・ディフューザーで床下からの風の流れを整流。リヤルーフスポイラーを合わせて、Cd値を悪化させずにCl値を低減しているという。

 4WDとなる「NISMO tuned e-POWER 4WD」はオーラNISMOに新たに設定されたグレード。標準グレードと比べ、フロントモーターは136馬力/300Nmで変わらないが、リヤモーターの出力を68馬力/100Nmから82馬力/150Nmに高め、前後駆動配分をNISMO専用チューンとしている。その結果、旋回性能を高め、雨天時や雪道など滑りやすい路面でも高いライントレース性を実現している。

 具体的には、ステアリング操作に対する正確性を向上させ、少ない舵角でより早くクルマの向きを変えることができ、安心感のある気もちいい旋回加速を実現しているという。

 また、タイヤはNISMO専用ミシュラン・パイロットスポーツ4(205/50ZR17 93W XL)を採用。これに合わせてホイールリム幅を6.5Jから7Jへワイドリム化。さらにNISMO tuned e-POWER 4WDには、ENKEI製でENKEI独自のMAT工法によって鍛造並みの高剛性をもった専用アルミホイールを採用。2WD用ホイールに対して12%の軽量化が施されている。

 NISMOモードはクルマの性格が豹変

 試乗したのは、今回のマイナーチェンジの目玉となるNISMO tuned e-POWER 4WD。この4WDモデルは、単に荒天時の操縦安定性を高めるだけでなく“旋回性を高める”と、具体的に4WD採用の目的を明言しているため、試乗インプレッションもほんとに謳い文句どおりになっているのか、という点に焦点を当ててみたいと思う。

 走り出してまず感じたのはその力強さ。リヤに82馬力/103Nmのモーターが加わったことで、単純に力強さが増している。乗り心地は引き締まっているのだけれど、ゴツゴツした硬さがなく以外にマイルド。路面の継ぎ目や段差を越えても、突き上げは角の取れたショックになっている。むしろ4つのタイヤを路面に密着させようとしているのかな、という印象。

 無造作にアクセルを深く踏み込んでみると、前後のタイヤにバランスよく駆動力が与えられ、効率よく加速している感覚がある。商品説明では(標準車の4WDに比べ)リヤの駆動力を高めたことで旋回性能を高めている、と説明を受けたが 試乗した印象だと前輪が引っ張り、後輪もクルマを前に押し出して……つまりバランスよく加速している感覚がある。前後輪のタイヤの負担の割合でいうと前後ほぼ均等な感覚。これでも十分に4WDのコーナリング性能としてはバランスがいいと思う。

 試しにドライブモードをデフォルトのノーマルからNISMOモードに変えてみると、アクセルレスポンスがよくなるのに加え、明らかに後輪の駆動力を強く使っているのが感じ取れる。コーナー立ち上がりで強めにアクセルを踏み込むとリヤ寄りの駆動配分の4WD、あるいはリヤのLSDを組んだ4WDのような旋回感となる。

 また、ノーマルモードのコーナリングと比べてみると、後輪の駆動感が増しているだけでなく、前輪の駆動力負担が少なくなって(その分旋回グリップ力にタイヤのグリップを使えるので)、より曲がりやすくなっている。

 一般的に、前輪の駆動力が後輪より強い駆動トルク配分の4WDの場合(たとえば60対40とか70対30)、コーナーでパワーをかけながら旋回加速していくと、前輪が先に外に膨らんでいく傾向を見せる。改めてオーラNISMOの前後のモーター出力を見ると、前輪が136馬力/300Nm、後輪が82馬力/150Nmで、単純にモーター出力を見ると前寄りの出力バランスとなる。ところが「NISMOモード」は駆動トルク配分が後ろ寄りに感じられる。実際に低中速コーナーでは、リヤタイヤがわずかに外に滑りながら向きを変えていく挙動を見せる。

 一方で「ECOモード」にすると、前輪の駆動力が強く感じられる味付けになっている。クルマの安定性で見るとECOモード>ノーマルモード>NISMOモードとなる。ノーマルモードと比べるとより前輪が多めに駆動力を発揮してクルマを前輪で引っ張るような感覚の旋回感だ。

 スラロームを試してみると、各モードごとのセッティングの差がはっきり表れた。ECOモードは前輪の駆動力が主体、後輪の駆動感は少なめで、ハンドルさばきでパイロンの間を縫っていく感じ。

 ノーマルモードはECOモードより前輪の負荷が少なくてハンドルの利きもよく、前輪が引っ張りながら後輪にも駆動がかかっている感覚がある。イメージ的には50対50の駆動配分の4WDを走らせている印象だ。

 再びNISMOモードにすると、ハンドルの利きがさらによくなり、後輪が主体になって駆動している感覚が強くなる。スラローム中にもアクセルをより強く踏めるようになっており、それに伴ってリヤタイヤが軽く横に滑るような動きがみられた。感覚的には35対65~30対70くらいの駆動配分の4WDに乗っているような感じだ。

 前後のモーターの出力を思い返せば、後輪主導で走るというのは考えにくいのだが、単純な前後の駆動配分だけでなく過渡領域や、モーターのトルク特性を上手く使って、さまざまな場面で前後輪の駆動力制御を行っているのではないかと思う。

 あるいは前後デファレンシャルの最終減速比の違いなども操縦性のチューニングに効いているのかもしれない。いずれにしても、単純なモーター駆動4WDではなく “こんな風にクルマを走らせたい”という作り手の意思とか意図を感じ取ることができる4WD制御になっているのを強く感じた。

 日産の4WDの歴史を振り返れば、8代目ブルーバードで登場した4WDシステム=アテーサやR32GT-Rから始まるアテーサE-TSなどスポーツ4WDで得られた知見がモーター駆動4WDにも生かされており、走りがデザインされているのだ。

 オーラNISMOは、現在もっとも安価に手に入るNISMOモデルだが、FUNという意味でのスポーツ性はどのNISMOモデルにも負けていないと思う。そして、NISMO tuned e-POWER 4WDの走りの面白さ、奥行きを知ってしまうと、たとえオンロードしか走るつもりがなかったとしても4WDを強くオススメしたくなってしまう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
VAGUE
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
レスポンス
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
motorsport.com 日本版
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
AUTOSPORT web
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
Auto Messe Web
なんとも物騒な「煤殺し」ってなんだ!? トラックドライバー御用達アイテムの正体とは
なんとも物騒な「煤殺し」ってなんだ!? トラックドライバー御用達アイテムの正体とは
WEB CARTOP
東京海上日動、顧客連絡先不明の代理店を新たに2社確認 合計124社に
東京海上日動、顧客連絡先不明の代理店を新たに2社確認 合計124社に
日刊自動車新聞
WRC最終戦「ラリージャパン2024」開幕! 日本勢の「TGRチーム」活躍に期待! 会場はすごい熱気に! 高橋プレジデントや太田実行委員長が語る! 今大会の「見どころ」は?
WRC最終戦「ラリージャパン2024」開幕! 日本勢の「TGRチーム」活躍に期待! 会場はすごい熱気に! 高橋プレジデントや太田実行委員長が語る! 今大会の「見どころ」は?
くるまのニュース
アストンマーティン、技術責任者ファロウズ更迭は今季の不振が理由と説明「彼は2023年のマシン開発に大きな影響を与えたが……」
アストンマーティン、技術責任者ファロウズ更迭は今季の不振が理由と説明「彼は2023年のマシン開発に大きな影響を与えたが……」
motorsport.com 日本版
ブルーインパルスがラリージャパン2024開幕を祝う航空ショー。6機が豊田スタジアム上空で華麗なスモーク
ブルーインパルスがラリージャパン2024開幕を祝う航空ショー。6機が豊田スタジアム上空で華麗なスモーク
AUTOSPORT web
[15秒でニュース]首都高速八重洲線通行止め…10カ年計画の新環状線プロジェクト
[15秒でニュース]首都高速八重洲線通行止め…10カ年計画の新環状線プロジェクト
レスポンス
GMのF1計画に新たな動き。アンドレッティの設備引き継ぎ、2026年からキャデラックブランドで参戦か?
GMのF1計画に新たな動き。アンドレッティの設備引き継ぎ、2026年からキャデラックブランドで参戦か?
motorsport.com 日本版
約148万円! スバル新型「軽ワゴン」発表! “水平対向”じゃないエンジン&スライドドア搭載! ”大開口“実現の「シフォン」が販売店でも話題に
約148万円! スバル新型「軽ワゴン」発表! “水平対向”じゃないエンジン&スライドドア搭載! ”大開口“実現の「シフォン」が販売店でも話題に
くるまのニュース
アウディ Q6 e-tronの中国専用「ロング版」はただ長いだけじゃない…広州モーターショー2024
アウディ Q6 e-tronの中国専用「ロング版」はただ長いだけじゃない…広州モーターショー2024
レスポンス
タナク総合首位。勝田貴元はステージ優勝2回で総合3番手まで0.1秒差|WRCラリージャパンDAY2午後
タナク総合首位。勝田貴元はステージ優勝2回で総合3番手まで0.1秒差|WRCラリージャパンDAY2午後
motorsport.com 日本版
<新連載>[失敗しない初めてのスピーカー交換]ツイーターだけを“追加 or 交換”するのは、アリ!?
<新連載>[失敗しない初めてのスピーカー交換]ツイーターだけを“追加 or 交換”するのは、アリ!?
レスポンス

みんなのコメント

4件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村